気が置けない

「気が置けない」という言葉は「気を使うことがない」という意味だそうだ。しばしば誤用で「油断ができない」という意味にとられることがある、ということだが、私も多分に漏れずそう思っていた。

「気が置ける」というのは「気を置く事が出来る」という意味ではなく、「気を置くつもりがないのに気を置いてしまう」という意味らしい。「気を置く」という言葉は「気を使う」という意味なので、「気が置ける」を言い換えると「気を使おうとしていなくても気を使ってしまう」となり、「気が置けない」は「気が置ける」の反対な訳だから、「気を使おうとしなくても気を使ってしまうということがない」という意味になるんだと。

ややこしいにも程がある。

そもそも「気が置ける」という言い方をする事に無理がある。「気を置いてしまう」と言った方がよっぽど分かり易い。要は「~ける」という言い方をやめて、「~してしまう」にすればいい訳だが、実はこれには弊害がある。

この場合「マイケル」は「マイテシマウ」になる。Mr.マイケル・ジャクソン!って言われたら「フーッ!」言いながら出て来れるけど、Mr.マイテシマウ・ジャクソン!って言われたら「あ……はい」みたいになってしまう。

なので、やはり気は「置けない」のである。

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