MIDO FES 2011 EAST

ミドリカワ書房による梅雨フェスも今年で3回目。もはや梅雨の風物詩。今回は遂に東京と大阪の2公演と規模を拡大し、入り口でもフェスらしく今までになかったリストバンド配布があったにもかかわらず、再入場は不可というあたりから、内容は相変わらずアホらしいということが伺える。

2011年6月11日(土)SHIBUYA-AX

AXのフロアには前回と同様、椅子が並べられての全席指定。のんびり見るのが梅雨フェススタイル。

今回の出演者は、伸として梅雨、緑心ブラザーズのYO-SING、Mid Children、ミ・ドリフターズ、浜田伸吾、谷村伸一、そしてミドリカワ書房と、まぁ要するにいつも通りミドリカワ書房。そして今回もクオリティーの高いふざけっぷりで楽しかったなぁ。

前回はガリガリガリクソンが前説を担当したけど、今回は滑舌不良でおなじみの芸人、諸見里大介が登場。公演中の注意事項を説明するものの、滑舌悪すぎてさっぱりわからんかった。本人曰く、居酒屋でおしぼり3つ頼んだらビールが3本来たという滑舌の悪さは伊達じゃない。

そんな滑舌の人に紹介されて登場した1組目は伸として梅雨。本家である「凛として時雨」の「nakano kill you」のインロトで幕を開けるも、そのリズムの乗って歌う歌はミドリカワ書房の「恋に生きる人 」。原曲がゆったりしたアレンジだけに、この落差がすごい。

ミドフェスはなんといってもこの、他の人の曲とミドシンの曲の融合するというアレンジが見所。融合するのは曲だけじゃなくて、ベースの人は本家の真似してロングヘアーのヅラ被ってるし、3ピースに見せるためにサポートのギタリストは黒子の格好をしている。まぁ最終的に黒子のほうが前に出て弾いてたけど。

2曲目の「続・それぞれに真実がある」は、イントロのギターリフとかそのまま使ってるのに時雨っぽくて、妙にマッチしてるのが面白かったな。確かにそういえばあの曲のギター、時雨の「ターボチャージャーON」に似てるわ(笑)

2曲を終えたところで伸として梅雨は退場。1組2曲で次々切替てくあっさり加減もミドフェスの脱力的魅力。

「タオルを2枚と言わず3枚…」などと、さりげなく物販を押してくる場内アナウンスが済むと、2組目の浜田伸吾が登場。もはやミドフェスレギュラー。毎回ここだけはミドリカワ書房とか関係なく、普通に浜省のカバーをやるコーナー。そう、ミドリカワ書房が好きでただやりたいだけコーナーだ。

浜省の代表曲である「MONEY」と、もう1曲(曲名わからないやつ)を披露。曲の最後に悪魔だったーと、「ドライブ」の一節をねじ込んでくる演出も、もはやお馴染みだ。

やりたいことやったあとは3組目、緑心(みどころ)ブラザーズのYO-SINGが登場。YO-KINGが着てそうな革ジャンの下には「YO-SING」と書かれたTシャツを着ている。力の入れどころを間違えている気がする。

「拝啓、ジョン・レノン」の演奏に合わせて歌うは「自信があるんです」。YO-KINGでこの歌というのが、ばっちりな選曲。さらに続けて披露した「サマーヌード」に合わせての「私の恋愛」も妙に合ってたな。

3組が終わったところで、舞台袖にはおなじみの茂木淳一さんが登場。ミドフェス恒例の公開生放送「茂木淳一のウィークエンドは生乾き」がスタート。前回同様、会場からきたメールを紹介したり、出演者から得た暴露ネタなんかを紹介したんだけど、今回は暴露ネタが弱くてイマイチだったな。茂木さんも不本意な感じで、今日の打ち上げで情報収集して大阪で披露するって言ってた。

4組目はMid Children。ミッドチルドレン。ネーミングはちと強引だけどアレンジは冴えてた。「シーソーゲーム」をベースにした「雄と雌の日々」と、「Tomorrow Never Knows」をベースにした「私には星が見える」の2曲。どちらもハマってたし、後半にミスチルの曲を挟みこんで歌ってたのもうまかった。

