JAPAN JAM 2010

2日目

2010年5月16日(日)

朝礼では渋谷さんが昨日と同じく寒さに注意するよう話をしたけど、この日は明らかに昨日より日差しが強くて気温は高かった。そして人も多い。

とは言っても、たかが知れてるので、渋谷さんは昨日と同じように「これだけしまいません。だから皆さんの力で盛り上げてください」とお客さんに懇願。

さらに、今日はステージの空き時間を昨日の5分から10分に変更したとのこと。“客の年齢層が思ってたより高かったので”なんて言ってたけど、流石に昨日のスケジュールは無理がありすぎるので、これはありがたい。

ちなみに、前日の10-FEETのステージでTAKUMAが学生と働いてる人と、それぞれ手を挙げさせたところ、学生はほぼいなくて社会人ばっかだった。

サンボマスター

本日は1発目からサンボマスター。いつものようにゴダイゴの「モンキーマジック」で登場するなり、人数がこれだけしかいないとか、年齢がどうとか関係ねーんだそんなもんは!と、朝礼で渋谷さんが言ったことに反論。これまたいつものように一気にまくしたてて客を煽る。

「楽屋にいる奴らを踊らせよう!ゴダイゴのミッキー吉野、踊れー!」などと、のっけから盛り上げ続けたかと思ったら、中盤で一転してシリアスに。

「いなくなってしまった人のこと思うと、俺は『どうしていなくなっちゃったんだ』って、そんなことばっかり考えちゃうんだ。でもこの歌うたってるときだけは『ありがとう』って思えるの。I love you Rock’n Roll! 愛し合ってるかい!」。そう叫んでから静かに歌いだしたのは「ラブソング」。この流れは、何度聞いても込み上げるものがある。

最高のラブソングで会場を魅了した後、雰囲気を一転して始まったのは「そのぬくもりに用がある」。間奏では「こんなもんじゃ、あの人達呼べないでしょう!」と山口に煽られて、会場がゴダイゴコールで埋まる中、遂にゴダイゴのタケカワユキヒデ、ミッキー吉野、浅野孝己の3人が登場。そのまま一緒に演奏に加わる。タケカワユキヒデが「そのぬくもりに用がある」を唄ってる。なんて贅沢。

続いて山口が「どうしてもこの曲がやりたかったの。分かるでしょ」と言って始まったのは「モンキーマジック」。ギターが強調されてて、あの特徴的なキーボードのメロディが鳴りを潜めてたのが、ちょっと寂しかったけど、やっぱ生で聴けるとテンション上がる。いやが上にも盛り上がる会場。更に「君たちの美しい名前を知りたいんだよ」という山口の言葉に続いて始まったのは「ビューティフルネーム」。最高だよ、まったく。

「最後に僕らとゴダイゴとみなさんで、僕らの曲をやらせてもらっていいですか?」と続いて始まったのは「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」。

勢い良く始まったのものの、イントロで山口のギターストラップが壊れてしまい、暫くハンドマイクで歌うというハプニングがあった。すぐに代わりのギターを渡されたんだけど、テンションが上がってしまったのか、途中から結局ギターをおいて結局ハンドマイクで歌い始めた。

テンション上がって叫ぶ山口。一方のタケカワさんは、歌詞が飛んでしまったようで、何とか歌詞カードを確認しようとするも、山口が強引に肩を組んで譜面台の前から引きはがし前に連れてくもんだから、最後の方全然歌えてなかった。歌知らないのに雰囲気で歌おうとする、にわかファン状態。

最後はみんなでロックンロールコール。タケカワユキヒデが山口と一緒に「ロックンロール!」と叫んでいる。何この異空間。

とてもトップバッターとは思えない程の盛り上がりで終了。そして再び巻き起こるゴダイゴコール。これサンボマスターのライブですけど。ゴダイゴはゲストですけど。

朝礼で渋谷さんがサンボとゴダイゴの紹介をしたとき、すると「え!ゴダイゴ!?あの?」と驚いてた人は、さぞ驚いたことだろう。あの人、このイベント何だと思って来たんだろうか。

