COUNTDOWN JAPAN 09/10

2009年は多くの有名なミュージシャンが死んだ。忌野清志郎、マイケル・ジャンクソン、加藤和彦、アベフトシ。そのすべてが今回のフェスに影響を及ぼしてたけど、1番大きかったのは、このフェスに参加するはずだったフジファブリック志村正彦の死だった。開催のわずか4日前。あまりにも突然だった。

そんな状況の中、追悼ムードの強いフェスになる事は避けられなかったんだと思う。ただ湿っぽいフェスなんかじゃなくて、最高に楽しかった。今までで1番思い出に残るCOUNTDOWN JAPANだったと思う。

1日目

2009年12月28日(月)

会場入りすると、まずは休憩エリアへ。初めて来たときにオープン早々寝てる人を見て何しに来てんだと思ったけど、今はその気持ちが凄く良く分かる。

毎回いろんな変化する会場だけど、今回まず驚いたのがリクライニングチェア。足が置けるとこもあって、何より体の伸ばし加減で椅子が倒れる仕組みが心地いい。以前までの足が無いタイプと2種類置いてあったんだけど、新しいタイプしか使わなかった。

心地よくダラダラ過ごしたところで、まずはEARTHステージへ移動して恒例の社長朝礼。いつものようにグレードアップした会場の紹介をしたんだけど、今回は何故かPA担当の方の顔写真がスクリーンにアップで映し出されて紹介されてた。

ちなみに前回、通路のミラーボールが不評で、来場者のコメントを見た担当スタッフはショックで胃潰瘍になったらしい。惨い。個人的に今回の会場はきれいで良かったと思う。

さらに渋谷さんは志村の件に関して、フジファブリック側の関係者から、最高のフェスにしてほしいという言葉があったことを話した。出演者や参加者が沈んだ気持ちになるような事は絶対やめてくれと。

渋谷さんの「頼んだぞ!COUNTDOWN JAPAN!」という言葉と共に迎え入れられた1組目は、9mm Parabellum Bullet。兎に角腹が減ってたので、少しだけ見てから食事を済ませてリクライニング休憩タイム。その後、COSMOステージの頭脳警察で、自分の中でフェスが本格的にスタートした。

今回の頭脳警察はトシさんがパーカッションをやってバックに3ピース加わるという5人編成。ベテランのくせに最前線のロック。骨太でかっこ良かった。しかし60近いくせに曲のタイトルが「死んだら殺すぞ」とか、凄すぎるな。

茜色の夕日

そのままCOSMOに残ってMASS OF THE FERMETING DREGSをちょっとだけ見てから、奥田民生ひとり股旅を見にGALAXYステージに移動。本当はマスドレを最後まで見るつもりだったけど、志村の事があったから民生の方に来てみた。

1曲目の「それはなにかとたずねたら」は意外だったけど、この曲好きだから嬉しかったな。MCではいつもの調子で、ユニコーンは全部歌わなくていいから楽で良いなどと言って笑いを誘っていた。たまたま、くるりの話題になった時は一瞬だけくるりの曲(曲名忘れた)をやって「こんな大したことない曲やってる場合じゃないんだよ。時間無いんだから」と、さらりと毒舌も。

その後は「The STANDARD」や「コーヒー」などをしっとり聴かせた後、じゃあ最後の曲をと言って始まったのはフジファブリックの「茜色の夕日」。

会場の至る所から、すすり泣く声が聴こえてきた。民生自身も辛そうだったけど、必死に歌い上げてた。でも最後のサビ君のその小さな目から大粒の涙が溢れてきたんだというところで、声を詰まらせ下を向いてしまった。

民生に憧れてミュージシャンになったという志村は、民生にとっても可愛い後輩だったんだと思う。そんな民生の姿を見たら、自分も感極まって涙があふれてきた。あの民生の姿は一生忘れられない。

続いてはCOSMOに移動してTRICERATOPS。期待通りにアゲアゲで踊らせてくれたけど、途中でボーカルの和田唱が「シムシム聴いてくれ」と言った後、フジファブリックの「陽炎」を演奏。続く曲でドラムの吉田が「もっと笑顔で!」と客を煽ってたのが印象的だった。

