SUMMER SONIC 2017

久しぶりのサマソニ。ここ数年は金銭的に節約したかったのに加えて、EDMやHipHopの台頭もあっていまひとつ乗り気になれず不参加だったけど、今年はFoo Fightersの名前が出た時点で即決した。同じ日にRoyal Bloodも来るとなれば何が何でも行くしか無いでしょう。

2017/8/20 SUMMER SONIC 2日目

8:40。マリンスタジアム到着。前日の情報でFFのグッズが昼過ぎには売り切れてたらしいということで、念のため早めのスタート。そのまま物販に向かったら既にすごい行列ができている。しかしよく見たら奥に列がもう一つ。ベビメタ目当てが多すぎて、ベビメタグッズ用の列と、その他アーティスト&オフィシャルグッズ用の列が別けられてる状態だった。この時点で双方の列は同じくらいの長さ。こわいこわい。

9:00に物販がオープンしてから30分ほど並んで、無事FFのTシャツ購入。Royal BloodのTシャツもシンプルでかっこよかったけど、経費節約で我慢。今回はオフィシャルのミニオンコラボTも良かったな。
フェスと言えば、他の人が着てるTシャツを見るのも楽しみのひとつ。今回は行列が示すとおりベビメタTシャツ多かった。どこのフェスでも関係ないHR/HM系バンドのTシャツがいるけど、基本ベビメタおじさんたちはベビメタTシャツだったと思う。
個人的にはお椀の絵に「しじみじる」って書いてるTシャツがかわいくてよかった。調べたら島根県松江市のご当地Tシャツらしい。カップルが揃いで着てたんだけど、何故サマソニでそれを着ようと思ったのか。
ちなみにわたくしは2008のサマソニオフィシャルT。ちょっと前のTシャツだと思ってたら9年前のやつ。よくあるよくある。

今日は目当てのバンドが全てマリンステージだったので、今のうちにメッセ側の雰囲気味わっておこうと思い、ふらりとメッセに移動。とりあえずメインのマウンテンステージを覗いてみるとオープニングアクトの Survive Said The Prophet が演奏中だった。名前も初めて知るバンド。台湾とかシンガポールなんかの海外フェスにも参加してる注目株らしい。音はラウドで悪くはなかったけど、よくあるバンドのひとつって印象だったな。MC含めて。

その後、会場を一通り見ながら反対側のレインボーステージへ。後ろで寝ながら1組目のさユりを聞いた。これまたよく知らないんだけど、アニソン系な感じ。悪くなかったけど、途中で声が飛んでたのは残念。酸欠少女ってキャッチフレーズだったから酸欠なのかなと思ったけど、普通に喉の調子悪かったみたい。
「声が出なくなっちゃったんだけど、私は歌いたい!」と熱く訴えて最後の曲を熱唱。頑張ってたのはいいけど、歌いたいかどうかは知らんから。歌えるかどうかだろ。むしろ「歌いたくないけど歌います!」のほうが凄みある気がするわ。

13:00

空調の効いた快適なメッセで一眠りしたあとは、再びマリンへ。ひとまずスタンド2階席で INABA/SALAS を見る。事前に軽く音源聞いたときは、どちらのテイストとも違う洒落た感じのダンサブルな仕上がりで面白いなと思ったんだけど、ライブは思ってたよりロック色が強くていまひとつピンとこなかったな。
ま、ピンとこない一番の理由は眠かったからなんだけど。

今のうちに食事済ませようと、一旦外に出て買い出し。とりあえずマンウィズのトーキョータナカプロデュースだという屋台でガウチキなるフライドチキンを買ってみた。超巨大とハーフの2サイズあって、超巨大は一般男性の手より一回り大きいくらいと、なかなかでかい。イマイチだったら嫌だからとりあえずハーフを注文したら味は予想通りのまぁまぁだった。まぁまぁ中のまぁまぁ。
フェス飯って最近は進化してるとは思うけど、基本まぁまぁだよね。これはうまいなってのもあるけど、当たり率低いし冒険するのも億劫だったから、スタジアム内にあるロッテリアで絶品チーズバーガーセット買ってスタンド3階席へ。
食事を済ませると ALL TIME LOW が演奏する中、日陰席で心地いい風を受けつつ昼寝。開演前からALL TIME LOWコールしてる人たちもいて盛り上がってたけど、あまり好みの感じではなかったな。