GRAPEVINE

このステージのゲストは彼らのプロデューサーでもある長田進。気になるセッションだったけど、前夜よく寝れなかったせいで、猛烈な眠気に襲われて結局ほとんど寝て過ごす。

どういうわけか、過去のフェスでもバインの出番のときに限って睡魔がやってくる。見る機会は4,5回あった気はするけど、ちゃんと見たのは1回だけな気がする。まぁ今回は、ちょうど目覚めたとき1番好きな「CORE」が始まったとこで、ばっちり聴けて満足ではあったけど。

そんなことだから最後の方しか聴けなかったけど、バインらしい濃いセッションだったな。ベースレスバンドでギタリストが既に2人いるのにゲストがギタリストってのもバインらしい感じがする。

それにしても、この時はとにかく暑かった。太陽が雲に隠れると瞬間的に気温が下がるのは前日通りだったけど、晴れてる時間の方が長いので、前日とは比べ物にならないくらい暑かった。その後も相変わらず晴れたり曇ったりを繰り返したけど、結局この日は最後まで暖かく過ごすことができた。

曽我部恵一BAND

前のステージが終わってすぐ移動したら、モビリタステージのゲートをくぐったところでステージスタート。確かに昨日よりは多少時間に余裕があるけど、それでもなかなかキツい。特にモビリタステージはゲートからステージ前までが長く、もどかしくて精神的に疲れる。このときは、ゲート通ってからステージ前に行くまでに2曲が終了してた。

ゲストコーナーでは「この国で最高のボーカリストを呼びたいと思います」と、おとぎ話の有馬和樹を紹介。一緒におとぎ話の曲をやった後は、曽我部さんが「僕が昔作った曲です」と、サニーデイ・サービスの「夢見るようなくちびるに」を演奏。

良かったんだけど「下北沢のライブハウスなんかじゃ、夜な夜なこういうセッションが繰り広げられてるんだけど、こういう大きなところで出来るのは嬉しい」という曽我部さんの言葉に、フェスも良いけど、やっぱライブはライブハウスだよなぁとしみじみしてしまった。ワールドカップも良いけど、Jリーグがレベルアップしないと、みたいな。サッカー見ないけど。

有馬が退場した後は、「この国で最高のボーカリストをもうひとり」と、GOING UNDER GROUND の松本素生登場。曽我部さんの曲をやった後は、GOINGの「グラフティー」を演奏。2人とも曽我部さんの曲と自分の曲の2曲という組み合わせだったけど、ゲスト枠的にはこれが一番無難でありつつ盛り上がる感じだな。

MCでは曽我部さんが「この前一緒に添い寝したよね。俺の部屋で」とカミングアウトし、松本さんも「そうだね。朝まで好きなCD聴いて」などと話してた。会場の反応が微妙だったのは、おそらく髭面のおっさん2人が添い寝する絵が思い浮かんでしまったからだろう。

ゲストコーナーが終わって始まったのは「テレフォンラブ」。この曲こそゲスト向きだろうと思ってたら、途中から餌に釣られた魚のように2人が飛び入り参加。終了後はまた引っ込んだものの、曽我部さんが「魔法のバスに乗って」の冒頭部分で歌詞が飛んでしまい、やり直しすることになると「ソウ君もいっしょにやらない?」と曽我部さんが誘い出し、松本さん再び登場。

「こういうのもありでしょう」と、次の「STARS」も一緒にやってると、耐えきれないといった感じで有馬も登場。終わった後は楽器を置き、そのまま退場かと思ったら、曽我部さんが舞台袖に確認を取りつつ「まだ時間が少し余ってるみたいだから」と、アカペラで「mellow mind」を歌って終了。

