COUNTDOWN JAPAN 06/07

4日目

2007年1月1日 8:00

疲れすぎて面倒臭かったので、結局この3日間、お絞りで適当に拭いただけでシャワーも浴びていない。ずっと室内にいたせいで時間の感覚も麻痺し、カウントダウンしたのに年が明けた気もしない。さらにジャンクフード漬けで、正月気分などほど遠い状態で元旦の朝を迎える。

電車に乗って周りの人を見ていると、こいつら元旦から何やってるんだという思いが頭をよぎるが、一番何やってるんだは自分である事に気づくまで、疲れた頭でもそう時間はかからなかった。

13:00

EARTHステージで最後の朝礼。渋谷さんは紋付袴で登場。4日間全部来てる人という問いに対して元気よく答える客を見て、前にいた奴らが笑いながら「バカだね~」と呟く。私自身参加しといて何だが、確かにバカだと思う。

その後、いつもの様に注意事項等の説明があって、1組目のマキシマム ザ ホルモンの紹介を始める。

去年はMOONステージだったのに、今年はいきなりメインステージのEARTH。昔、メンバーのナヲちゃんに、このフェスに出る為なら渋谷陽一と寝てもいいと言われましたが、寝なくて本当に良かった。実力でここまで登り詰めました、と彼らを呼び込む。

名前は聞いた事あるものの、音を聞くのは初めて。こりゃまた元気が有り余った奴らが好きそうな音だこと。正月早々、ヘビーサウンドでフロアが大きく揺れた。

確かに音はカッコいいけど、MCが長い。面白いが欲張りすぎ。がっついている若手芸人か。終盤にやった恋のまじないはライブじゃ定番っぽいけど、説明とか長すぎてダレた。

16:15

終了後は、休憩エリアで横になり体力を温存したあと、GALAXYステージに移動。2日目の朝、隣りに座った女の子が言っていたPOLYSICSで暴れるつもりだったけど、人がいすぎて軽く体揺らすのが精一杯な状況。周りを見ても踊りまくっているような集団もなく、つまらないので休憩エリアに帰ってふて寝。暫くしてからsmorgasを見る為に、COSMOステージに移動する。

smorgasは、1年程前にギターとベースが立て続けに脱退してしまい、その後発表されたアルバムは、ちょっと音が変わっていた事もあって、大丈夫かと心配だったんだけど「ワイバーン」「惑星探査団」と昔の名曲連発に、流石に盛り上がる。

しかし、終盤披露された新曲では、客の勢いが明らかに落ちる。やっぱり何か違うという事に気づいてしまった感じがした。ラストの「Smoothe Rider」では再び盛り上がるも、最初の勢い程ではなかった。大丈夫だろうか、smorgas。

16:45

EARTHステージにエレファントカシマシ登場。出てきていきなり手を突き上げポーズを決める宮本。だらけたシャツに緩んだネクタイ。ポーズも決してビシッと決まってるわけではないのに様になってしまう。これがこの人の魅力。

初っぱないきなり「今宵の月のように」「悲しみの果て」とシングル2連発。椎名林檎同様、圧倒的存在感を放つ宮本だが決して浮いている感じはなく、バンドの一体感が素晴らしい。メンバー同士、古い付き合いのなせる技だろうか。

自由に動き歌い表現するこの人を見てると、あの時椎名林檎に感じた違和感はこれなんだろうかと思えてくる。もしかしたら、椎名林檎には余裕が足りないのではないかと。

MCの時にCOSMOステージから漏れてくる音を聴いて、宮本が結構音漏れるんだなと一言。確かに今回音漏れが酷い。ステージ増やすのもいいが、これはもうちょっと考えて欲しい。

最後は新曲「俺たちの明日」を披露して終了。名曲「ガストロンジャー」も聴けて、大満足のステージでありました。

終了後、フロアを出たとこできょうこちゃんから連絡が入る。

「今家出たとこです」

今!? もう終わりかけじゃん!

