ユニコーンがやって来る ZZZ…@群馬 ベイシア文化ホール

ユニコーンの再始動後、2回目のツアー。で、個人的には初のユニコーンワンマン。まだフェスでしか見たことなかったので非常に楽しみだったんだけど、想像以上に濃くて良かったなぁ。ただ、すっきりしない出来事もあったんだけど……。ということで、もろネタバレなレポです。

2011年7月2日(土)ベイシア文化ホール

電車で片道4時間という、ちょっとした小旅行な距離を経て会場到着。相変わらず無駄に種類が多い物販でちゃちゃっと買い物を終えると、外の公演で暇つぶしてから会場入り。席は2階の1番後ろだったけど、真ん中辺りだったしステージ全体がいい感じで見渡せて、まぁよかったかな。

開演前の場内では、ユニコーンにお願いしたいことを携帯から投稿するとステージのスクリーンに映し出されるという企画「頼みたいZ!」が実施中。回線が混んでたのか俺のiPhoneがおかしいのか、全然繋がらずにタイムアウトしたところで暗転してステージスタート。

まずは、さっきまで「頼みたいZ!」が映しだされていたスクリーンにオープニングムービーが映しだされる。今回は海賊がテーマということで、ステージセットは帆船。ステージ後方には2階甲板もあり、左右の階段から登れるというしっかりした作りで、その帆がスクリーンになっているという仕立てだ。

オープニングムービーはニューアルバム収録曲の「オレンジジュース」をBGMに、結構長めのしっかりとしたもの。メンバー登場のシーンでは、テッシーがズームアップしすぎて画面にぶつかるというボケもしっかり挟んで、冒頭からすっかりユニコーンのペース。

テッシー大活躍

ムービーが終わりメンバーがステージの揃ったところで始まったのは「ライジングボール」。もっと元気よくパーッと来るかと思ったけど、ちょっと背筋がぴしっとする感じがよかった。そこから「頼みたいぜ」で一気に盛りあげると、3曲目で早くも懐かしい曲「ハヴァナイスデー」を披露。2番の「さーて今夜はどこへ繰りだそう」というところでは、マイクを向けられた阿部が、おもむろに「おっぱいパブ」と返答。のっけからドストレートな下ネタを持ってくる潔さ。

終了後は「ツアーも中盤ということで、中だるみですか?」などと、相変わらずな力の抜ける民生のMC。「ここは昔、舞台監督が始末書をかかされたんですよ」と当時出入り禁止になったエピソードも披露。「ワーッ!となってワーッ!となったんです。今はもうみなさん、そんな元気はないみたいですね」

更にツアーグッズであるボーダーシャツを着てる客に「太って見えますよ」と、客いじりMCを挟んで阿部のピアノソロがスタート。照明が落ちて阿部のピンになり、しっとりとした曲を聴かせるかと思ったら突然「手島いさむの踊りー!」と勢い良くテッシーの方を指さし、テッシーがまさかの宙吊りフライング。暗転してのピアノソロは、この準備から目を反らせるための作戦か!

ギターを弾きつつピーターパンばりに宙を舞い「手島いさむ物語」を歌うテッシー。何だこの異空間。そんなもん笑うわ。その後は、折角吊るためのセット用意したんだから徹底的に使おうって感じで、全編通して何回も空を飛んでた。今回はアー写だけでなく、いろんな場面でテッシーが中心的に扱われることが多いけど、元々何でもありのバンドが輪をかけて何でもありになったな。妙に体格が良くなったテッシーが、いじられキャラとして素晴らしく生きてるのが素晴らしい。

続いての「WAO!」では阿部が演奏中に客席に帽子を投げるも、終了後に「すいません、返してくれませんか」とお願い。拾ったお客さんがステージ前まで行くと、ちょっと待てと合図してから自分のマイクスタンドについてるピックを丸ごと回収。更に他のメンバーのピックもごっそり回収して川西さんのスティックに民生の飲んでた缶ビールまで付けてプレゼント。これは凄いサービスだなぁ。「沢山あるから横一列に分けて」って言ってたけど、ホントに分配出来るくらいピックあったと思う。拾ったのは女の子だったんだけど、帰り際に頭撫でてもらってた。ファンとしてたまらんだろうな、あれは。男だけどちょっと羨ましかったよ。