友だちが集まって自然と始まったセッションって感じで、見てるこっちも楽しくなるステージだったな。

終了後の移動では、狭くて詰まりやすかった出入り口が、いつの間にかフェンス取っ払って広くなっていた。この辺の対応は流石だな。

YO-KING

まずはYO-KINGがひとりで登場すると「まずは私の声を存分に楽しんでください」と、アカペラで童謡の「さっちゃん」を歌い始める。何故か2番を飛ばし1番と3番を歌い上げたあと「今日も絶好調でーす!」と宣言してから、今度はアコギを手にして弾き語り。

続けて2曲やるとギターを置き、「バンドのみんな出ておいでー」とバンドを呼び込む。全員揃うと「誰から血祭りに上げてやろうか」とメンバー紹介がスタート。まずはベースのハマ・オカモトが「ハマ・オカモト改め、ヒゲパンチラ改め、ひとりでもピンカラ兄弟」と紹介される。着ている紫のシャツが本人はGSを意識してるらしいけど、ウォータービジネスに見えると結構いじられてた。

ハマ・オカモトといえばダウンタウン浜ちゃんの息子ということで有名だけど、あの浜ちゃんの息子が普通にいじられてるってのが面白かったな。

続いてDUKEアイプチが「おなじみのDUKEアイプチ」と軽く紹介された後、フジファブリックの金澤ダイスケが「ダイちゃん……改め、ラブ・アシンメトリー」と謎のニックネームを付けられ紹介。髪型がアシンメトリーだからとのことだけど、ラブってなによ。

MCでは客の年齢層が高いからバリバリホームですと宣言しつつ、「今年は女子高生にYO-KINGブーム起こそうと思ってるんだよ」と謎の野望をあかしていた。ただ、本人含め笑い声が全部失笑だったから、まぁ無理だろう。

終盤のゲストコーナーでは「イケメンが登場するよ!」と紹介され、秘密とされてきたけどバレバレであったサンボマスターが登場。

このバンド名は、Yo-King Master Cabin Attendant。後半の Cabin Attendant に意味は無いと言いつつも、Yo-King Master Cabin Attendant、略してY.M.C.A.ということで、始まったのは「ヤングマン」。このためのバンド名か!

ライブ好きが集まるとこで、この曲が盛り上がらない訳が無く、誰に指示されることも無く当たり前のように全員であの振り付けをする光景に、思わず「スゲェ(笑)」と漏らすKING。

既に最高の盛り上がりをみせる中、本人曰く“打ち合わせでやっちゃったから仕方なく”、みんなが一緒にやってくれないとKINGがすねる小芝居があり、山口がさらに客を煽る。「この人、早稲田出てるんだよ!泣かせてどうすんの!もう還暦なの!俺奥さんのファンなの!」と、謎の嘘情報を混ぜながらもYO-KINGコールで気分を持ち直して更に盛り上がる会場。

続いて「空にまいあがれ」をKINGと山口のボーカルで披露した後は、2人だけのこって他のメンバーは退場。まるでステージの繋ぎの司会者みたいだなどと言いつつ、最後はYO-KINGの曲を交互にボーカルを取りながら、しっとりとアカペラで歌い上げる。最後のパートは2人で一緒に歌おうとカウントを取って合わせたのに、山口が出だしの歌詞を間違えてグダグダっとする場面もあったけど、とてもシンプルなセッションでほのぼのと幕を閉じた。

エレファントカシマシ

移動が間に合わず、到着したときには既に演奏中。こんな状態なのに、通路では常に走らないでくれって言ってるのが納得いかん。

個人的にライブで初めて聞く「俺の道」「達者であれよ」などを演奏し、新曲「幸せよ、この指にとまれ」も披露し終えたとこでゲストコーナー突入。

まずはバイオリンの金原千恵子さんと、チェロの笠原あやのさんが登場しストリングスとのセッション。何回も美人ですと言いながら2人を紹介し「リッスントゥザミュージック」を演奏。続いて「もうひとりのスペシャルなゲストです」と、Charaが登場。