15:30

ALL TIME LOWが終わったとこでやっと動き出しアリーナへ。目当ての1組目 Royal Blood 。入場曲が2001年宇宙の旅でおなじみの「ツァラトゥストラはこう語った」の冒頭部分なんだけど、ヘロヘロのへったくそな演奏になってて面白い。
生で聞く音は音源よりもひたすらに重たく、深くうねり、圧倒される。そしてベースとドラムの2人とは思えない音に惑わされがちだけど、やはり曲がいい。最近発売された2ndアルバムではその辺のメロディーメーカーとしてのセンスも発揮されてると思うし、1stと2ndの曲を合わせたセットリストは完璧だった。この流れなら次この曲欲しいなと思ったとこに期待通りの曲が来たりして気持ちよかったな。出だしと2曲目の頭でベースの音が出ないトラブルがあったけどそれはご愛嬌。

パフォーマンスも、やたらドラムのベンがウロウロしたり、ベースのマイクがカメラ担いで撮影始めたり、ふざけつつ楽しんでるのが面白い。ベンが睨みを効かせつつゆっくり前まで出てきて、貯めに貯めてから妙に高い声で「コンニチワ!」って言ったのが一番面白かった。ベンはフロアに降りてきて柵に登ったりもしてたけど、終始ゆっくり歩いてたくせにウロウロしすぎて間に合わなくなりそうになって、1回だけ急いでドラムセットに戻ってたのがかわいかったな。
MCでは数日後にテレビ出るよって言ってたけど、2日後に日本テレビの朝の情報番組「スッキリ!」に出演。ステジオで生歌披露!って出てきたんだけど、その言葉どおり生は歌だけで演奏は当て振り。ベンはおもちゃの猿がドラム叩くように適当に叩いてる振りしてて、マイクに至っては途中からベースに触りもせずくねくね踊ってて最高でしたね。

Royal Blood終わりで後ろに下がり、アリーナの端で休憩。雨が降りそうで降らないくらいの曇り空に、時折吹く風も気持ちよく、屋外だけど実に快適。日焼け止めをなくしてどうしようかと思ってたけど、全く必要なくて助かった。モッシュでコケて新品ペットボトル1本無くしたけど、残った水でやりくりできる感じだったのでそのままアリーナに待機して、次の MAN WITH A MISSION をのんびり聞いてた。
マンウィズは嫌いではないけど、Royal Blood の後に聞くと一昔前のバンドって感じが際立った気がする。よくも悪くも相変わらずと言うか。Linkin Park がPOP路線のアルバム出して賛否両論の話題になったけど、マンウィズは古臭いと言われようが、そういう大胆な路線変更無しでこのまま行くしか無いんだろうなぁと、漠然と感じた。
ってかそんなことよりも、この人達ライブのときボーカル2人がライブ用のマスクつけるじゃない。顔出してるやつ。で、カメラは顔撮らないように頭の狼の顔のとこか、もしくは体だけ映すじゃない。まぁバンドの設定上の問題なんだろうけどさ、面倒くさいわぁ。設定は別にいいけどさ、ビジョンがあるときはいっそイメージ映像でも流せばいいのに。なんとかして顔隠そうとしてる感がダサすぎませんかね。

