OUTLAW解散LIVE「PUBLIC IMAGE LIMITED」FINAL

2006年4月1日(土)下北沢CLUB251

下北沢駅前のゴミゴミした商店街を抜けた先にCLUB251はある。開場10分前には入口前に列が出来ていたけど、隣りのライブカフェでは、寺岡呼人と浅田信一(ex.SMILE)のライブがあるらしく、その看板の方が分かりやすい位置にあるので、通り過ぎる人は皆そのライブの行列だと思っているようだった。ま、OUTLAWの方が知名度は低いだろうからしょうがないけど。

この日のライブでOUTLAWは10年間の活動に幕を閉じる。メンバーは中学の時からの同級生なので、実際には10年以上の活動だ。

キャパ300人程度のフロアはいっぱい。そういえば解散ライブってのを見るのは初めての経験。会場の雰囲気は普段のライブと特に変わりない感じだけど、何だか落ち着かない。

中に入って間もなく暗転。メンバーがステージに上がって、ボーカル山口さんの「OUTLAWです。ありがとう。」という言葉で、最後のステージが始まった。

前の方にスペースが出来たので、人の間を縫って移動。1曲目の「約束どおり」から立て続けに3曲。普段なら、ここはちょっと抑えようとか考えるけど、これが最後と思うとそういう気持ちもどこかへいってしまう。でも、久々のライブという事もあって、かなりしんどい。曲順もほとんど覚えていない。

前の方には、そんなにノリノリなとこでもないのに両拳を突き上げノリまくるロン毛男。目尻にはピアス。フレイムパターンのシャツ。ケーブルテレビの洋楽専門チャンネルでヘビメタ専門番組のMCをやってます、みたいな感じ。明らかに浮いているけど、明らかに一番楽しんでいる。あそこまで楽しめるのが何か羨ましかった。

合間のMCは相変わらず締まりがない。根っからの泣き顔の山口さんに、さっきのロン毛が「泣くなよ!」と声をかける。山口さんは「バカヤロウ!」と返したけど、続けて「いや、実際泣きそうでしたよ」と早くも弱音が。

このバンドの曲は、別れや再出発であったり、明日への希望といったよいうな曲が多い。解散となると、そういった曲全てが特別なものにも聞こえてくる。

正直OUTLAWは、演奏のテクニックはそんなにうまいとは思わない。喋っても締まりがない。でもその分、嘘臭くないというか、歌声に力を感じる。MCでは言葉が見つからず言葉は無力だなんて言ってたけど、歌は力強かった。

中盤、何人かの女の子がサイリュウムを振りだす演出が。どうやら普段はやらないことで、この日はファンが特別に企ててたらしい。それを見たロン毛は、手ぶらで急に寂しそう。やけに小さくなったと思いきや、隣りの女の子に余ってるのを1つ借りて一緒にノリノリで振りだす。似合わね~(笑)

最後は、いわゆる後半ぶっ飛ばすで一気に盛り上がるフロア。「明日も生かねば」では、今まで耐えていた山口さんの目から涙があふれてた。

一方自分は、腹が減って喉も乾いてフラフラしてきてたけど、そんなものはもうどうでもいい。こっちも全部出し切るだけだ。続いて「ビューティフルライフ!」「僕の存在は嘘じゃなかった」と畳み込み一旦ステージを降りる。

アンコールで再びステージに登場すると、ラストに演奏されたのは「14才」。ライブが決まった時から最後はこの曲をやろうと決めていたって。中3の時から3人でやっているというこのバンドの最後に相応しい曲だ。

山口さんは、また泣いていた。

これで最後だというのに、客がそんなにあっさり帰すわけがない。2度目のアンコールでステージに上がるメンバー。涙では終われないと言う山口さんに、泣いてんじゃんと客が突っ込むと、「泣いてたの!さっきまで。今は泣いてないの!」と笑顔で返す。

本当に最後の曲ですと言い始まったのは、アゲアゲのロック「クソッタレ」。寂しさはきっと後からこみ上げてくる。でもそれはひとまず脇に避け、そこにいたみんながクソッタレに楽しい時間を、クソッタレにイカしたバンドと、クソッタレと叫んだ。いろんな思いがこもったクソッタレだ。

解散後、結婚が決まっているドラムのキーちゃんは音楽を辞めるという。山口さんと竜司さんは音楽を続けるけど、一緒にやるわけではないようだ。解散の理由は知らないけど、離れてもきっとどこかでこの3人が繋がっていくことを願いたい。

僕らは僕らの道を行こう
僕らの明日は僕らの中にある
夏の日の君の部屋が見える
14才の僕がいる

OUTLAW「14才」

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