この組み合わせが発表されてから、一体何をやるんだろうかと興味津々だったけど、まず始まったのは「Swallowtail Butterfly ~ あいのうた」。しかも宮本さんも歌ってる。キー高くてキツそうだったけど。

いきなり貴重なものを見せつけられて興奮していると、続いての曲はそれどころじゃなかった。エレカシの「それを愛と呼ぶとしよう」とCharaの「エレガンス」をマッシュアップしたものだという。1コーラスずつ曲が入れ替わって、男の気持ちと女の気持ち、それぞれが交互に歌われるという趣向。

中盤では一旦演奏が止まり、Charaが「愛の角」という歌詞を引き合いに出して、愛の角持ってますか?と詰め寄られた宮本さんがたじろぐという、これまた貴重な場面も見させてもらった。ちなみに「愛の角」は男しか持ってないもののことね。

最後は男女が融合するがのごとく、2つの曲を2人が同時に歌って終了。「それを愛と呼ぶとしよう」は、CDではしっとりと聴かせるバラードだったのに、重くて気だるい感じのリフをバックにして、なんとも怪しげでエロティックな仕上がりに圧倒されたなぁ。心の底から来てよかったと思う瞬間だった。

更にもう1曲「風に吹かれて」をみんなでやったあと、今度はエレカシだけに戻って数曲やってから、再びゲスト3人が参加。「男臭い曲なんで、嫌がるCharaに無理矢理お願いして」と恐縮する宮本さんにCharaが「そんなことないよ。楽しんでるよ」と答えつつ始まったのは「コール アンド レスポンス」。「死刑宣告さ!」と吠える宮本さんに、シャウトするChara。もう凄い迫力。

宮本さんも「生きててよかった」なんて言ってたけど、まさにそんなステージ。ゲストにやたら気を使いつつ「Charaかわいいよなぁ」なんて嬉しそうにする宮本さんもなかなか貴重で、いいもん見させていただきました。

ZAZEN BOYS

エレカシの最後の曲を聴き終える前に移動開始したのに、またしてもスタートに間に合わず。遠くから聞こえてくる「Honnoji」は、早くもテンション最高。

そのあとも「Himitsu Girl’s Top Secret」「Riff Man」など、いきなりクライマックスって感じで一気に叩き込んだ後は、「それではここからMATSURI セッションを始めます」と向井さんが宣言して、ゲストの山下洋輔さん & 坂田明さん登場。

ZAZEN BOYS のステージは毎回セッションのようなものだけど、そこにこの2人が加わる。頭の中では「フリージャズ VS フリーロック」なんて図式を思い浮かべつつ、きっと訳が分からんことになるんだろうなんて思っていたけど、俺の想像はいとも簡単に超えて行ってしまった。

1曲目の「Sugar Man」から、全身をかきむしって一気に衣が剥がされていくかのような演奏に早くも度肝を抜かれたんだけど、こんなものはまだまだ序章。往年の山下洋輔トリオに思いを馳せつつ、この日のために作ったという曲「中目黒」では、もう全編通してほとんど肉弾戦。

ZAZENのステージは自由なセッションのようで、実際はそういうものを経て築かれた鉄壁の要塞のようだから、緊張感がありつつも安定感があるんだと思うんだけど、これは違う。ぶつかり合って弾き合って解け合って、次に何が起こるか予想できない不安さえ覚えるゾクゾクする緊張感。

「ここは新宿3丁目!シ シ シノヤマ!篠山紀信!ダンシ!立川談志!」と人力ディレイを混ぜつつ謎の歌詞を叫ぶ向井さんが加わって、ステージ上は何とも言えない不思議な世界に。

