松田優作の没後20年として立ち上がったSoul Red Projectの一環として開催されたライブ。何本かあるうちの1本で、今回の出演者はLOSALIOSとSPEEDER-X。
この日はLOSALIOSは、中村達也、TOKIE、カトウタカシ、會田茂一、武田真治。さらに蔦谷好位置とスカパラの谷中敦も参加。そして東京公演4年半ぶりともなると、行かないと後悔するなってことで急遽行くことにしました。
2009年9月21日（月・祝）恵比寿 LIQUIDROOM
会場入りすると、谷中さんがDJとしてプレイ中。30分ほど回したところで、すっかり満員御礼になった会場のスクリーンに松田優作の映像が映し出されて、流れでSPEEDER-Xのステージに突入。SPEEDER-Xは達也さんとKENKENのリズム隊ユニット。今回はキーボードで森岡賢さんが参加するはずだったけど、開始3秒で暴れすぎでキーボード倒す。その後もキーボーボの台投げる。暴れる。キーボード床に投げつける。暴れる。倒れ込む。で、1曲終わる前にダウン。KENKENが「森岡さん飲み過ぎです」だって。結局そのまま最後まで2人でやってた。
でも音は凄まじかった。とても2人のステージとは思えない。達也さんは、この後LOSALIOSがあるのに大丈夫かと思ってしまうほどアクセル全開。前座ということで短かったけど、ノンブレーキで一気に駆け抜けて完全燃焼って感じ。かっこ良かった〜。とりあえず森岡さんは今日のギャラ返上した方がいいと思う。
セットチェンジの間、俳優の渋川清彦さんがDJとしてプレイ。これも30分くらいやった後、LOSALIOSが始まると思いきや松田美由紀さん登場。今回のプロジェクトについての話をした後、遂にLOSALIOS登場。まずは達也さん、トッキー、カトウさん、アイゴンの4人でプレイ。バックには優作さんの昔の映像がずっと映し出されてる。
松田優作って、小さい頃に見たときは何がいいのかさっぱり分からなかったけど、ここ数年、昔の映像とか見るとかっこいいって思うようになった。存在感が圧倒的だなって。
そんな圧倒的存在感があることもあって、今回のSoul Redプロジェクトでは「生きているのはお前か俺か」ってコピーが使われてるんだけど、数曲終わったとこで達也さんが息切らしながら「完全に生きてるな」って。疲れきってる様子の達也さんにカトウさんが「さっきのセッション凄かったからね」と声をかけると、それは言うなと言わんばかりに「さっきのことはもう……！」と激しく首を振っていた。何かあったんだろうか。単純に疲れてるからってことなのか。森岡さんのことなのか。
その後、蔦谷さんが参加して数曲やってから、LOSALIOSへの参加は久々の武田真治登場。この人、こんなうまいのに何でめちゃイケとか未だに出てるんだろうか。達也さんは「最近カトウタカシの発言権が大きくなってきて肩身の狭い思いをしてたから真治がきてくれて嬉しい」って言ってた。
そこからまた数曲やったあと、達也さん以外が退場して代わりにゲストボーカルとして竹中直人が登場。優作さんとの思い出を話したんだけど、いい話だったなぁ。優作さんのモノマネをテレビで始めてやったのは自分だとか、それから優作さんと仲良くなって可愛がってもらったこととか、一度は承諾した共演の話を断らなきゃならなくなって優作さんからの電話を無視し続けたこととか。
そのことがきっかけで、優作さんから最後に言われた言葉は「お前絶対許さねぇからな」だったんだって。竹中さん自身は笑っておどけてたけど、切なかった。
優作さんが大好きで大好きで、それだけでやってきたって言葉が印象的だった。優作さんって、本当に大きな人だったんだなって。
竹中さんが1曲披露して退場した後は、蔦谷さんを加えた5人編成のLOSALIOS。途中、谷中さんもサックス&語りで参加して1曲披露。アンコールでは谷中さんに武田真治とKENKENも加わってセッション。KENKENは楽器持たずに、首振って踊りまくってた。
最後は全部出し切るぞって感じで、特に達也さんは凄い演奏だった。最後はメンバー全員出てきて達也さんが紹介。実は今回、ライブ・フォト・シューティングってことで、永瀬正敏がカメラマンとしてずっと撮影してたんだけど、このとき初めて見た。
メンバーが去ったステージに美由紀さんだけ残って話してたんだけど、今回の主役ということで達也さんが再び呼び込まれて一言。これで終わりと思ったら、美由紀さんがちゃっかり「もう1曲聞きたいよね」って。すべて出し切って疲れきってる人を目の前にして鬼の一言です。
それでも盛り上がる客を前に断る訳にもいかず、みんな出てきてもう1曲。ステージ終えて疲れてるのが嘘なくらいパワフルな演奏でした。森岡さんも復活して、KENKENに負けじと踊りまくってた。でも今日のギャラは返上した方がいいと思う。
美由紀さんが「今日はヤバいもの見ちゃったって感じだね」って言ってたけど、まさにそんな感じの最高なライブでした。