COUNTDOWN JAPAN 04/05

3日目

2004年12月31日 15:00 海浜幕張

最終日は4時半開場、6時開演。駅前ビルで飯でも食いながら時間をつぶそうと思って早めに来たんだけど、電車を降りた時点で既に人が多い。みんなこんな早く来るの? 何で? と思ってたら駅を出たところにプラカードみたいなの持った人が。

『GLAYチケットあります』

改めて周りを見ると明らかにGLAYファンと分かる女性が多数。へ~、今日はこのあたりでGLAYもやるのね。ま、俺には関係ないけど、と思いながら駅前ビルに入ると、これまた明らかにGLAYファンとわかる集団で溢れていた。ウ、ウ、ウゼェ~~~。

ただでさえ人が多いのに雨が降ってるもんだから、駅出た人はとりあえずこの建物に来るような状態で、どこへ行っても落ち着ける場所などどこにもなかった。完全に計算が狂った……。しかたなく、適当にパンを買ってメッセで食う事に。

17:00 幕張メッセ

漫画喫茶で夜を明かし、1人寂しくパンを食う。まっるきり家出少年な28歳男は、物販に並ぶ行列がはけてきたところでクローク&物販エリアへ。

とりあえず本日出演のTHE BACK HORNのグッズが何か欲しいな~と思い見に行く。白の「夢花Tシャツ」と黒の「鶴Tシャツ」で迷った末、黒の「鶴Tシャツ」を購入。その流れで椿屋四重奏のコーナーに行くとイカスTシャツ発見。カーキ、紫、黒の3種類でカーキがダントツにカッコいいんだけど、みんな考える事は同じらしく、カーキはサイズが小さいのしか残ってなかった。

とりあえず自分の中で紫はないので、黒買おうとかと思ったんだけど、側面に柄がプリントされていて、後ろの首のとこにアーティスト名があるというデザイン構成が、さっき買ったバックホーンのTシャツとおもいっきり被ってる。これで色まで被ったら、同じもの2枚買ったようなもんだ。ほんの数分前に白いTシャツを買わなかった自分を激しく責めつつ、かなり悩んだ末に黒を購入。

18:00 EARTHステージ

ステージに前説の渋谷さんが現れて最終日が幕を上げた。一番手はくるり

くるりは2年連続で2日間出演。ブッキングが難しい中、彼らのような人気も実力もあるバンドが2日間も出てくれる事は、とてもありがたく感謝していると渋谷氏。感謝のしるしに何でも言う事聞くと言ったら、くるりの岸田が「俺たちがツェッペリンの移民の歌やるから前で叫べ」と要求されたとのこと。それだけは勘弁してくれということで実現しなかったんだけど、その後出てきた岸田さんは、しっかりツェッペリンのTシャツを着ていた。

メンバーが位置につくと、渋谷さんへの当て付けのように移民の歌が始まって、岸田さんのシャウトでステージスタート。「俺ロバートだから。ロブと呼んで」と、すっかりツェッペリン気分。

MCで「年越しなんか関係ない。俺は気持ちいいライブをやる」と言った直後「ほんまは勘定したかった……」と寂しそうにポツリ。そのまま、言っていい? って感じの微妙なカウントダウンになだれ込み「来年はこれをやりたい!」と意欲満々。

肝心の演奏の方は、当然のように素晴らしかった。力強くて心地よい音。最終日のオープニングにふさわしいって感じ。

19:20 EARTHステージ

続いての登場は佐野元春。正直あんま聴かないんだけど、たまに聴くと独特な空気もってて「あぁいいな~」って。ソフトな声が、時にロックだったりポップだったり。この人の歌聴いてると、なんとなく不思議な気分になる。何かフワ~って。もうね、フワ~くらいしか言う事ないですよ。フワ~。

20:40 EARTHステージ

すでに予定より10分押し。スケジュールの若干の遅れさえ待ちきれないとばかりに、フロアは人で溢れていた。目当ては東京スカパラダイスオーケストラ

メンバーが登場し音が鳴った途端、会場は巨大なダンスホールと化した。この人たちの曲は全く持ってたちが悪い。自然と体が動いてしまうのだ。彼らが発するエネルギーの前には、この後の体力など考える余地はなく、ひたすら踊り狂うのみ。目の前ではサークルピットも出来てた。体力をごっそり吸い取られ、あっという間にステージ終了。3日間通して最も短く感じたステージかもしれない。スカパラ最高だ!

