フラカン22周年祭 ~ゾロ目だョ全員集合!

2年前の20周年の時に「20年だョ全員集合!」と銘打って11年ぶりの野音ワンマンをやったフラカンだけど、今回はこじつけ感を隠しきれない22周年の「ゾロ目だョ全員集合!」。

超実力派雨バンドとしての実力を誇示するかのように、暑いくらいに晴れていたにもかかわらずリハでメンバーがステージに出てきた途端ににわか雨が降り出すということもあったけど、本番中は降られることもなく良いライブだった。

2011年4月16日 日比谷野外大音楽堂

晴れてるけど少し風が肌寒いくらいの中、マエさんはいつものように裸オーバーオールで首にはスカーフ。さすがに寒そうだなとか、また圭介に「その首のやついるの?」とか突っ込まれるんだろうなとか思ってたら、1曲目の「M.R.I.」で激しく動いた結果落ちかけてしまい、結局2曲目で早々に外して余計寒そうな格好に。

MCの時に竹安が「風邪が気持ちいー!」と似合わない爽やかなセリフを言ってたけど、マエさんは「俺はちょっと肌寒いけどね」と返してた。しかも風で飛ばされた枯れ葉がなぜかマエさんの周りにだけ集まり、圭介に「吹き溜まり」とか「ベース&リーダー&リーフ」と言われる始末。22周年でも変わらぬフラカンらしいアホらしさ。素晴らしい。

今回はフラカンと親交の深いソウルフラワーユニオンのキーボード奥野さんがサポートで参加。鍵盤が入ることで音がいつもと違う雰囲気になって凄い良かったんだけど、それだけじゃなくてMCの方も楽しませてもらった。

サングラスもかけてビシッと決めてる奥野さんに対して「この中で1番決まってるよね。こっちは(マエさんを指さしながら)こんなのもいるのにバランスが……」と圭介が茶々を入れると、「みんなが会場入る前からセットしてるからね。隣にX JAPANの写真置いて『こんな風にならへんかなぁ……』と」と軽くボケたかと思えば、マエさんを指さしながら「本当はこうなりたいんやけどね」と謎の願望を語り、マエさんと圭介から「じゃあなればいいじゃん!」と間髪入れずに突っ込まれてた。

新しいミスコニのラメラメなグリーンのドラムセットに対しては、圭介が「こういうのなんていうの?玉虫色?自分で選んだの? さすがミスター小西。1番メジャー感のある男。およそロックバンドとは思えない色合いだね」と、褒めてるんだかけなしてるんだか分からないコメント。

確かに会場入りした直後に「うわ、ドラムの色がすごいことになってる」と思ったけど、奥野さんに至っては「濁った水槽の藻の色」という酷い言いよう。この日がこのドラムセットのステージデビューだというのに、今後は濁った水槽ドラムとして語り継がれることのいなるんだろうな。かわいそうに。

今回はじめてだったのはドラムだけじゃなくて、まさかのツアーパンフ作成。マエさんの紹介によると各メンバーのページでは機材紹介などをしてるけど、マエさんのページは歴代オーバーオールの紹介をしてるらしい。どうしてもやりたかったんだって。マエさん変なとここだわるよね。

ベースとか載せるよりいいでしょって話をしてると、それに乗っかって水を得た魚のように圭介のベースけなしスタート。以前見たライブで初めてベースを褒めてるのを聞いて、遂に気が変わったのかと思ってたけど、全然変わってなかった。なぜこの人はいつまでたってもベースの存在を認めようとしないのか。言われたマエさんはマエさんで、俺の事悪くいってもいいけどベースのこと悪くいうなよ!と、相変わらず仲がよろしいやりとり。

ちなみに最初はパンフ買おうと思ってたんだけど、B4サイズという大きさで邪魔だなと思ってやめた。A4でいいじゃん……。

この日の一応レコ発ツアー中ということでセットリストは新譜からの曲が中心だったんだけど「ああ今日も空振り」なんていう「この曲やると思ってた人!…居ないよな」とマエさんが言っちゃうくらい懐かしくて珍しい曲も演奏。他には「虹の雨あがり」を演奏し、これまた珍しい曲だなと思ったら、この曲は震災以降のライブで必ずやってるって。演奏してる自分が励まされるんだって。

いい曲だもんねと褒めつつも、何でこれシングルじゃなかったのかなとマエさんが一言こぼしたが最期。もしこれがシングルだったら今頃長者番付に載ってたかもとか、進むべき道を間違えたかもなどと、圭介の余計な一言コーナーがスタート。せっかくのいい雰囲気を台無しにするところも、いつも通りな22周年。

来週は仙台と盛岡に行くという一行。ここで貰ったエネルギーをそのまま持ってって現地に全部置いてくる。全部出し切って、またゼロからスタートだって圭介の言葉が心に響いたな。

他にも「アイム・オールライト」の歌詞の一部をアーユーオーライ ジャパンと変えて客を煽ったあとジャパン オーライ!と締めたり、「元気ですか」のお元気ですか? 未来の俺 未来の君はって歌詞を未来の日本 未来の君はって変えたりと震災を意識した場面もあった。「元気ですか」は、本来ちょっと切ない歌詞なんだけど、この日は何だか力強かったな。

その「元気ですか」で1回目のアンコールを締めたあと、2回目のアンコールでは体を温めようと「白眼充血絶叫楽団」「TEENAGE DREAM」「真冬の盆おどり」とハイテンション3連発。ちなみに奥野さんは何度か入退場したんだけど2回目でグラサンとって、3回目でTシャツになり、この2ndアンコールでは「20年だョ全員集合!」の時に使ったハッピ姿で登場と、どんどんフラカンらしくなってった。

絶叫&盆踊りですっかり体も暖まった会場は更にアンコールを要求。最後の曲は、体ではなく心を暖めるような曲「東京タワー」だった。圭介が1番でも2番でもセリフ噛んでたけど、奥野さんがアコーディオンで参加して凄くいい雰囲気だったな。

最後はみんなでステージ前に並んで挨拶……のはずが、何故か圭介が黙って奥野さんにマイクを渡し、突然ステージ前に呼ばれて状況が把握できてない奥野さんが、とりあえず「みんな好きだー!フラカンサイコー!」と叫んで客を煽るも、圭介に「そういうコーナーはもう終わりましたんで」とマイクを取り上げられるという謎の流れ。なぜマイクを渡したんだ。

本番中雨が降らなかった点を除いて最後まで実にフラカンらしく、非常に良いライブだった。23周年でも24周年でもいいから、マエさん曰く「俺達の得意な野音」で、またやっていただきたい。

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