平成22年度 KINDAMA~年越し音泉!謹賀魂

日本一アホな夏フェスOTODAMAを主催する清水音泉の年越しイベント。謹賀魂、略してKINDAMA。COUNTDOWN JAPANの最終日を蹴って大阪までやってきた価値はあった。さすが清水音泉。ちょっとトラブルもあったけど、アホで面白かったなぁ。

2010年12月31日(金)なんばHatch

開場10分前くらいに会場に到着。前で待ってる客は20人くらい。前日まで人だらけのデカイ会場にいたから、一瞬不安に駆られた。

入ってすぐの物販ではオフィシャルTシャツと共に、有名ローディーのQ太郎さんがモデルになったTシャツも売っている。公式Tシャツてことなんだろうか。早くもアホだ。

荷物をロッカーに預けるとフロアに移動。会場は中規模クラスのライブハウスなんだけど、フロアの左側3分の1くらいをプロレスのリングが占拠し、フロアの一番後ろには畳が敷かれたコタツ席まである。そしてフロアの入り口には、録音等禁止の張り紙と共に、ジャンピング乾杯禁止の張り紙。

※ジャンピング乾杯とは、清水音泉の夏フェスOTODAMAの打ち上げで披露された特殊な乾杯で、フラカンのミスター小西がこれで骨折をしている。

このいちいちアホな作り。これが清水音泉クオリティ。そんなアホな空間に登場した1組目のバンドは、アホっぽくはないTHE DIM

ボーカルの女の子がいい声してて存在感もあるし良いなぁと思ってたら、あとから平均17歳の高校生バンドだと知ってビックリ。確かに若いなとは思ったけど、そこまでとは。1発目でかなり客も少なかったけど、個人的には今回1番の注目株だった。

食べすぎちゃいました

THE DIMが終わると、続いてはビックリTSUKASAのマジックショーのコーナー。2組目にしてマジックショー。これが清水音泉クオリティ。客をいじりつつ笑いを取るようなコメディマジシャンで、一応ちゃんとしたマジックをやってるんだけど、しゃべりと演出が微妙なのでマジックが凄く見えないところが凄い。

マジックが始まった頃から徐々に急に客が増えてきて、続いてのキノコホテルが始まる時には、なかなかの客入りになってた。キノコホテルは気になってたバンドなんだけど、思ってたより良かったな。ギターの子がだいぶ可愛い。動きが可愛い。

ボーカルの人は気怠そうな口調なんだけど、この日は食べ過ぎたということで輪をかけて気怠そうだった。「肉食べたかったから、来てすぐ食べに行ったんだけど、想像以上に大きいのが出てきて。食べ過ぎちゃって苦しい。初めて見る人もいると思うけど、でも、食べ過ぎちゃったんで…………どうもキノコホテルです」と、気怠く自己紹介。

更には、来る途中新幹線の外に見えた山中の雪景色をさして「真っ白で、何にもなくて、ああいうところに住んでる人って、何考えて暮らしてるんだろうって。自殺したくなる風景だった」と田舎を一刀両断。その辺りから来た人いるかとの問いかけに対して、隣にいる人が手を挙げてたんだけど、この一刀両断っぷりに「酷い!」って言ってた。そりゃ言うわな。

おもちです

キノコホテルが終わったところで、遂にリングの出番。大阪プロレス提供による第1試合が始まった。まぁこんなイベントに来るような客だから、案の定盛り上がりましたね。

原田大輔VSタコヤキ王国の王子タコヤキーダーだったんだけど、途中から何故かタコヤキーダーに人気が集中して原田選手が会場睨んでたのが面白かった。ちなみに勝者は原田選手。

続いてはステージに戻って四星球。こちらも気になってたバンドだけど、面白かったなー。とにかく笑った。

まずはギターがお祭りの法被にブリーフという姿で登場し、遠いとこから来たという話をすると「私の方が遠いわよ!」とチャイナドレスを来たベースが登場。更に続いて「私の方が遠いぞ!」となんだかよく分からない民族衣装でドラムが登場。