21:30 MOONステージ

次はMOONステージでつじあやのを鑑賞。今までのバンドサウンドとは打って変わって、ウクレレ1本の弾き語り。疲れた体を癒してくれるように平和な空間が広がる。

こういう空気に浸った時、改めてフェスに来てよかったなと思う。MADがどうでも良くなってくるくらい心地いい音と空間。ホント気持ちよかった。

21:50 ERATHステージ

つじあやのに心奪われたあと、慌ててEARTHステージに行くと、ちょうどTHE MAD CAPSULE MARKETSが始まるとこだった。開始早々、音塊ともいうべき轟音がフロアを満たす。どうだ!これがMADだ!とでも言わんばかりの迫力。本当だったらノリノリでいきたいところだけど、スカパラにごっそり体力を奪われてるので、オーディエンスの怒号と轟音に押し出されるように休憩エリアへ。

リクライニングチェアで横になりながら何気なくタイムテーブル表を見る。

GALAXY STAGE 22:20~THE BACK HORN

忘れてた~。ただいまの時刻22時20分。しんどいわ~と思いながらGALAXYステージへ歩を向ける。

22:30 GALAXYステージ

わたしはギターとか弾けないわけですよ。だからテクニックがどうだとか詳しい事は分かんない。でもね、何となくTHE BACK HORNのギターには違和感を覚えました。「夢の花」のアウトロ前の大事なとこで音外したのはご愛嬌としても、何か乗りきれない感じがした。ヘタだな~とかじゃないんですけどね。何かしっくりこなかった。

あとドラムのお方。MCでいいこと言おうとしてるんだな~というのは分かるけど、グズグズですよ。こっちも「イェ~!」っていきたいとこだけど「は、はぁ…」ってなる。ま、もともと私がこのバンド好きになったのはボーカルの声が好きだったからなんで、それでも一応楽しめましたけど。何かこう、いまいちスッキリしないステージでした。

23:15 EARTHステージ

2004年もあと僅か。忌野清志郎と共に新年を迎えるべくEARTHステージには続々と人が集まってきた。

まずバンドメンバーが登場。ギターはおなじみ三宅伸治。個人的には、この人だけでも十分嬉しいところ。演奏が始まると伸ちゃんがKINGコールで煽る。会場が十二分に暖まったところで、KING忌野清志郎登場。本物だ~!スゲ~!まさに王様風のマント羽織ってる~。

「MIDNIGHT BLUE」「トランジスタ・ラジオ」「スローバラード」「ドカドカうるさいR&Rバンド」「上を向いて歩こう」

濃い! 濃いよ、KING。オールタイムベスト連発だよ! 続く「BABY何もかも」では、倒れるがマントを着て復活という、ジェームス・ブラウンのようなパフォーマンスを披露。しかし、何回目かで現れたのはマントではなくコタツ。そのままコタツで落ち着きミカンを食べるキング。まるっきりお爺ちゃんだ。

バンドメンバーも演奏を止め、全員コタツに入ってミカンを食べる。「いや~、しみじみするな~」って、しみじみしすぎ! 結局そのままカウントダウン突入で、キャノン砲炸裂。会場中に銀のテープが舞い、オーディエンスが絶叫する中「今年もコタツで年が越せて嬉しいです」と落ち着き払うキング。貫禄である。

ラストは「雨上がりの夜空に」。コール&レスポンスで大盛り上がりの末ステージ終了。忌野清志郎と共に年を終え、忌野清志郎と共に年を迎える。今年は絶対ロックな年になる。

