SUMMER SONIC 06

2006年8月12日 10:00

待ちに待ったサマソニ当日を迎えたわけだけど、年を追うごとに増えていく気がする客の数には、さすがにグッタリする。去年はメッセ入口の階段上にあったリストバンド引換所が、今年は階段下の物販エリアよりもさらに手前にある。そのため行列がメッセよりも離れたとこまで伸びていて、例年に増して長く見えて、しょっぱなから精神的にゲンナリする。

列の最後尾ではテキ屋の元締めみたいなおっさんのスタッフが、マリンスタジアムの引換所の方が空いてて早いよと客を流そうとしていたけど、列は結構スムーズに流れてるしマリンスタジアムまで歩く時間を考えたらこっちの方が早いと判断して、そのまま並ぶ。案の定大して時間もかからずにリストバンドを手に巻くと、相変わらずアホみたいに並ぶ物販の行列を無視してメッセ内に入りコインロッカーへ。

ロッカーの空き具合はまだまだ余裕だったので、景気のいい番号はないかと探すと555番が目についた。GO!GO!GO! でイケイケだぜ!と迷わず選択しコインを投入するも、コインが詰まり早くも失速。スタッフに話すと、さっきとは別のテキ屋の元締めみたいなおっさんが現れて長々とした修理に付き合わされる。GO!GO!GO! とか言ってた数分前の自分を蔑みながら556番に荷物を預け会場を散策。

今年はソニックステージとマウンテンステージの大きさが同じになって、メッセはDJブースを入れて3ステージ。去年メッセ側にあったアイランドステージはスタジアム側に移動。スタジアムの方はマリン、アイランド、ビーチ、アーバンの4ステージ。メッセとスタジアムの間にはリバーサイドガーデンという小さなステージもある。他にもいろいろイベントがあったり、去年よりもさらにボリュームアップして、よりフェスティバルらしくなっている。

一通り会場を見たあと、マウンテンステージへの床に腰をおろし開始を待つことにした。

11:00

今年1発目は、アンドリュー・ダヴィットとロレイン・ハワードの二人により結成されたUKの男女ユニット、JOHNNY BOY。2年前に出した2ndシングルが大絶賛されるも、彼らの歌詞や姿勢は政治的でありすぎた為に居場所を追われ、以来地下シーンに身を潜めていたらしい。そんな彼らが遂に復活ということで、名前も聞いたことなかったけど興味本位で見てみることに。

かつて第一線を追われたと聞いて過激な音を想像してたけど、その音はPOP系。ボーカルのロレインの歌声は爽やかで聞いてて心地いい。軽快で爽やかなビートに、初日の1組目とは思えない程客の入ったフロアは大いに盛り上がる。1発目に相応しい満足のステージだった。

11:45

JOHNNY BOY終了後は、特に目当てのステージもない時間帯だったので、芸人が出るサイドショーステージの前に腰をおろしてお笑い観覧することに。この時間の出演者はライオンヘッド・ラックチャック・3バカヘッズ・弾丸ジャッキー・U字工事・セクシー寄席・POISON GIRL BAND・猫ひろし・ダイノジ。司会はイジリー岡田とテレ朝の石井希和アナ。

この仕事を受けるまでサマーソニックというものを知らなかったというイジリーには、客席から三沢コールが。やはりどこに行ってもプロレスファンはいるものだ。それにしても石井アナはイジリーと絡むのが面倒くさそうだったのは気のせいだろうか。

以下、感想をザザッと。

ライオンヘッド。モジャモジャパーマのモジャと、モデルもやっているというハンサムハセ、それから普通の兄ちゃんっぽいリーダーという3人組。フリップを使ったサザエさんの新キャラというネタ。悪くはなかったけど、個人的にはネタよりも、つかみの「モジャのパーマは1回2万円」という無意味なコール&レスポンスの方が好きだった。