すると「いやいや僕の方が遠いですよ!」と、白い全身タイツに法被という姿のボーカルがフロア後ろの扉から登場。宇宙人ということらしいが、舞台に上がるなり法被を脱いで一言。「おもちです」

この頃には、フロアはすっかり大入りだったんだけど、軽くモッシュも起きてて、かなり盛り上がったな。というか嫌でも盛り上がるような、ネタ満載のパワフルなステージ。

1曲目が始まるとボーカルが演奏を止め「これ1番盛り上がる曲だから、1曲目にやったらあとやる曲無くなる!」と別の曲を始めるも、やはり演奏を止めて「これも違う!もう何やったらいいか分からんくなってきた!」というミニコントからスタート。その後パンツ一丁になると、クラウドサーフしたり、フロアに降りて来て客を引き連れて回りだしたり、もうやりたい放題。あまりに暴れすぎて、膝からちょびっと流血したとき、「うわ!血が出てる!引かないで!」と、パンツ一丁で膝を隠してる姿が面白かった。

次回はカウントダウンの前くらいに出演したいと意気込みを語ると、カウントダウンの練習だということで、数字が書かれた大きな紙が登場。5,4,3と紙をめくっていくと、最後の紙には「NEWS ZERO」の文字。NEWS ZEROのBGMが流れる中、ギターとベースの2人が、キャスター2人のお面をつけてオープニングトークを展開。最後に「現場の櫻井翔くーん」と呼ぶと、ボーカルが哀川翔のお面をつけてるというミニコント。オチ弱いなぁと思ってたら、これはまさかの伏線だった。

「この曲トイレの神様より長いぞ!」と始まった最後の曲が終わると、ドラムがひとりでトイレ行きたいトイレどこだー!と右往左往。すると舞台袖からトイレの神様が登場。「大ですか?小ですか?」と尋ねると、ドラムが哀川翔のお面付けて「小です」「以上、四星球のショーでした」ということで、ステージ終了。何この最後の完成度。まさか哀川翔がネタ振りだったとは。

四星球が終わったところで、大雪の影響で本日出演予定のセカイイチがまだ会場に着いてないから出演順を変更するという情報が入ってきた。

守ってあげてください

会場が大いに暖まったところで、続いては大阪プロレス第2試合。試合前には第1試合に引き続き、清水音泉の田口氏から注意事項が説明された。

「レスラーは大変危険です。近づいて来たら逃げて下さい。自分の身は自分で守る。男性は女性を守ってあげて下さい。私は7年間付き合った彼女を守ることができませんでした。後悔しています」 あんたの恋愛事情はどっちでもいいわ。

第2試合はくいしんぼう仮面&えべっさんVSミラクルマン&松山勘十郎というタッグマッチ。プロレスというよりも、プロレスコントと言った方がいい試合だったな。えべっさんが無言でひたすらミラクルマンのチンコ蹴るのが面白かった。

試合はミラクルマン&松山勘十郎の勝利で幕を閉じたけど、その後も学生レスラーだったという清水音泉の田口さんがレスラーのマイクパフォーマンスでいじられまくってた。学生プロレスのリングネームはシモネタと相場が決まっているとということで、田口さんに対して執拗に公開を迫るレスラーたち。嫌がり続けたものの観念して「シャ乱Qツンポ」という微妙なリングネームを白状。

かっちりネタ見せが終わったあとは、ステージに戻ってアシガルユース。初めて見たけど、いまいちだったな。MCがスベってた。楽曲は悪いとは言わないけど、個人的にはパッとしなかった。

このあと、セカイイチだけでなくカウントダウンをする予定のフラカンまで雪で遅れてるという知らせが入った。最悪、バンドマンのスベらない話で年越しの可能性も出て来て、俄然面白くなってまいりました。

イベントもいろいろ

続くプロレス第3試合の時間は、プロレス見たり外をぶらぶらしたり。

KINDAMAでは、プロレス以外にも様々なイベントが用意されている。優秀者に商品が送られる書き初め大会や、餅つき大会。108本のフォークを曲げるという謎のイベントもあるなか、一番意味不明なのが、スタッフの鈴木さんの実母 玲子さんがお悩み相談等をするという「玲子の部屋」のコーナー。

ロビーの一角にもうけられたこの部屋に人だかりが出来ていたので覗いてみると、四星球のボーカルとドラム、玲子さん、その息子という4人で話をしていた。

後ろで見ていたんだけど、マイク無しの地声で普通に喋ってるので、全然聞こえなかった。3mくらいしか離れてないんだけど、回りガヤガヤしてるし、フロアでは大阪プロレスが3対3のタッグマッチバンバンいってるし、多分一番前にいてもあんまり聞こえてなかったと思うわ。

やることないやろー!