大物登場

暫く余韻に浸りつつ休憩した後は、佐野元春&THE COYOTE BAND。この人の放つオーラは全く独特で、実にかっこいい。普通の人が言ったら臭くてダサイ言葉もこの人なら許されてしまう、まさにスターのオーラって感じ。

「よく言うだろ、ロックは世代を超えるって。本当かな? 今日はそれを証明しよう」

そういって始まった「I love you!」「You love me!」のコール&レスポンスは、まさに愛が溢れてた。民生からトライセラの流れで感傷的になってたけど、佐野さんのステージが終わったときにはハッピーな気分になっていた。

次は坂本龍一。かなり意外な名前だけど、だからこそか会場は大入り。ステージにはグランドピアノが2つ置かれて、1つは自動演奏で勝手に鍵盤が動いてる。なんだか奇妙な感じ。ステージ後ろに用意された大きなスクリーンには、曲ごとにいろんなイメージが映し出されて世界観を作り上げている。

とても静かなステージだったので、隣から時折漏れてくる重低音が邪魔だったけど、とても良いステージだった。ただ、出来れば椅子に座ってゆっくり聴きたかったな。立ちっぱなしで聴くもんじゃないわ。

ASRTO ARENA

腹が減ったので飯にしようと思ったけど、DJブースにダイノジが出る時間だったので移動。去年からDJブースが、メッセのイベントホールを丸ごと使用したASTRO ARENAという独立した空間になっている。今回初めて入ったんだけど、これは凄い。凄くて笑った。

DJブースって言うと小さい箱ってイメージが既成概念として頭の中にあったから、フロアがでかいうえに、そこが人で埋まってるのが圧巻だった。

一目見て飯食うつもりだったんだけど、この光景にテンションあがっちゃって、ダイノジでしっかり踊ってからEARTHステージに移動。当然飯食ってる余裕無し。

この辺の無理が後々響いたんだという気がしてる。

普通に遊ぶおっさん達

本日のトリはユニコーン。夏フェスで見た時は必ず「ひまわり」から始まってたけど、今回はいきなり「服部」で一気に会場ヒートアップ。その後も「ペケペケ」「ケダモノの嵐」と、夏フェスでは聴けなかった曲連発で喜んでたら、MCを挟んで披露されたのは「半世紀少年」。個人的にこれは悪ふざけとしか思えない曲なんでフェスでやるとは思わなかった。

次の「PTA〜光のネットワーク」では、引き続き川西&EBIのコンビがラップを披露したんだけど、曲の終盤で川西さんがニヤニヤしながらEBIに耳打ちして、民生の歌に掛け合いする形でラップを始めた。これは打ち合わせに無かったらしく、民生が歌いながら笑っちゃってた。

アンコールでは、まさかアンコールがあると思わなかったから曲を用意してないと白々しく言う民生。それを受けて阿部が「ジャンジャン!」というオチの音を鳴らしたんだけど、スピーカーへ出力されてなくて異常に小さい音で鳴ったのがツボに入ったらしく、何回も小さい音で鳴らしてた。あれ、後ろの方は聴こえてなくて意味分かってなかったんじゃないだろうか。

この客を無視したお遊びが一段落したとこで、民生が「嘘です。ちゃんと練習してきました」と披露したのは、誰もが期待していた「雪が降る町」。

以前、民生がソロで出たときに、その日たまたま雪が降ったからという事でやってくれた事があったんだけど、やっぱりユニコーンがやるとなると格別。それに加えて、今回は特効で本当に雪が降ってくるという演出付き。実際には雪に見えるような泡をなんだけど、触ってみるとひんやりしてて本物っぽかった。見た目もきれいだったし、これは感動した。

終了後は海浜幕張駅近くのネットカフェに入店。早めに埋まっちゃうと思ったんだけど余裕で入れて一安心……したんだけど、近場であるが故に翌朝暇すぎて苦労する事になった。

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