片割れが親から勘当されているというラックチャック。短いコントを2本。はじめのスケートネタはそこそこ受けてたし、終わった後で司会の2人が、いや~あれもっとやって欲しかったですね何て言ってたけど、多分あれ以上やったら居たたまれないことになっていた気がする。

3バカヘッズはワハハのパフォーマンストリオ。全身タイツを使っていろんな表現をするネタ。客席からは何度かオォ~と声が上がったりもしていたけど、ネタよりも全身タイツって凄い伸びるんだということに感心してしまった。ゴジラはなかなか凄かった。

弾丸ジャッキー。元体操選手と元自衛隊員のコンビ。テレビで2,3回見たことあるけど、見る度にこれでどれくらい持つのかと心配になってしまう。体操選手のラーメン屋とか、自衛隊のモグラたたき等のネタをやるが、石井アナ含め、誰も「体操選手」がちゃんと言えてないのが一番印象的だった。

U字工事。今回マイクがピンマイクではなくヘッドセット型になっているので、マイク丸見えなんだけどセンターマイクを立てての漫才。あそこまで露骨にマイク見えてても、やっぱりセンターマイクが必要なのが面白い。自分のことを殴るギャグ(?)があるんだけど、手がマイクに当たってしまい変な方向を向く。2回目は明らかに気を使って殴るも、やはり変な方を向く。ちょっと面白かった。

セクシー寄席。ワハハの女性陣が集まって作られた8人組。知ってる人は分かると思うけど、昼間から見るような人たちではない。普通に小さい子供もいる会場で、喘ぎ声で女子十二楽坊の曲をやるというネタを披露。終了後イジリーが、後ろの方でお父さんが子供の目を隠して離れてくシーンを見てしまいましたと言っていたが、今回の会場のレイアウトは、飲食エリアのセンターにステージがあり、上の大きなスクリーンにステージの様子が映し出されているので、悲しいかな広い範囲で見れてしまう。ネタは初めちょっと笑ったが、単調でしつこいのですぐ飽きた。

POISON GIRL BANDは流石に面白かったけど、この騒がしい会場であのテンションの喋りはちょっとキツかったかもしれない。つかみのダラダラしたトークはやりずらそうな雰囲気はだったけど、ネタはかなり受けていた。

猫ひろしは何故か異常な人気で、登場とともに大歓声。騒がしい会場を飲み込むようなあの勢いで一気に突っ走る。最後は重ね履きしたパンツを脱いで次々会場に投げ入れるも、1枚は投げ返される。それにしても、あの顔で私より年下というのが信じられない。

EL PRES!DENTEが始まる時間になったので、最後のダイノジはパスしてソニックステージへ移動。

13:50

男女混合の5人組UKバンド、EL PRES!DENTE。ファンク、ポップ、ロック、etc。いろんなものを取り込んだグルーヴでフロアを揺らす。ボーカルのダンテはスーツを着込み、女性陣はドレス。音もビジュアルもオシャレでとにかくカッコ良かった。途中発表した新曲は、今後ライブで定番化しそうなダンスチューンで、会場も最高の盛り上がりを見せる。ホントあっという間のステージ。早くも今年のベストステージ候補だ。

ちなみに、ボーカルのダンテは何故か日本語が流暢。突然日本語で喋りだす意外性に思わず笑う客に対して、僕の日本語そんないおかしいですか?と聞き返す場面も。ちゃんと会話になっている。かなりのもんだ。やはりミュージシャンというのは耳がいいからだろうか。そう考えると、去年変な日本語を喋ってたイアン・ブラウンが歌下手だったのも納得できる気がする。

ステージ終了後の出入り口は非常に混合う。ソニックステージとマウンテンステージの出入り口が、バカみたいに狭いのだ。一体何を考えているのか。そんな中、アメリカ人らしき3人の男が何やら遠くを指差しながら会話をしているのが、通り過ぎざまに聞こえてきた。「それじゃあ僕たちは向こうに行きます」。日本語!?