そこからはお得意のグダグダトーク。「群馬といえばあれか?かかあ天下と………なんだ。かかあ天下とからっ風だろ? 踏まれてぇなぁ………嘘だけどね」。名物のまんじゅうは食ったかという客席からの声に対しては「あ?あぁ食った食った。……嘘だけどね」などと、しょーもないとを言うたびにステージ両サイドに置かれた大砲がドーン!と、轟音と共に煙を発射する仕掛けが。この大砲ただのギミックではなく、「車も電話もないけれど」では、CDに入っていた大砲の音を再現するという役割をちゃんと果たしていた。この大砲使うために、この曲選んだんじゃね?

ブルーかもしれない

MCの流れで「次の曲は俺がまだ女性だった頃の曲なんで全然覚えてないんだが…」と、そのまま次の曲紹介に入るも「あれだろ?最初のやつなんだろ?」と話しかけられたテッシーは全く気づかず。「人の話を聞いてなんだこれが…ハハハッ」なんて軽く笑ってるけど、最初の曲ってもしかしてあれをやるんですか!?

「それを民生くんが歌います……いつもは。今日は誰が歌うか、お楽しみということで…」などと、たっぷり焦らして始まったのは「Maybe Blue」! もちろん歌うは奥田民生。まさかこれが聴けるとは! 個人的に初期の曲はあんま聴かないんだけど、この曲にはさすがに驚いたしテンション上がった!………となるはずだった。でも実際はあんま驚かなかったんです。何故か。開演前に隣の席の男が Maybe Blue やるって言ってたからたから。

その会話してたふたりはネットで知り合ったらしく、ひとりは昔からファンでしたっていう40近いであろうオッサンで、もうひとりは再始動後のファンですっていう若い女の子。そのオッサンが完全に浮かれてる感じで話しやがったんですよ。「◯◯ちゃんは今回のツアー初めてじゃないよね。じゃあネタバレだいじょうぶだよね」とか言って。こっちは大丈夫じゃないんじゃボケ。41列30番に座ってたお前だ。お前は今すぐハゲろ。モミアゲがスッポリ抜けろ。

まぁ、そうはいっても Maybe Blue が聞けたのは嬉しかったな。他にも「シンデレラ・アカデミー」「いかんともしがたい男」「パパは金持ち」「君達は天使」「ニッポンへ行くの巻」など、幅広くいろんなアルバムから曲をチョイスしてるのが面白かった。「いかんともしがたい男」の「1,2,3……」というバックで流れるカウントが、最後に「…5,6,セブーーン」とウルトラセブンの言い方になったのは間抜けで笑った。

そんな懐かしい曲のひとつ「Blues」は、何故か大胆にRemixされ、エビカニのふたりによる甲殻系ラップユニット「シュリンプクラブ」によるラップバージョンになってたけど、あれは正直微妙だったなぁ(笑) まぁお遊び全開な感じがユニコーンらしいけど。

EBIが川西さんを紹介するとき、「カワニシィィーーーーコウイチー!」ってプロレスのリングアナウンスみたいに言ったんだけど、川西さんが「その紹介の仕方、他になんかないの?」と苦言を呈すと、じゃあもう1回とやり直すことに。EBI「笑顔がとってもかわいい。……カワニシィィーーーーコウイチー!」川西「そうじゃないよ!前置きはいいんだよ。カワニシィィーーーーのとこどうにかしてよ」とEBIの天然も絶好調で、これまたユニコーンらしかった。

「ニッポンへ行くの巻」では、頭にリボンを付けホウキにまたがったテッシーが「手島の宅急便です!」と、飛びながら登場。「グッズをお届けに参りました」と、肩に下げたトートバッグから会場にツアーグッズを投げ入れるサービス。ほんと何でもやるな、テッシー。

MCでは客が共感できるようなことを言えと民生がテッシーに指示。「暑いですなぁ」と、なぁなぁなことを言うテッシーに「それさっき言ったから」とあっさりダメ出し。「嘘ついときゃいいんだよ。中学のころ群馬にいたとか」という民生のアドバイスを受けて「草津温泉のオーナーやってます」とテッシー。ほぉと民生も笑いながら相槌を打ち会場もウケてたけど、「転売転売で儲けるんですよ」などと余計なことを言い出した途端に「ダメ、何言ってるかサッパリわからん。共感できない」と、またしても冷たくダメ出しする民生。