続く「COLD BEAT」では、メンバー始め山下さんと坂田さんも、向井さんの指揮で音を出していく。これだけでもすげぇもの見たって感じがする。最後は「Kimochi」でフィニッシュ。

「フリージャズ VS フリーロック = フリー過ぎ」ということで、あっけにとられたまま終了。

会場の雰囲気からして、ZAZEN自体見るの初めてって人が結構居そうな気がしたけど、ただでさえインパクトの強いZAZENのステージなのに、こんなもの見てしまって、どんな風に感じたのか訊いてみたくなる。

個人的には山下さんの肘奏法も見れたし大満足。

奥田民生

まずは民生1人が登場して「前座的な」などと言いつつ、ひとり股旅スタイルの弾き語り。

始める前に上の方に見えるサーキット場を見ながら「どうせならあっちでやりたかったよな。ここはまだ『富士SW手前』みたいな……」とこぼしてたけど、“あっち”は、あのウドーフェスが使ったとこです。

「これ久しぶりだなぁ」などと言いつつ始まった「野ばら」に続き、「コーヒー」では“もう30だから”という歌詞を、“もう45だから”と実年齢に変えていた。

数曲やったあと「それではここから徐々に人が増えますんで」と、呼び込まれたのはスカパラのホーン以外のメンバー、ギター加藤、ベース川上、キーボード沖、ドラム茂木の4人。「ホーンズが来ると思っただろ」と言いつつ始まったのは「イージュー★ライダー」。これが見事にスカのリズムにアレンジされて、スゲーいい感じだった。

事前にロッキンオンのブログで、「スカパラのステージに民生がゲストで来るのとは違う」なんて書いてたから、どうなるかと思ってたこういうことか!って納得。

その後は一旦みんな引っ込んで、暫し間が空いた後、いつものBGMにのってスカパラ登場。そのままスカパラだけで数曲やった後は、スカパラ仕様のスーツに着替えた民生が登場してセッションタイム。しかし1人だけスーツのデザインが違う。

「何で俺だけ前のやつなの?」と問いつめる民生に「俺たち新調しましたから」と谷中さんが答えると、「マジかよ! ゲストだろ!」と攻めるシーンも。谷中さんも「人数多いけど俺たちが民生さんのゲストですからね」と念を押してたけど、完全に「スカパラのステージに民生がゲスト参加」状態だったな。

「美しく燃える森」や「流星とバラード」。スカパラではお馴染みの「愛の讃歌」を民生がボーカル取ったり、民生がギターのみで参加したり、いろんな魅力が詰まった良いステージだったけど、イージュー★ライダー以外は意外性が弱くてちょっと残念だったかな。

吉井和哉

いよいよ大トリの吉井和哉登場、かと思ったら、吉井さんはギターを手にステージ端へ。センターにはいきなり9mmの卓郎が登場。始まったのはイエモンの「TVのシンガー」。まさか1発目からこんなのを出してくるとは。

1曲終わると卓郎は退場し、ここからは吉井和哉としてのステージ。朝礼で渋谷さんに散々雨男呼ばわりされたのを受けて、「晴れました!しかも昨日より暖かい!」と高らかに宣言。しかし曲はズッシリとくる重苦しいトーンの曲が続く。

本人も「暗い曲ばっかりでスイマセン」なんて言ってたけど、最近お気に入りのビートルズのカバーをやりますって始まったブルース色の濃いパートなんかは、後に控えてるゲストコーナーのことを忘れるくらい最高にかっこ良かったな。

7,8曲たっぷりとソロパートを聴かせたくれたところでゲストコーナーに突入。ベース日向秀和(ストレイテナー / Nothing’s Carved In Stone)、ドラム松田晋二(THE BACK HORN)、ギター生形真一(Nothing’s Carved In Stone)が登場し、バンドメンバーが大幅入れ替え。

そこに黒猫チェルシーのボーカル渡辺大知とギター澤竜次が参加して始まったのは「パール」。吉井さんと交互に歌ったんだけど、声量の問題かマイクの問題か大知の声が小さくていまいちだったな。さすがに本人の前で存在が若干霞んでた気がするけど、雰囲気は思いの外いい感じでハマってた。

ちなみに隣に居た女が、黒猫の2人が紹介された時ひときわ大きい声でイェーイ!なんて言ったくせに、いつものように学ランを着てる大和を見て「何あれ?学ラン?」と言っていた。黒猫チェルシー知らんのかい!

