いけにえと雪のセツナをクリアしての感想(主に不満)

前から気にはなっていたけど、いまいち気が乗らなくてスルーしてきたゲーム。久々にJRPGがやりたい気分になったので今しかないと買ってみたんだけど、結論から言うといまいちだったな。

そもそも本作のコンセプトが、90年代のRPG黄金期のような作品を現代の技術で作るというものらしいんだけど、現代風になったのはグラフィックや音楽くらいなもんで、他は進化してるとは思えない。

ということでネタバレ無しで感想を。

戦闘が単調で薄っぺらい

グラフィックやストーリーは、格別良いとは言わないまでも好きな雰囲気だった。音楽もそれにマッチしてて良い。でもやっぱりゲームなわけで、RPGでは戦闘、育成のシステムが非常に重要。それが微妙だった。

本作の戦闘はクロノトリガーでおなじみとなったATB2.0をベースとしていて、そこに「刹那システム」というものを組み込むことでオリジナリティを出してる。とはいえ、そこまで独創生はなくたいして目新しくはない。
仲間との連携技があったり、属性が合わないとダメージが全く通らなかったり、敵によっては倒すと自爆するから注意が必要とかあるんだけど、実際のところそんなに戦略性はない。 ボス戦での変わったギミックとかも特にないし、ラスボスに関しても適正レベルで挑めばとりあえず勝てるって感じ。

となるとポイントは戦う理由。その辺の設定や演出がうまいと戦いにも熱が入るというもの。しかし、それもいただけない。
例えばキャラクターによっては因縁のある敵が出てくることもあるけど、そのキャラが戦闘の必須メンバーになるわけでもなく、気に入ったキャラだけ使ってれば事足りてしまう。

作中ではパーティーメンバーが「俺達は仲間だ感」を押し出してくるシーンがよくあるけど、全体的に展開がテンポ良すぎて淡白な仕上がりなせいか、仲間感をいまいち感じることができず「あぁそうですか」程度にしか思えなかった。

結果としてラスボス戦に至っても燃える要素がなかった。

UIが未熟

育成は、戦闘で経験値を入手してレベルアップするというありふれた方式がベースなんだけど、法石と昇華というシステムでアビリティ強化するというのが、このゲーム一番の独創的な特徴。

ざっくり説明すると

  • キャラクターは「法石」を装備することでいろんなアビリティを使えるようになる。
  • 戦闘中に刹那システムを使用することで、たまに昇華というものが発生し、法石に補助効果が付与される。
  • その補助効果の内容を左右するのが「法器」という装備品。

つまり、どの法器を装備してどの法石を使うかという組み合わせが重要ということ。にもかかわらず、この装備画面が非常に使いにくい。

法器次第では装備できる法石の種類も変わってくるのに、今自分が装備してる法器の詳細が固定で表示されていないので、比較しながら検討するということが出来ない。
装備中の法器が一覧の上に出てくるわけでもなく、確認しようと思ったら一覧の中から探して見るしか無い。オートソートの順番もぱっとしない。にも関わらず、一度手に入れた法器は売却できないから、一覧は無駄に長くなる一方。

面倒くさい。

法器を変えると、法石が一旦外れるから装着し直す必要がある。なのに、法器装備画面と法石装備画面の切り替えが「一旦メニュー一覧に戻る > メニューを選ぶ」という2アクション必要。

UIの不便さまで90年代引きずってどうすんだよ。

本編の難易度低すぎないか

本作の装備品は法器と武器のみ。武器には攻撃力だけでなく防御力も割り振られてるから、攻撃力は高いけど防御力低すぎるからどうしよう……、なんて選択も迫られると面白いなと思うんだけど、実際のところは種類が少なすぎて選ぶものは限られる。
武器はキャラごとに種類が固定なので、この武器はこっちのキャラに装備させてこれをこっちに、なんてやりくりをする楽しさもなし。

じゃあどこで楽しむかというと、結局は法石の育成。

法石には全部で10個の昇華効果をつけられるので、自分好みの効果をつけて独自の法石を作りだすのが醍醐味であリ、このゲームの面白さ。しかしこれが地味なうえに最初はわかりにくい。しかも前述の通り戦闘はぬるいので法石を特に成長させなくてもクリアできてしまう。
つまり、なんとなくやってたら一番の売りである法石の育成なんてしなくても本編が終わることとなる。

いわゆる裏ボス的なものはいるし、それを倒すためにはやり込む必要もあるんだろうけど、こういうのって本編面白かったから更にやり込もうってなるわけで、クリアした段階で本来の面白さが伝わってないのは致命的でしょう。

子供の頃って金がないから、買ったゲームがクソゲーでも仕方なくやり込んだってのがよくある話だけど、このゲームはそれすらも踏襲して昔を懐かしませようとしているのだろうか。

いらん要素を受け継ぐなよ。

おい、世界観よ

法石の装備スロットは「キャラクターが元々持ってるスロット」と「法器についてるスロット」で2種類あるわけだけど、キャラクターが元々持ってるスロットの意味がよくわからない。これはレベルアップに応じてスロット数が増えていくんだけど、どういう理屈で増えていくのか。

「ゲームなんだからそういうものってことで」と処理することも出来るけど、法石の存在はストーリーにも絡んでくるし、このゲームの世界観を構築する上でかなり重要な要素。なのに、とりあえず個人でスロット持ってます。で、増えます。って、これでいいのか?

基本的な雰囲気は好きだったんだけど、終盤でいろんな真実が明らかになってくと、それはご都合主義過ぎないか?と思うことも。

色々と深読みできる部分はあるんだけど、いかんせんゲーム自体がそこまで面白くないから、わざわざの深読みしてのめり込んでやろうなんて気も起きない。

バランスの悪さは移動にも。
フィールドマップではエンカウントしないくせに、移動速度がやたら遅い。エンカウントがないんだからマップ間の移動なんて地名を選択するだけでもいいくらいなんだけど、無駄に遅い速度での移動を強いられる。
ゲームのボリュームが薄いのを移動速度の遅さで誤魔化そうとしてるんだろうか。意味がわからない。

とにかく色々と残念な内容だった。

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