17:10

いよいよセカンドヘッドライナーの BABY METAL。6年連続サマソニ出場で初めてのメインステージに登場。オープニング映像ではその軌跡が紹介されてたけど、最初の出演はサイドショーステージだったの知らなかったから驚いたな。SU-METALが「遂にここまできました!」って言ってたけど、後からネットの反応見たら彼女たちが日本語喋るのは最近では無いことらしい。設定もしっかり作られてるグループだけにそういう方針だったんだろうけど、あの時のあの言葉は素で心から出た言葉って感じがしたな。それくらい本人たちも感慨深いものがあったんだろう。
今回はそれ以外にも珍しいことがひとつ。ウォールオブデスを煽るVTRがあるんだけど、タイミングを間違えて流してしまって「バンドソロ→VTR→曲」のはずが「VTR→バンドソロ→VTR→曲」 と同じ映像が2回流れるという珍事があった。VTRがあってRoad to Resistanceって曲につながるはずがバンドのソロパートが始まったんで、ウォールオブデス用に空いたスペースが「あ、あぁ、うん…」って感じで消えてくのがなんとも言えない切なさを含んでいた。
ステージは全7曲50分ほどで終了。足場がちょっと滑りやすかったから、あんま全力でいけなかったけど十分楽しかった。でもフロアの客数だけでいえばマンウィズのほうが多かった印象だな。

再び一旦下がって休憩。相変わらずの曇り空で風もあるから屋内並みに快適。こんなに長いことアリーナに居座ったの初めてだ。
残すところヘッドライナーの1組のみとなったけど、客の入りはいまいち。過去の経験から言うと、この時間ならスタンドは一番上まで人で埋まるくらいのはずなんだけど、スタンド3階席は余裕で空席がある状態でアリーナも端の方はガラガラ。人増えてきたから立ち上がってくださーいってアナウンスがあったのは、結局マンウィズの時だけだった。そういえば朝メッセに行ったときも人少なかったな。2日目なら初日からの人もいるから朝から混んでるはずなんだけど。
今年は1日目がEDM系、2日目がロック系と、ラインナップにある程度の統一性もたせて住み分けがされていたけど、昨今の流れから言うと多分1日目のほうが客多かったんじゃなかろうか。Foo Fightersで集客できないって悲しいねぇ……。

19:30

満を持してオオトリ Foo Fighters。彼らは毎年8月を休暇にしているということで、毎回断られ続け、今回は念願かなってのサマソニ初登場。前回の来日単独ツアーに行く予定だったけど、デイブの体調不良でキャンセルになってしまい、2年前のフジロック出演時も行けなかったので、私にとっても念願の初FF。
ほぼオンタイムで暗転すると、ステージ袖から若手漫才師ばりに勢い良く走りながらデイブが登場。待ちきれないとばかりに「All My Life」でスタート。ど頭からテンションマックスです。
みんなで歌って盛り上がる曲が多いのがFFの魅力。ドラムのテイラーが、おれたちのライブの魅力はデイブがバンドと客を繋げることだっていってたけど、まさにその通りのライブを展開。ステージ袖にもたくさん人が集まってるのが見えて、これぞFoo Fightersって感じだった。はっきりとは見なかったけど、ベビメタの3人もいたと思う。
「Big Me」ではペンライト代わりにスマホとかのライトがスタジアム中に灯る感動的な一幕も。続く「My Hero」のアウトロでは、デイブとテイラーがじゃれ合うようにギターとドラムで掛け合いを披露。この二人はホント仲のいい兄弟って感じで微笑ましい。

各々がジャンプしたり体を揺らしたりと楽しんでいる中、斜め後ろにいた可愛い外人さんのおっぱいが何度も腕や背中に当たって、こっちに集中すべきか一瞬迷ったけど、そんなことしてたらもったいないと思うくらいバンドがかっこいい。
ロックンロールど真ん中の豪速球をばしばしと叩き込んできたあとは、終盤のメンバー紹介で一転お遊びコーナー突入。まずはギターのクリスが軽くソロを演奏したあとは、最近サポートメンバーから正式メンバーとして加入したキーボーディストのラミが、デイブに則されて軽く一節だけ音を鳴らす。しかしもっとやれよとデイブに煽られ、おいマジかよーという表情で笑いながらビシっとソロを決める。その後の、やってくれるぜーってな感じでデイブを指差しながら笑ってたリアクションが、ドラマとかでよく見るいかにも陽気はアメリカ人って感じで面白かった。もともとサポートメンバーだったから付き合いは長いわけだけど、最初に正式加入を聞いたときはFFにキーボードかぁ……と思ったけど、この雰囲気を見ててなんか納得できた。すっかり家族って感じ。