終盤は新譜からの曲を中心に演奏。まるでこのために用意されたかのように大砲が活躍した「車も電話もないけれど」を経て、最後は「デジタルスープ」で本編終了。サビの歌詞がスクリーンに映し出される演出だったんだけど、歌詞見ると改めていい曲だなと感じたなぁ。こんな些細なことだけど感動した。

アンコール

アンコールではテッシー再び吊られながら登場すると、アコギの弾き語りで「オールウェイズ」を披露。吊られたまま。オールウェイズはいい曲だと思うし、弾き語りですごく雰囲気も良かったが、なぜ飛ぶ必要があるのだ。アホ過ぎる!

弾き語りが終わり、無事地上に降りたところで川西、EBI、民生とメンバーを呼びこみ。最後に「アンコールといえばこの人が居ないと始まりません」と阿部を紹介すると、ステージ後ろのスクリーンに映しだされたのは笠をかぶった天狗のお面のアップ。無駄にヤラしい感じで鼻を握りつつカメラと共にステージに登場すると、民生に近づくと無言で鬼のお面を渡す天狗。それを民生が被ると、鼻と鼻を擦り合わせる謎の行動を披露。なんだこれは。求愛なのか? ちなみに鬼は、お面の上にしっかりサングラスを掛けている。

擦り合わせに満足したのかステージ前まで出てくると「ひとつ、一夜一夜に人見頃」と天狗が口上を述べ始めた。それに何故か力士みたいなしゃがれ声で合いの手を入れる鬼。それをタケシの真似だと勘違いした天狗が「ダンカン!」などとタケシの真似で反応しつつ「ふたつ、不埒な悪行三昧。みっつ、三日月ハゲがある」と、適当な数え歌のような口上を続ける。その度に力士で合いの手を入れる鬼。なんだこれ。

最後は「よっつ、横ちょにハゲがある。いつつ、5人そろって……SAMURAI5!」とお面をとって「SAMURAI5」がスタート。間奏で「海岸線を走ってる時、あいつが言った……」とセリフを言うところでは、メンバーに対する阿部の無茶振りコーナーに。

まずは「高速のETCで引っかかってしまった。料金所の人はなんて言った?」とテッシーに問いかけ。「カードが違いますね!」と、何故かインチキ中国人のような高い声で返すテッシー。なるほどな、と納得しながら今度は「俺はちゃんとしたカードを取り出してなんて言った?」と民生に問いかけると「間違えた!」と、またしても力士声で返す民生。

うんうんと納得しながらEBIの横に移動すると「ふと後ろを見るとダンカンがいた。俺はダンカンを殴る蹴るしたんだ。ダンカンはなんて言った?」と、むちゃくちゃな展開の振り。訊かれたEBIは「え、ダンカン!?」と戸惑いつつ、さんざん悩んで諦めたのか「……痛い」と一言。

生暖かい笑い声が会場を包む中、最後は「結局俺はどうやって料金所を通ったんだ?」と川西さんに問いかけ。「土下座した!」という回答を受けて阿部がステージ前で土下座。そこで長い無茶ぶりコーナーも終わり、ようやく演奏に戻るかと思ったら「あ!ちょっとまて」と演奏が止まり、なにやらマイクスタンドをいじりだす阿部。何やってんだと思ったらスタンドが折れ、中から花が飛び出した。しょーもない!

違うんだ曲に戻るはずだったんだと仕切り直すと「あなたのスピード!」「やばくなーい!」とコール&レスポンスを繰り返し、最後にステージ左右に置かれたキャノン砲からキラキラの紙テープが吹き出して演奏再開。サビでは物販で売られてるフラッグをみんなで振ってたんだけど、上から見てたら会場中ヒラヒラしてて楽しい光景だったな。

そこで1回目のアンコールを終えると、2回目のアンコールでは「裸の太陽」を披露。演奏後は「ブタブタ」をBGMにメンバーみんながフラッグを振りながらステージの前を練り歩いてから退場。最後までメンバー同士遊んでる感じで、見てる方も最高に楽しかった。いやー、濃かったなぁ。

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