続いては、予定変更により出番の早まったKING BROTHERS。これまた見てみたいと思ってたバンドなんだけど、期待通りかっこよかったな。いや、期待以上か。ギター2人がいきなりアンプに乗り、ベースがイナバウアーの如く反り返って演奏する姿に痺れた。

そして、この日1番痺れたのはマーヤの台詞「今日は寒すぎてバンドが全然来ない。今年中にやることが終わらんかもしれん。でもそれも良いやんか。だって俺たち、やることないやろー!」

これは名言だな。そう、やること無いんだよ。だからロックンロールなんかやってんだよ。それでいいんだよ。

「みかん食って、蕎麦食って、賽銭ばらまいて。普通の人はそうやって正月を迎える。でもここにいる人は普通じゃない。みかん食って、蕎麦食って、賽銭ばらまいて……。冗談じゃないぜー!」そう続けるマーヤに完全にやられました。かっこいい……。

KING BROTHERSの爆音にすっかり魅了された後は、なぜかMUNA SEA解散ギグ。一応LUNA SEAのコピーバンドだけど、LUNA SEAを元ネタにしたお笑い集団と言った方がいいかもしれない。

清水音泉番台の清水さんが、プロモーター生命をかけて解散させるってことだったんだけど、要約すると解散させたい清水音泉もとい悪の秘密結社清水恩専と、解散する気がないMUNA SEAというコントを、記者会見&ライブという2分構成でお届けするという、たっぷりした内容。これ長かったなぁ。

新ギタリストオーディション(というコント)では、四星球のギタリストも巻き込み、結局彼が新メンバーにさせられてた。

「写真撮って『解散しなかった』ってブログとかに書け」って、ボーカルの月光が言ったんで、一応。

最後はボーカルの月光が撃たれて壮大な茶番劇は終了。まぁ面白かったけども、冷静に考えて年の瀬に何してんだって話ですね。アホだなぁ。

まさかの奇跡

一応フラカンも来る目処は立ったしMUNA SEAのたっぷりやったけど、予定が狂って尺が足りないということで、続いてはまさかの四星球2ステージ目。さっきのステージで、今度はカウントダウン手前くらいにやりたいと言ってたのが、早くも実現するという奇跡を起こした。

短かったけど、日頃から車にいっぱい小道具を積んでたのが幸いして見事なステージを披露。ベースはグレートマエカワのマネして裸オーバーオールで登場したんだけど、腕組む仕草が妙に似てたな。あの衣装も、元々用意してあったんだろうか? もの凄い周到だな……。

場繋ぎが終わったところで、続いての催し物はバンドマンのスベらない話。その名の通りバンドマンがスベらない話をするというだけの企画。過去に何度もやっていて、この企画の発起人であるニートビーツと騒音時がツーマンやる時、一緒にスベらない話も開催したら、スベらない話のチケットだけ売り切れたという人気っぷり。

今回はニートビーツのMr.MONDO&騒音時のコーヘイを司会に、ニートビーツのMr.PAN、シャカリキコロンブスのサンデー上出、シェキナベイベーズのハヤト、太陽と虎の店長松原、そして何とか間に合ったフラカンのグレートマエカワというメンバー。

RSRの裏話というバンドマンならではの話もあって、これはホント面白かったな。特にハヤトさんの話は、本家のスベらない話に出ても良いくらい良く出来てて面白かった。友人の藤原君の話。藤原君すごい。

