3日目
2006年12月31日 11:00
前日同様ロッカーに荷物を預けると、物販を一通り散策してからGALAXYステージに移動。開演まで暫く時間があったけど、歩き回るのも億劫なので、その場に腰をおろして待つ事に。
PM1:30
今日はGALAXYステージなので、前説は兵庫さんが出てくるものだと思って待っていると、違う人が登場。渋谷さんは今日大阪会場の方に行っていて、兵庫さんはEARTHステージにいるとの事。
前説では相変わらず注意事項等が告げられるが、残念な事に昨日痴漢の被害があったという。警察による容疑者の事情聴取もあったとか。盗難やスリの被害も出ているとのことで、改めて注意が呼びかけられる。これだけ人が集まると、そう言う輩もやはりいるということか。気持ちの悪い話だ。
一通り説明も終わったところで本日1組目のRIZE登場。出てきていきなりJESSEがペットボトルの水を客席に撒く。今日は年越しの長丁場になるので、なるべく体力は温存しておきたいところだけど、中盤ピンクスパイダーが始まったところで我慢できずにフロントエリアに突入。
ラストのカミナリでは、ダイブして策の前に落ちた客に対して、JESSEが「お前こっち来い!」と手招きし舞台に上げる。何をするのかと思ったら、そいつと肩組んで何やら話をした後、「こいつダイスケ! よし、お前が歌え!」と言ってマイクを渡す。
前の方ではスタッフがやめてくれみたいなことを言っているようだけど、JESSEはそれに対して中指突き立てて構わず続行。当のダイスケはラップ部分を見事に歌いきり、しっかり盛り上げて退場。初っぱなから見事に体力を削られた。
GALAXYステージを出ると、休憩エリアに直行。普段会社で昼休みに寝ているので、昼になると眠くなるという体が出来上がってしまっているようで、普段から休日でも昼は眠い。今回は疲れもあって特に眠い。
特別見たい人もいなかったので、暫く寝る事にした。通路側のシートで横になっていると、隣りを人が通った時に意外と風が起きて一瞬涼しくなる。女の子とすれ違った時にシャンプーとかのいい香りがする事はよくあるけど、横になって目を閉じていると、誰かが横切った瞬間に台所用洗剤の匂いがした。一体どこを洗ったんだろうか。
17:00
がっつり休憩した後、toeを見る為にCOSMOステージに移動。全然知らないバンドだったけど、サイトをちょっと見た時にかっこよさそうだったので気になっていたバンドだ。これで「トー」と読むらしい。
人気もあるらしく、フロアには結構人が集まっている。セッティングも終わりメンバーがステージに登場。演奏が始まるのかと思いきやダラダラとセッティングやらチューニングが始まる。
やっと始まったかと思ったら、何かいまいちしっくりこない。アコギ2本、ベース、ドラム、キーボードという編成で曲はインストなんだけど、何だかしっくりこなくて気持ち悪い。
1曲目が終わると、MCもなくまたダラダラとチューニング。まるでスタジオで練習している感じだ。何かイライラしてきたけど我慢してもう1曲聴いてみる事に。
やっぱりなんかおかしい。しっくりこない。私の感覚がおかしいのだろうか。アコギの音も何か好きになれないし、どうしても馴染めないので3曲目の頭でフロアを出てGALAXYステージに向かった。
GALAXYステージでは麗蘭が演奏中。チャボさんカッコいい~。一目見た瞬間にカッコいい。
少し後ろの方に腰をおろして聴いていたけど、途中チャボさんのMCでの「おれの知っているバンドの曲をカバーさせてくれ。昔世話になったバンドだ。」とという言葉に思わず立ち上がり前の方へ。
「みんなもよく知ってるやつだ。毎年カウントダウンの時にやってきて盛り上げるアイツだ。」
そして始まったのは「雨上がりの夜空に」。2006年7月に喉頭癌であることを発表し、現在療養中の忌野清志郎に対して、来年はきっとくると信じてるぞ。早く戻って来いよとエールを送る。おもわず胸が熱くなった。
MCでは同年代で付き合いも古い渋谷さんに対してメッセージを投げかける。「若い社員からいじめられたらメールしてくれよ。今年メールが出来るようになりました。絵文字入りで返信するぜ!」だって。チャボさんが絵文字て。他にも散々喋った後で、いつもMCが長いと渋谷に怒られるんだと反省するも「だがお前程じゃない」と、ちゃっかり痛いところをつく。
18:00
麗蘭終了後、EARTHステージに行くと、BOOM BOOM SATELLITESのKick It Outのイントロが聴こえてきた。本当なら一緒になって踊りたいところだけど、ここは抑えどころと後ろに腰をおろして見物。
終始休まる事のない攻撃的リズムに何度か屈しそうになり、終わりきる前にフロアを出るとCOSMOステージに移動。
セッティング中で人もまばらなフロアの前の方に立って待っていると、ステージに朝は大阪にいっていたはずの渋谷さんが登場し、次の出演者であるPANTAの紹介を始めた。
ロックは思想であると言い、そのロックの本質を最も強く体現している日本のロックレジェンドとしてPANTAが呼び込まれる。