ステージを出ると、腹が減って来たので食事を済ませることに。ワイルドターキーとポテトを購入し、サイドショーステージ前のベンチに腰をおろす。

ワイルドすぎて噛み切れないターキーの皮と戦っている時に、サイドショー本日2回目の公演がスタート。1組目の鳥居みゆきは、個人的には面白かったけど、会場的には空回りして滑ってた。そんな居たたまれない光景を背に物販エリアへ移動。

この時間になると物販も空いているけど、人気の商品は見事に売り切れている。今年は全体的にTシャツが不作。欲しいと思うものが殆どない。KEANEのTシャツがカッコ良かったけど、無駄にデカイXLしかなかったので、とりあえず友達に何か買って来てくれと頼まれてた分のTシャツを買ってロッカーに預けると、マウンテンステージに移動。

ふと外を見ると、まさにバケツをひっくり返したような雨が降っていた。

15:00

マウンテンステージの出入口は改善され、ホール内の通路は出口専用となり、入口は外を通るようになっていた。おかげで人の流れは今までに比べスムーズになっていたけど、今は猛烈な雨。止む様子もないので、仕方なく外をダッシュしてマウンテンステージへ。50m程だったのにもかかわらず、すっかり濡れてしまった。

続いてのバンドはTHE RAPTURE。ニューヨークを拠点に活動する彼らのサウンドは、ハウスっぽい感じのディスコロックってとこだろうか。シンプルな3ピースと、パーカッションやサックスを担当するメンバーが1人の4人編成。ニューヨークの地下で毎夜流れていそうな洒落た音だ。

抑え気味のビートがループするうちに、徐々にトランス状態に落ちてゆく。散々踊らされて疲れてフラフラになったので、これは飛ばし過ぎだなと感じて途中で退場。休憩をかねてDANIEL POWTERが出るソニックステージへ移動。

さっきまでの雨は嘘のように止んでいたので、ゆっくりとソニックステージへ入ると、到着直後に暗転。とりあえず後ろの方に腰をおろし、まったりと鑑賞。ギターサウンド中心の中、ピアノに癒される。大ヒットシングルの「Bad Day」目当てで来たわけだけど、他の曲も結構良かった。むしろ「Bad Day」はPVの出来が良い分その印象が強くて、曲単体だとイマイチだったかな。

16:30

今年から人工芝が敷かれた休憩エリアが出来て、その前では大きなスクリーンがマリンステージの様子を映し出している。今映っているのはHOOBASTANKだ。去年既に見ていたというのと、最新アルバムがイマイチだったということで今回はパスしたけど、楽しそうにモッシュしている映像を見て行けば良かったかなとちょっと後悔する。

途中、日本人とスコットランド人のハーフであるボーカルのダグの祖母(日本人)が何故か登場。マイクをなかなか離さずにダグが苦笑いしてた。

暫くHOOBASTANKを見た後、マウンテンステージへ移動。

床に座って始まるのを待っている時、前にいるグループの中にいた12,3才くらいの白人色の強いハーフらしき男の子が、やたら「なんでやねん」とかほざく。「~やねん」がマイブームらしい。「なんでやねん」「どうするやねん」「来るの遅いやねん」。イライラしてきたので、怒られろ、周りの大人に怒られろ、と念じながら待っていると、マイクを持ったスタッフがステージに現れ残念なお知らせがあると言い出す。

この後ソニックステージに出演予定だったKEANEが、急遽キャンセルになったとのこと。家族の事情とのことらしいが、ここへきてのキャンセルなんて余程の事だろう。

私は今回見る予定はなかったけど、前にいた変な関西弁グループは「えー!金返せ!」とご立腹。脳裏に「天罰」という言葉がよぎる。

長いセッティングを経てようやくSCRITTI POLITTI登場。グリーン・ガートサイドによって結成されたUKのユニットで、80年代に多大な影響を残すも、リーダーのガートサイドが完璧主義者だったために活動がうまくいかず形を潜めていたのが、99年に11年ぶり復活、ということらしい。正直聞いたことないんだけど、何か良さそうなので見てみた。