若さ故セックスばっかやって、挙句中絶して別れるカップルの事を歌った「雄と雌の日々」に、恋なんていわばエゴとエゴのシーソーゲームってのが絶妙だし、亡くなった彼のことを思い悲しみにくれる「私には星が見える」で果てしない闇の向こうに手を伸ばそうってのが、これまたいい。

茂木さんのコーナーでは、「(ミドシンが)だんだん桜井さんに見えてきた」という会場からの声に対して、茂木さんが「ミドライさん、ね」と訂正する場面も。そんな名前なのか(笑)

ちなみに、ミドライさんが爽やかな理由は「豆腐ばっか食ってるから」らしい。

5組目は東京公演のみ出演の谷村伸一。名曲「いい日旅立ち」のイントロが流れだすと始まったのは「保健室の先生」。まったく違う雰囲気の曲を合わせてきたなぁと思ったんだけど、後半に日本のどこかに私を待ってる人がいるって部分を差し込んできて、妙に納得してしまった。あぁこの曲で正解だわ、と。

続く2曲目は「サライ」。もう普通にサライ。「一緒に歌いましょう!」つって。谷村新司を取り上げるってことは、サライを使うだろうとは思ってたけど、まさか普通に歌うとは。普通にうたうだけかい!と思ったら、最後の最後で春なんか来なきゃいいのにーと「春よ来るな」を一節混ぜてフィニッシュ。さすが、ただでは終わらなかったな。桜吹雪のサライの空とか言ってたくせに、この締めくくりっぷりが素晴らしい。

またしても茂木さんのコーナーを挟んだあと「続いては全員集合」と紹介されて登場したのはミ・ドリフターズ。「ミ」って何だ、「ミ」って。

全員集合のハッピを着た“みどりや長介”が舞台に立ち、「7時30分だよ!」と、中途半端な時間の掛け声をかけると、「全員集合!」と答える会場の声と共にあの全員集合の曲が流れ、同じくハッピを着たバンドメンバーがフロア後方から走って登場。

「オイーッス!つって。じゃあいってみようか!」と勢いよく挨拶してから始まったのはドリフ大爆笑のテーマ曲。「ミド・ミド・ミドリフの大爆笑〜今日のテーマはなんだろな 力いっぱいぶつかるぞ」と、ドリフを合間のつなぎにしつつ「泊まっていけよ」「真っ赤な太陽」「チューをしよう」とメドレーを披露。

最後は「いい湯だな」で「歯磨けよ!宿題やれよ!アルバム買えよ!」と締めると、「だめだこりゃ!」と共に盆回りが流れて、メンバー全員逃げるように退散。茂木さん情報によると、本当はコントがやりたかったらしい。だから、それは力のいれる方向が違う。

ラストはミドリカワ書房の登場。ってか、ずっと登場してたんだけど。

「まずはこの曲から!」と「ミドシンを聴きながら」で幕を開けると、「前の出演者が全然曲やらないから沢山やらないと……」などと、前回も言ってた愚痴を挟みつつ、次々と曲を演奏。中盤では、初めて人に曲を作ってもらったという新曲「君は僕のものだった」も披露。切ないバラードで、本人曰く「居るんだ 2011」とのこと。確かにそんな感じだったな。ミドシンの曲とはちょっと違う感じの曲調で、新譜の仕上がりが気になるところ。

「バラードはおしまい!」と切り替えて、一気にスパート。「顔2005」「I am a mother」「さらばグッバイ」と立て続けに演奏してフィニッシュ。

アンコールでは「今日の出演者、実は全部わたしでしたー」という、どうでもいいネタばらしの後メンバー紹介。更には前説をやった諸見里と茂木さんも紹介。ミドシンは諸見里が来ることをメールで知らされ嘘だと思ってたと言ってたけど、当の諸見里はこの仕事を前日の夜7時に聞かされたんだと。しかも大阪から出てきて、この日のうちに帰るんだとか。さすが吉本。

相変わらずな茂木さんとのグダッとした絡みを終えると、アンコール1曲目はGOING UNDERGROUNDと作ったという新曲「また明日」。まさにGOINGって感じの曲調だったな。

最後は「笑って俺について来い」で終了。本人は、本当はミドフェスなんかじゃなくて普通のライブでAXワンマンやりたいなんていってたけど、このバカバカしさは続けてほしいなぁ。ネタ作るの大変だろうけど。

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