カッコいい。正直、PANTA自身も、彼がやっていたバンド頭脳警察も知らない。こういう機会でもないと見れなさそうだと思い、興味本位で見に来たんだけど凄いパワーで圧倒された。昔を知らないのに、昔から変わらずこのパワーでやってきているのだろうなというのが見えてくる底力のようなものを感じた。
70年代からやってるけど、こんな大きなステージに立つのは初めてだというPANTA。発せられるものは攻撃的でありながらも、合間に見せる表情は実に穏やかで楽しそうだった。
19:45
EARTHステージに戻ると、ちょうどGANGA ZUMBAが始まるところだった。GANGA ZUMBAは、宮沢和史が中心になって結成されたバンド。宮沢らしいというべきか、沖縄民謡やサンバなどいろんなものを取り込み、とにかく陽気に盛り上がる。
それでもグッとこらえると、端の方に腰をおろして静かに見物。後半徐々に前の方に行くと、終了後すぐにフロンとエリア突入。とうとうザ・クロマニヨンズの登場だ。
さっきのブンブンも今のGANGA ZUNBAも我慢したのは何の為か。この為である。
ハイロウズの後期、徐々に何でもありになってきて多様化してきた音楽性だが、クロマニヨンズでは余計なものを全て削ぎ落としたロックの必要最低限という感じの音に変わった。そんな純度の高いロックを次から次へとかまされたのでは、こっちも全力で向かわないと追いつかないのである。途中のMCで言った「僕たちはロックンロールをやりにきました」という言葉が全てを表しているかのようだった。
持ち時間は40分くらいあるはずだけど、クロマニヨンストンプから弾丸ロックまで30分程で一気に駆け抜け終了。
モワッとして汗臭い人ごみにもまれながら外へ出る途中、前にいる男からカブトムシの幼虫の匂いがしてきた。前世カブトムシだろうか。
21:00
ホールを出るとロッカーから荷物を出し、汗ばんだTシャツを着替える。再びロッカーに荷物を預け直すと、すぐさまGALAXYステージに移動。続いてはeastern youthだ。
GALAXYステージを、たった3人が奏でる轟音が埋め尽くす。正直で真っ正面。そんな音だから、轟音なのに心地がいい。改めてeastern youthのカッコよさに惚れ直す。
暫くノリノリで参戦していたけど、今は3日目の中盤。さらにクロマニヨンズの直後ということもあり、既に限界だったらしく首がピキーッてなる。
とりあえず気力でイースタンを乗り切ると、首を労りつつMOONステージに寄ってCHIBAをちょっとだけ見る。三線とバイオリンをの音が心地いい。
そこに座って軽く休憩した後、アナログフィッシュを見ようとCOSMOステージに行ってみたけど、人でいっぱいだったので休憩エリアのリクライニングシートで横になる。首もピキーッてなったことだし、流石にしんどいので、そのままカウントダウン手前まで休むことに。
23:45
2006年も後僅かとなったところで、EARTHステージに吉井和哉登場。正直ソロになってからは、途中でYOSHII LOVINSONから吉井和哉に変わったくらいの知識しかなかったので、イエモンの菊地さんがギターをやっていることに、まず驚いた。まだ交流あったのね。
モニターには歌にあった映像が流され、総合的な演出がなされている。カウントダウン手前では、間奏の時に時刻が映し出され、徐々に会場の雰囲気も高揚していく。
カウントダウン間近というとこで、ツアーを切っ掛けに仲良くなったというKREVAが登場。「アニキ、これどうそ」と手渡されたシャンパンを受け取り、年越しの瞬間は豪快なキャノン砲と同時にシャンパンシャワー。明けて一発目は、イエモンの「LOVE LOVE SHOW」だ。
MCでは、年が明けているにもかかわらず、来年はいい年にしたいだの、来年もいろんなことに挑戦してだの、来年来年と何度も言う。流石に客から突っ込まれると「ごめんね、ちょっとボケちゃってるから」と軽く返すが、ビートルズのイエスタディの日本語訳バージョンを歌った際には歌詞を間違え、歌い終わった後で「ちくしょう、間違えた」と、本気で悔しそうに呟く。
アンコールでは「楽園」を演奏してフィニッシュ。去年までは、この後朝5時くらいまで続いたんだけど、今回は1日も公演があるので、今日の分はここで終了。
2007年1月1日 1:00
ロッカーに行き荷物を取り出そうとすると、鍵を差し込んでも回らない。一瞬焦るが、よく見ると鍵穴の上にある液晶に「超過料金」の文字が。12時をまわったので金を取られるようだ。仕方なく、一旦邪魔にならないようにロッカーから離れると財布から300円を取り出し、ロッカーの前に戻るとお金を入れて鍵を回す。
こんなことならクロークでも良かったなと思いながら扉を開けると、なんと中身が空っぽ。何が起こったか分からず、変な汗が出るのを感じつつ暫く固まる。頭の中で「何で?」を8回くらい繰り返したところで、差し込んだはずの鍵をまだ持っている事に気づく。
ボーッとして、隣りのロッカーを開けていたのだ。すぐさま本来のロッカーを開け直して自分の荷物が入ってる事を確認し、心の中で安堵の小躍りをする。
荷物を取り出し帰り支度をしていると、結局クロークに預けるよりも高い金を払っている事に、だんだんムカついてくるが、それすらも面倒臭くなるくらい頭が働かない。もうグッタリだ。
まだ1日残っている事が、嬉しいような悲しいような……。