笠地蔵

この前テレビで武田鉄矢が、昔話の解説してたんですよ。「世界一受けたい授業」とかいう番組。視点を変えれば新しいものが見えてくる、みたいなことで、昔話の新しい解釈ってのをね、説明してたの。

笠地蔵って話あるでしょ。おじいさんが笠売りにいった帰り道で地蔵に気付いて、雪降ってるから可哀相だっつって売れなかった笠をあげて地蔵にお礼をされるという。いい行いをすれば、自分にもいい事があるよって話。

で、鉄矢は本当におじいさんがいい人だったら、町に笠を売りにいく時に地蔵に気付いて笠あげてるはずだって言うんですよ。売りにいく時は金儲けの欲があったから地蔵なんかに目がいかなかったと。言うんですよ。鉄矢が。

そうはどうだろうかと。

地蔵はね、最後に米だぁ何だぁ礼の品を渡すのに、おじいさんの家まで歩いてきてるんですよ。つまり地蔵は動けるんです。ってことは、おじいさんが笠売りにいく時はいなかった可能性があるんですよ。でしょ。

行きにいなかった地蔵が帰りに突然現れたことを、おじいさんが何故不審に思わなかったかというと、おじいさんだからですよ。悲しいくらいにおじいさんなんですよ。彼は。

じゃあ、何で地蔵はあそこいたかというと、私は昔話にありがちな狸が化けていたっていうパターンだと思うんですよ。狸がお供えを期待して地蔵に化けてたと。で、おむすびとか団子とか期待してたのに笠渡されたもんだから、テメェ何してんだってことで腹いせまぎれにドッキリで、お礼の振りして偽物の米とかを置いてったんですよ。

お礼の品が偽物であることに、じいさんとばあさんが何故気付かなかったかというと、おじいさんとおばあさんだからですよ。悲しいくらいにおじいさんとおばあさんなんですよ。それはもう。悲しいです。

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