黒猫の2人が退場すると、吉井さんが「次はスゲーぞ!」と一言。しまったというように「次“も”スゲーぞ」と言い直してから始まったのは「LOVE LOVE SHOW」。吉井さんの無言の手招きによって登場したのは奥田民生。ゲストとしての登場予定は無かったものの、2人の仲を考えれば飛び入りは大いにあるとは思ってたけど、実際に出てくるとやっぱ盛り上がる。

ポケットに手を突っ込んでカラオケにでも来たかのようなラフさで歌う民生。でも時折急に「おねーさーん!」と叫んでた。吉井さんも笑いながら、途中で真似して叫んでたけど、あれ何の意味があったんだろうか。

さんざんゲッツのポーズをやって「おねーさーん!」と叫びまくって民生退場。一発で会場の雰囲気が変わってしまった。さすがベテラン。

続いて「探偵物語!」と紹介されて現れたのは9mm卓郎。オープニングでハットを被ってたからだと思うけど、既に脱いでいた卓郎はハットを取る仕草をしながら登場。

吉井さんが「昔、ロッキンオンが主催するフェスで大雨になった曲をやります」と「バラ色の日々」を演奏。冒頭の「TVのシンガー」もそうだったけど、卓郎の声とイエモンの曲は、やけに相性がいい。さらに本人とのハーモニーもハマってたし最高だったな。

ステージはここで一旦締め。メンバーがひとまず退場すると、スタッフが一斉に現れて猛烈にセットチェンジが始まった。一応会場はアンコールを要求する拍手が鳴っているけど、本来出るはずのゲストがまだ出てないわけだから、ここからはアンコールというより第2部ってとこだろう。

セットチェンジが終わると、吉井さん、エマ、そしてフジファブリックのメンバーが登場。ドラムはトライセラの吉田さんだ。

演奏するのは、イエモンのトリビュート盤でフジファブリックがやった「Four Seasons」。吉井さんはアンコールはない 死ねばそれで終わりという歌詞をアンコールはある 彼は死んでないと変えて歌った。

曲が終わったとこで、改めてフジファブリックを紹介した後で、吉井さんは「本当はボーカルもいるんだけど、今日は訳あって来てません。ボーカルが帰ってくるまでの間、彼らだけで活動は続けていくんで応援してやってください」と続けた。

更に、山梨出身の志村と同じように静岡出身の吉井さんも富士山を見て育ったので、こういう場でできるのが嬉しいと言い「偶然にもこのフェスにぴったりのタイトルの曲がるので、それをみんなで歌って終わろうと思います」と始まったのは「JAM」。

出だしからマイクを掲げて客に歌わせる吉井さん。サビでは歌を客に委ねつつ、天を仰いでいた。そして2回目のサビでは天に向かい叫んだ。「志村!Say!」

一緒に歌おうとしたけど、涙が溢れてきそうで歌えなかった。

こんな夜は逢いたくて 逢いたくて 逢いたくて。その言葉がまた心を揺さぶる。歌い終わった吉井さんは、フジファブリックのメンバー1人1人とハグをしてステージを去っていった。俺は暫く放心状態で手を叩いてたような気がする。

あっという間に濃い2日間が終了。普通なら最後の最後でサプライズ的にやるような企画の目白押しで、飽きれるほど贅沢。これは絶対来年もやって欲しいけど、この場所は正直微妙かな。ROCKオブジェこんなだし。

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