蓮沼 2006

日比谷野外音楽堂で開催される、都内最大のフリーロック野外イベント。フリー。つまりタダ。素晴らしい。

正直、出演者に知らない名前が多いけど、これは行くしかない。何故ならタダだから。

2006年9月23日(土) 日比谷野外音楽堂

前日の阿部義晴音楽祭を終えた後、漫画喫茶で一泊。木村カエラ似の店員の可愛さに、今まで別にどーでもよかった木村カエラ自体ちょっと好きになりつつ、早朝5時頃漫画喫茶を出る。その後、山手線を一周したり、強烈に可愛い外人さんをチラ見したりしながら暇をつぶして、開場30分前の11時に野音到着。

今回の出演者は以下13組。

  • ANA
  • BaseBallBear
  • B-DASH
  • DEPAPEPE
  • フジファブリック
  • メレンゲ
  • ミドリカワ書房
  • NIRGILIS
  • No Regret Life
  • スカポンタス
  • シュノーケル
  • TRICERATOPS
  • WALKABOUT

野音前には、見てるだけで具合が悪くなりそうな想像以上の行列。どうせみんなタダだから来てるんだ。こんなに集まりやがって。暇人め! タダだから来るなんてやつはバカだ!

中に入れるんだろうかという不安をかき消すために、後ろで楽しそうに話す可愛い女の子をチラ見しつつ並ぶこと40分。さっきまでは早く中に入りたいと思ってたのに、入口で注意事項をアナウンスするスタッフの女の子がストライク過ぎて、しばらくここに留まりたい気分になるが、あえなく流れに押され、チケットとリストバンドを渡されて入場。中はまだまだ席が空いていて、心配する必要など、まるでなかった。

ひとまず物販を見てみたけど、迷った末何も買わず後にする。席は全席指定ということなので、チケットに書いてある番号を見ると一番右端の方だったので、座るのはやめて、真ん中付近の一番後ろの策のとこに陣取ることに。こっちの方が自由が利いていい。

一番後ろの数列がまだ埋まってない状況で、ステージに主催のディスクガレージの人が現れて前説開始。一組目は大阪のスカバンド、スカポンタス。売店で買ったポテロングを食べながら、関西弁のコール&レスポンスで盛り上がる会場をしげしげと眺める。一発目としては非常に良かった。

続いて出て来たのは3ピースのバンド。MCで「どうも、○○です」って言ってたんだけど、何言ってるのかさっぱり分からん。出演バンドを全部把握してるわけではないので、予想すら出来ない。このバンド以外にも、なんて言ってるのか分からん人らが多くて、結局序盤の4,5組はどれが何て名前だか分からんかった。名前の大切さを思い知らされる。

バンドの名前も分からず、何だか乗り気になれなかったので後ろの方に座り、半分寝ながら音に耳を傾ける。今回は、どうやら1組4曲ということらしい。出演者が多いので仕方ないが、セットチェンジの方が長いんじゃないかとさえ思えてくる。

4,5組終わったところで、開場の外にある屋台の焼きそばがたまらなく食いたくなって、一旦外に出ることに。外に出る時はチケットを一回返さなくてはいけない。人が入りきらない場合、返されたチケット分待ってる人が入れるという訳だ。既に並んでいる人はいなくて簡単に入れる状況なので、あまり意味はない気もするが、実はここが穴場。ここには、さっきのかわいいスタッフの子がいるのである。

ちょっとボーイッシュな感じで、男前な感じもする女の子。スットラァァーーーイク!

「再入場の場合でも一旦チケット返すんですよね」と話しかけると、「お席の方が変わってしまいますがよろしいですか?」と言われたので、あなたの隣りが空いてれば、という言葉を飲み込みつつ「えぇ」と言ってチケットを渡し会場外へ。

野音名物超大盛り焼きそばを購入すると一気に平らげ、会場から聞こえてくる音に耳を傾けながら日影で一休みしてから再び会場内へ。もちろん、入口であの子をチェックすることは欠かさない。

相変わらず名前の分からないバンドが終わり、続いて出て来たのはミドリカワ書房。名前もさることながら、ステージも個性的。いきなり本人によるナレーションが流れ始める。

今日の出来事を書いた日記のような形式のナレーション。J-POP界の無頼派を名乗り、歌詞の内容は、整形を決意した女の子のことや、離婚することを娘に告げる父親のことなど、一曲聴くと短編小説を読んだような気分になる内容で、非常にいい感じ。

新作のミニアルバムの中で、歌詞が過激すぎるのでインストにしてくれと言われてインストで収録されているという「母さん」も披露。問題の歌詞は、死刑執行を間近に控えた死刑囚が母親に宛てて書いた手紙というもの。母親のこととか考えると泣きそうになってくる内容だ。

会場全体も静かに聴き入っている中、ふと隣りを見るとアホみたいな女がノリノリで踊っている。今すぐこいつを死刑にしたい。

最後は「これからも王者の座を守り続けて行きたいと思う」というナレーションに送られ、武藤のプロレスLOVEのポーズをして退場。何の王者だ。

たった4曲なのに、その世界にすっかり引き込まれてしまった。ミドリカワ書房、最高。

続いてはインストのアコギデュオ、DEPAPEPE。音はカッコいいんだけど、喋りが若手芸人っぽい。「それじゃ『1,2,3,4 ウッ!蓮沼!』でお願いしますー」とコールの説明をする時も、完全に前説に聞こえる。見ている方も「オーイェー!」のノリではなく、「いいともー」のノリになってしまい、イマイチしっくりこない。

またもや名前の分からないバンドを挟み、辺りもすっかり暗くなって来たところでB-DASH登場。会場は大いに盛り上がってたけど、大して興味もないので後ろでまったり。ミドリカワ書房ですっかり満足していたので、もう帰ろうかとも思たけど、フジファブリックが見たかったので、もうちょっと我慢することに。

後ろで座っていると、入口にいたかわいい子が、もう一人のスタッフの人と場内に入って来て誰かを探している様子。探し物はここだよ、と両手を広げてみようかなどと妄想しつつ、暗闇にまぎれて凝視。変態上等である。

結局B-DASHも4曲だけで終了。どうやらトリだろうが何だろうが全組4曲ということらしい。全然足りないよと言っている人もいるが、このイベントがタダだということを忘れているんじゃなかろうか。

続くフジファブリック。良かったんだけど、頭の中はすっかりミドリカワ書房なので、いまいち感動が薄い。はっきり言って惰性で聴いているようなものだ。ラストのTRICERATOPSは、終了後の混雑に巻き込まれないように会場から出て外で聴くことに。

とりあえず最初ちょっとだけ中で聴くと、物販でミドリカワ書房のCDを買って外へ出る。出口でチケットを返そうと思ったら、代わりにチラシの束を渡される。もう終わりだから返す必要はないということか。

目の前に出されたものをとっさに手に取ってしまったが、次の瞬間、その奥でチラシを引っ込めるあの子を確認。しまったーっ! あの子以外から受け取っちゃったら、ありがたみがないタダの紙切れじゃないか! 本日最大の不覚!

その後、場外の花壇に腰をおろしトライセラの演奏を聴く。さすがにカッコいいんだけど、心のどこかに虚しさが残る。混雑を避けるため、最後まで聴かずに駅へ向かった。

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