ちなみに、アシガルユースのギターの人も飛び入りでひとつ話をしたんだけど、これは微妙だったな。前振りが長過ぎた。

モヤモヤ年越し事件

新年まであと10分というところで、ようやく準備が終わりところでフラワーカンパニーズ。ずいぶん慌ただしい感じの年越しになっちゃったけど、そこはフラカン。バッチリ盛り上げてくれた……が、ちょっと問題が。

かなり前で見てたんだけど、目の前にいた男が、ずっと笑いながらフラフラしてた。隣に彼女らしき女もいて、こちらはフラフラしてないものの一緒になってケラケラ笑ってる。マジでクスリでもやってるんじゃないかって感じ。最初は放っておいたんだけど、年越しの時に男が事前に配られたクラッカーを先に鳴らし、それをステージに投げ入れたとこから、放っておいたらちょっとやばいかなと思い始めた。

ステージの圭介は「こら!」と言いながらも、投げ入れらてたクラッカーの匂いを嗅いで「これいい匂いだよねぇ」と笑っていたけど、男に煽られて女のほうも同じく勝手に鳴らしてクラッカーのカスを投げ入れたところで、流石にちょっと嫌な空気が流れた。勝手に鳴らすのは百歩譲っていいとしても、ステージにゴミ投げ入れるのはいただけない。

その後、我慢しかねた女性客が女のほうに近寄り「あんたら迷惑やから下がって」と注意したんだけど、案の定聞き流して下がろうとはしない。確かに俺も、こいつら鬱陶しいなと思ってたけど「迷惑だから」と下がらせるのはちょっと違うのかなという気がしていた。

ゆっくりライブ見たい人にしてみたらモッシュとか迷惑だろうし、迷惑とはなんぞやみたいな気分になって、迷いながらもまだ泳がせておくことに。今思うと、この時下がらせといたほうが良かったかなとも思ってる。

まるでコントのようにフラフラが止まらない男は、興奮した挙句に脱いだ上着をステージに投げ入れた。俺もこれはさすがにダメだろと思い、男を引っ張り寄せてやり過ぎだぞと注意。しかしこれまた聞き流している。

その後、あまりにも足元が不安定で危険だと思ったので、周りの人が危ないから下がったほうがいいと2人に言うと、暫くして2人とも後ろに下がっていった。いや、実際はどこまで行ったか確認してないから後ろまで下がったかどうか分からないけど、少なくとも俺の近くからは消えたので、その後はライブに集中できた。

そんなことがあったんで、フラカンは良かったけどスッキリはしなかったな。あと、年越しの時にクラッカーが不発に終わったマエさんも、たぶんスッキリしなかっただろうな。

まさかの再結成

2011年1月1日(土)

年明け1発目は、まさかのMUNA SEA再結成ライブ。一緒にネタ合わせしながら年を越したという大阪プロレスの方々まで巻き込み、リング上でコントを展開。なかなか乗ってこない客に対してボーカルの月光が言ったセリフ「みんな、恥ずかしくないぞ!恥ずかしいのはこっちだ!」は至言です。

続くDOBERMANセカイイチのライブは、疲れてたので2階の一番後ろで寝て過ごした。その後セットチェンジの時間を使って、フラカンのミスコニによるジャンピングじゃない乾杯に続き書初めの優秀者発表会。何人か選ばれたんだけど、どっかで寝てるのか帰ったのか、景品を受け取りに前に出てくる人がほとんどいなかった。続けてミスコニが投げたみかんを受け取った人も景品をもらえるってのをやったんだけど、なぜかみかん取って無い人が出てきたりしてもうグダグダ。深夜2時でグダグダ。

すったもんんだの末、予定時間を1時間ほど超えたところで登場した最後のバンドはTHE NEATBEATS。こちらも初めて見たけど、実に分かりやすくてかっこよかったな。深夜にも関わらずフロア全体を巻き込んでドカンと盛り上がった。

結局終わったのは3時頃。ロビーでは狭い物販スペースに各バンドのメンバーも顔を見せたりして、ギッチギチになりながら賑やかに客寄せしてたんだけど、財布の中身がギリギリだったのでスルーして会場をあとにした。

始発までの約2時間、金もなく、右も左もわからない街を彷徨う2011年1月1日早朝。開店前のマクドナルドに人が並んでるの初めて見た。