ベースのネイトが控えめに紹介されたあとはパット・スメアが電撃バップを弾きはじめ、そのままみんなで演奏になだれ込みハイ!ホー!レッツゴー! すぐに対応するこの感じ、いい。
そして最後にテイラーを紹介したデイブは、お前歌えと要求。そこから、いやお前が…いやお前が……と罰ゲームを嫌がる芸人的やり取りをやりあった末、結局パート変われよとなり、なんとテイラーは前に出てきてマイクを手にし、デイブは「もぅしょーがないなぁ」と笑いながらドラムセットへ。まさかデイブのドラムが見れるとは! この編成で披露したのはQUEENの「Under Pressure」のカバー。しかもしっかりフルコーラス。

いや貴重なものが見れたと喜んでいたら、元の位置に戻ったデイブはステージ袖に向かって「おいリックー」とリックなる人物を呼び始める。新しい友人を紹介するぜと出てきたのは今回マウンテンステージに出演していたリック・アストリー。「オー!ノォォウェェェイ!」と驚く後ろの外人。「お前誰だー!」と心のなかで叫ぶ俺。はい、リック・アストリー知りませんでした。

「かもんまざーふぁっかー!」と客席に叫ぶリックを見て笑い崩れるテイラー。しかし彼を知らない俺は、多分普段はそういうキャラじゃないんだろうなぁという冷静な分析しかできない。そんな中で始まった演奏は、なんとSmells like teen spiritによく似たイントロ。え!なになに!なにやるの!?と期待に胸膨らませていると、リックが歌い始めたのは知らん曲。この時点での俺、知らんおっさんが知らん歌を歌ってるの聴いてる状態。なにこれー!なにこれー!と思いながらも、もういいやと開き直って適当にノッてると、サビで聴いたことあるメロディーが。往年の世界的ヒット曲「Never Gonna Give You Up」でした。あー!これしってるー!と活気を取り戻す俺。
後から調べて知ったんだけど、海外ではリックロールというwebの釣りネタがあるらしい。「遂に流出!お宝動画!」みたいな興味を引くタイトルでクリックさせると、中身はリック・アストリーがNever Gonna Give You Upを歌ってるだけというもの。つまりこれはSmells~と思わせてNever Gonna Give You Upを歌うというリックロールだったわけだ。そんな元ネタがあることは知らなかったけど、この共演は十分楽しませてもらいました。

リックとの共演を終え「いや~楽しかった、じゃあね」って感じでステージを去ろうとするデイブ。それに対し観客が一斉にブーイングをすると、困惑した顔で「え?今の見ただろ?満足しただろ!? まじかよ」とジェスチャーでアピール。そんな小芝居をしてから「うそうそ、もうちょっとやるよ」と「Best of You」と「Everlong」という、みんなで歌ってなんぼみたいな濃い2曲を演奏しステージは幕を閉じた。ラストのアウトロ最中にサマソニ恒例の花火が打ち上がり、演奏とシンクロしてるかのようなFoo Fightersと花火の共演がかっこよかったな。アンコールはなかったけど、その分濃いステージで満足です。

フェス帰りといえば、以前はクタクタのヘロヘロだったもんだけど、今回は1日参加だったのプラス前半おもいっきり温存したので、疲れはしたけどまだ余裕。やたらはしゃいでた昔に比べて大人になったもんだなぁ…としみじみしてたけど、よく考えたら疲れなかった要因として人が少なかったってのも大きいな。ごみごみしてないのは快適でよかったけど、活気が感じられなかったのは寂しい。
今年は上海でもサマソニ開催されて一見勢いがあるように見えるけど、現場を見るとこの先に不安も感じてしまう。立地的にもスケジュール的にも一番行きやすいフェスだから是非とも頑張っていただきたいですなぁ。

 

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