3日目/2005年1月1日

0:40 MOONステージ

明けて2発目は椿屋四重奏。このバンドが紡ぎ出す独特な雰囲気はどこから来るのだろうか? ロックの一言では片付けたくないような、彼らだけが持つ雰囲気。彼らは自分たちの音楽を「艶ロック」と呼んでいるけど、的を射た名前だと思う。

「この曲で新しい椿屋四重奏の一端を見せる事が出来るんではないかと思います」と言い披露した新曲「螺旋階段」は、リフが印象的で力強く、そして艶やか。格好良すぎ。早くCD出してください。

ステージ降りる時に「後で、どっかで弾き語りやるかもしれません」と一言。後日公式サイトの方見たら、弾き語りはあくまで極秘ゲリラライブであり、言っちゃいけなかったらしい。ん~、裏方泣かせ。

椿屋終了後、もはやボロボロの体を引きずり休憩エリアへ。ラストの曽我部恵一に標準を合わせるため、それまではガッツリ休む事に。

4:00 ラジオブース付近

会場内に特設されてるニッポン放送&bayfmのラジオブースで、4時からの椿屋四重奏が出演する公開収録を見るため少し早めに動き出すと、初詣用に作られたCOUNTDOWN神社の横で、椿屋四重奏の中田さんが弾き語りをしてた。

近くに行ったんだけど、マイクもアンプも無しのまさにアンプラグドなため、近くのMOONステージの音がうるさくてほとんど聴こえない。それでも、それを聴くために狭いスペースに20人程が肩寄せ合って座っている。一番前の人は本人から50cmくらいのとこにいる。近い!

最後にやった新曲らしき曲だけは、何とか聴く事が出来た。いい曲。それも早くCD出してください。

4:20 GALAXYステージ

10分程の公開収録を見終え、曽我部恵一を見るため移動。GALAXYステージでやるんだけど、勘違いしてMOONステージへ行くと、既に撤収が始まっていた。時計を見ると開始予定時刻の4時20分。冷静に考えれば勘違いだとすぐ気付くような事だけど、疲れきった頭は働かない。

予定外の進行で、もう終わっちゃったのかと本気でパニックになる。最悪だ~と5分近くうなだれてたとこで、やっと勘違いに気付き、GALAXYステージへダッシュ。

朝の4時半だというのにフロアは大入り。ステージにはギター1本で弾き語りする曽我部。中盤の「テレフォン・ラブ」では、これでもかと言うくらいにコール&レスポンスの応酬。終わった後に「みんなまだ歌えそうだったな……」と残念そうに呟くと、次の曲へ行きかけたのを止めて再び先ほどのコール&レスポンス突入。しっかり応えるオーディエンス。全く持って元気な人達。ステキ。

ステージ終了後、朝の5時過ぎだというのにアンコールを要求する客。多くの人が帰ろうとする中、「帰ろうとしてる人ゴメンなさいね」と曽我部登場。

じゃあ1曲と言って、今日のために作った出来たての曲だという新曲を披露。思わぬプレゼントでカウントダウンジャパンは華やかに幕を閉じた。

5:40 幕張メッセ

帰り支度を済ませた後、ホールに再び足を踏み入れ、人が減り閑散としてきたホールを見つめる。

終わってしまった。夢のような3日間が終わってしまった。何だかとても不思議な気分。もうここに用はないのに、立ち去るのが惜しい。ふとホールから立ち去る女の子達の声が耳に入った。

「終わったね~…。さようならカウントダウンジャパン」

もう一度フロアを端から端まで見渡すと踵を返し、出て行く人の流れにのってホールを出た。さようならカウントダウンジャパン。

11:30 山梨

電車が動き出し、思い出に浸るまもなく眠りに落ちる。気がつくと目的の駅に着いていた。ともすれば3日間の全てが夢だったような気がしてくるけど、キツめに巻かれた左手のリストバンドがそうではないと教えてくれる。

清々しい気分で駅を出て近くの駐車場へ向かうと、出発時には降ってなかった雪に見事に埋もれた自分の車があった。タイヤはもちろんノーマルだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です