18:30

きょうこちゃんにメールを返してからCOSMOステージでTOMOVSKYを見物。3日前にピーズを見たばかりなので、同じ顔、同じ声の人が違う事やってるのが、何か不思議な感じ。

喋りの間とかもそっくりだし、やってる事は本質的に同じで、違うのは最終出力部分のみ。ステージどうこうよりも、その面白さに感心してしまった。

COSMOステージを出ると、EARTHステージからGO!GO!7188の楽しそうな音が聴こえてくるが、それをパスして曽我部恵一BANDを見る為にGALAXYステージへ。

セッティングが整い、客電が落ちたフロアに、曽我部恵一の声が響く。いきなりアカペラで歌いながらの登場だ。他のメンバーも次々と歌いながら登場し、アカペラで会場を巻き込んで大合唱。一気に会場が曽我部恵一のものになる。何なんだ、この力は。

その後は各自楽器を手にとり、以前見たソロの時とは打って変わってアッパーなロックを連発。ガンガンに盛り上げた後は、眠れない夜、好きな子に電話したいのにうまくいかないというコミカルな寸劇を挟んで「テレフォンラブ」へ突入。

後半、怒濤の大合唱で会場が一体になったところで「青春狂走曲」「STARS」と続き大団円。最高に楽しくて、何だか幸せな気分になるステージだった。

ここでようやく、さっき着いて曽我部恵一を見ていたというきょうこちゃんと合流。食事エリアで暫く話した後、すでに燃料切れの私はGALAXYステージに行く彼女を見送るとロッカーから荷物を取り出し、帰り支度をした上で休憩エリアに腰を下ろすと、EARTHステージから漏れてくる佐野元春の音を聴きながら、抜け殻のようにボーッと過ごす。

最後はホフ ディランで締めようと思ってたけど、動くのがしんどいという理由で、近場のサンボマスターを選択。終了後は直ぐ帰るつもりだったので、きょうこちゃんと会ってる時間もなく、メールでお互い挨拶を済ますとEARTHステージの出口付近に陣を取る。

19:00

4日間のロックフェスの最後の最後に、一番暑苦しいサンボマスター登場。のっけから絶叫しまくる山口。繰り返されるコール&レスポンス。会場が一体となり、皆が拳を突き上げる。ガス欠の私が放心状態で立ち尽くす中、会場にロックンロールコールが響く。

ロックンロール。そう、ロックとロールは1つでセットなのだ。渋谷さんが言うようにロックが思想であるならば、今この会場を包んでいるものこそロールではないのか。ロックがロールし、いろんなものを飲み込んで広がっていく。そして全てを包み込むその日まで、ロックはロールし続ける。

そう思うと、いても立ってもいられず、サンボマスターの演奏がまだ終わらないうちにステージへ背を向け、満干の思いを胸にフロアを出た。もうここに留まる必要はない。そう、疲れた果てたのだ。

メッセの出口では、1日のチケットが売れ残った分、余ったタイムテーブル表を無料配布という名の処分をしていた。自分が持っているのは、4日間を共にしてボロくなっていたので、折角だからいくつか貰って帰る事にしたが、ひとつだけ気になっていた事がある。ムクハリメッセってどこ?

ムクハリ

エピローグ

山梨に向かう電車の中では、単に疲れなのか、あんな環境に4日もいて感覚が麻痺してるのか、とにかくフワフワした感じでいまいち落ちつかない。ひとつだけ間違いない事は、風呂と布団が恋しいということ。普通に風呂に入り、普通に布団で寝る。こんな幸せが他にあるだろうか。

山梨に着くと駅からの足がなく、タクシーに乗るのも金がかかるので、近くに住む友人に電話して駅まで迎えにきてもらう事に。わざわざ来てくれた友人に、お礼としてオフィシャルタオルをプレゼントした。もちろん、それが拾ったものである事は告げずに。

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