いい雰囲気だけど、聞いててなんだか物足りない感がある。一体これは何なんだろうかと考えてるうちに、夏フェスなのにまだ一歩も外に出ていないことに気付く。当初はこのステージを見終わった後でスタジアム側のアイランドステージに行くつもりだったけど、いても立ってもいられず途中で抜けてアイランドステージへ行くことに。

17:50

アイランドステージは、ビーチステージと道を挟んだ公園だか何だかよく分からないアスファルトのスペースにある。時間が押しているらしく、本来ならそろそろ終わりになるPUFFYがまだやってる最中だった。

野外に設営されたステージで盛り上がる群衆を見ると、夏フェス感が改めてこみ上げてくる。相変わらずやる気のない感じでダラダラするPUFFYは、何故かGREENDAYの「Basket Case」のカバーを披露。ロック小僧どもが嫌でも盛り上がるこのナンバーの後、「アジアの純真」でフィニッシュ。PUFFYは別に嫌いというわけではないけど、この他力本願感がどうも好きになれない。ブルーハーツの曲をカバーしてるのとかテレビで見たことあるけど、何かイラッとする。

PUFFYがステージを降り客がある程度はけた後、さっきのPUFFY以上に客が集まりだす。辺りも暗くなり、いい雰囲気になったところで大入満礼のステージに現れたのはグループ魂だ。

専属MC、港カヲルの「破壊改め石橋凌!」の呼び込みでボーカルの破壊こと阿部サダヲ登場。1発目の「ペニスJAPAN」で、会場全体ペニスJAPANコール。さらには破壊の煽りでメタリカチンポコールへ傾れこむ。会場全体が「メタリカチンポ!」と連呼。これにはペニスJAPANコールをしていた女の子も、流石に若干声が小さくなった気がした。

その後のネタの応酬は、いちいち書いていたら別にもうひとつ記事が書けてしまうので割愛するけど、一言で言うと放送は出来ないような内容ばかり。知りたきゃ見に行けとしか言えない。大いに笑い、楽しませてもいました。

グループ魂の後は本日のアイランドステージのトリ、DOPING PANDA。開始早々、攻撃的なグルーヴで会場はダンスフロアに。「バカみたいに踊らせてやるぜ!」と、今日1日過ごし疲れきった客を容赦なく煽る。

演奏はもちろん、MCでの客煽りもうまく、終止客を湧かせ続け最後まで踊りまくりのステージで非常に満足。

終了後、疲れた体を引きずって隣りのビーチステージへ行き、トリの奥田民生をチラッと観覧。その後マリンの方へ戻り、スタジアムの横でMETALLICAをちょっとだけ聴き、シャトルバスに乗ってメッセへ。

マウンテンステージのDAFT PUNKを見ようとしたけど、入場規制が掛かっていたのでステージ入口付近で耳を傾ける。マリンステージの様子を移すスクリーンでは、METALLICAがステージを終え大きな拍手を浴びていた。サマソニ1日目が終わろうとしていた。

22:00

全てのステージも終わり、メッセ入口ので帰路につく客の流れをぼけっと見つめる。すっかり涼しくなって風が心地いいが、隣にある灰皿はゴミが山盛りだ。これだけの人が集まっているので仕方ないんだろうけど、こういうのを見ると切なくなる。暫くのんびり過ごした後、中に戻り冷やしとろろ昆布茶漬けを食す。今までフェスで食った飯の中で1番うまかった。

去年までは一旦客を外に出した後、再入場させて、会場を朝5時まで解放していたんだけど、今年は客出しはせずにそのままいくみたい。既に満杯気味の休憩エリア人工芝の隅に空いているスペースを見つけ、早々と寝る体勢を整える。

深夜、アホみたいに寒くなるホールに備えて長袖のシャツとズボンに着替えるも、結局寒くてなかなか眠れず。寝たり起きたりを何度か繰り返すうちに朝5時を迎えた。

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