エレカシはフェスで何度も見てるけどワンマンは初めて。席がステージの横の最上段から3列目で、モニターも光に反射しちゃってちゃんと見えないような状況だったけど、素晴らしい内容で大満足でした。なぜか隣の席が空席のままで広々楽しめたし。
2011年1月9日（日）日本武道館
場内が暗転すると、クラッシックのBGMが穏やかに流れだした。さらにキーボードの蔦谷さんが静かに旋律を奏でる中、ドラムのトミが登場。その穏やかな空間をぶち壊すように激しくドラムをたたき始めると次々メンバーが登場し、始まった1曲目は「奴隷天国」。舞台後ろのカーテンが開き、総勢14名のストリングスを加えて1曲目からものすごい迫力。
この日の宮本さんは本調子じゃないのか裏声が全然出てなかったりもしたけど、それを気にさせないパワーがあった。エレカシのライブを長年見てきたってわけじゃないけど、今のエレカシは最高にいい状態だなと思わせる貫禄がある。
宮本さん自ら沢山曲を用意してきましたと言うとおり、約3時間のたっぷりとしたステージだったけど、そんなふうには全然感じなかった。あっという間だったな。最新アルバム「悪魔のささやき～そして、心に火を灯す旅～」の収録曲は全部やってたけど、全部で30曲やったってのをあとから気づいてびっくりした。
ほんと素晴らしいライブだったんだけど、ひとつ気になることが。曲間にメンバーの名前呼んだりするでしょ。まぁいわゆるガヤですわ。あれで余計なこと言って滑り倒してるやつがいたんですよ。メリークリスマスとか、面白くないと通りこして痛々しいやつ。ライブを盛り上げるガヤはいいけど、ライブと関係なく自分が主役になりたいだけのしょーもないガヤは、ほんと鬱陶しい。
ああいうのね、盗撮とかより厳しく取り締まったほうがいいと思うんですよ。オペラ見に来て阿波踊りしてるやついたら絶対つまみ出されるでしょ。そういう事ですよ。周りの人も注意したほうがいいですよ。お前センスなさすぎるぞと。
何の話でしたっけ。あぁ、エレカシのライブですね。
宮本さんが「みんなもそうだと思うけど、俺もすごく楽しみにしてきました。最高ですエブリバディ！」と言った矢先「なんちゃって」とつぶやき始まったのは「珍奇男」。この曲大好きなんですよね。やっぱかっこいいわ。
MCでは石くんが「ライブハウス武道館へようこそ」と、あの有名な氷室京介のセリフを口にするという場面も。まさかこれのセリフが出てくるとは思わなかったから、予想外過ぎて笑ったなぁ。会場もだいぶウケてたけど、しばらく無言でチューニングとかしたあと宮本さんがボソリと言った「本気で言ってると思われたらどうすんだ」ってのがまた面白かった。
メンバー紹介では、いつも自分のことを総合司会と言う宮本さんが「ボーカルの宮本です」といったあと「あ、総合司会の宮本です」と言い直してた。自分のことボーカルって言ってるの初めて聞いたかも。更には石くんに「次からはお前が総合司会やれ」って言い放ってたけど、これは前にも聞いたことあるような気がする（笑）
最後は「みんな舞い上がっていこうぜ！」と「桜の花、舞い上がる道を」で大団円……と思いきや、暗転した場内に新譜に収録されてるSE「朝」が流れ始めた。
モニターには、朝を告げる鳥の鳴き声とは対照的な月が映し出され、徐々に影に侵食されていく。そして月が黒くなると同時に場内に雷鳴が轟き「悪魔メフィスト」が始まった。宮本さんの声は歌声というよりも呪文のようでもあり雷鳴のようでもあり、木々を揺らす不穏な風の音のようでもあった。そして最後には、まるで今までの空気をすべて破壊するかのような咆哮。
石くんが言ったライブハウス武道館って言葉が、まんざら冗談でもないと思わせるような、大きな空間を物ともしない凄い迫力だった。
アンコールでは宮本さんが白いシャツを黒に着替えて登場。「平成理想主義」「シグナル」を続けて演奏したあとは「何やるか……so many peopleはこの前沢山やったからいいだろ。四月の風やるか」と、その場で打ち合わせしながら「四月の風」。
正月にふさわしい感じのをということで「俺たちの明日」を演奏して終わりかと思ったら、「ガストロンジャー」で再び雰囲気を一変。更に「最後の体力勝負だ」と「ファイティングマン」で強烈なパワーを吐き出し、体力を使い果たしたという感じでギターを床に置き晒して退場。
再び白いシャツに着替えて登場した2回目のアンコールは「待つ男」で揺るぎない力強さを見せつけた。序盤で「2011年になっちゃって……まぁそんなことはどうでもいいんですけど」なんて言ってたけど、演奏後、一度置いたマイクを取りに戻り「いい1年がやってくるぜエヴリバディ！」と叫び、新春公演は幕を閉じた。
本当に良い1年になるなと思わせるような最高なステージだった。