SUMMER SONIC 05

2005年8月13日(土)9:30 幕張メッセ

去年より1時間早い到着。今回はメッセの外にオフィシャルグッズの物販ができたんだけど、そこは既に行列。もともとグッズは2日目に買うつもりだったんだけど、タオルを忘れたので買うかどうか迷ったあげく、結局その列を無視して会場入り。リストバンドが明らかに去年よりショボくなってるけど、大丈夫だろうか?

出演アーティストの物販は会場内にあるんだけど、そこも案の定アホみたいな行列。とりあえずロッカーを確保して荷物を預けると会場を散策。一通り歩いてみた後、マウンテンステージへ。メッセ内に4つあるステージのうち、2ホール使用した最大のステージだけど、隅の方にちょこっとステージがあるだけだから、やけに小さい。客がたくさん入れるようにってことだろうか。それはいいとしても、反対側の隅にある数台のUFOキャッチャーやレースゲームには、全く必要性を感じない。一体何を考えてるのか。

マウンテンの客入りは上々。初日1発目にしては、かなり入ってる方じゃないでしょうか。1発目なんで、ひとまず大人しく見てるつもりだったけど、人の波に後押しされるように、ついつい前へ。攻めるかどうか迷ってるうちにTHE SABWAYS登場。平均年齢19歳。UKの新人3ピースバンド。紅一点のベースの子のミニから伸びる美脚に見とれつつスタート。

いいですね。勢いあって。オープニングにふさわしい感じ。ベースの子は特別美人という訳でもないけど、髪の毛振り乱しながら演奏する様がとってもキュート。客も朝っぱらからペットボトルが飛び交いダイブしまくり。気がつくとわたしも最前線。

いきなり飛ばし過ぎると持たないと思って途中退場したけど、Tシャツは既に汗で変色していた。

12:00 マリーンステージ

この日の空は、太陽が張り切ってるものの薄く雲が掛かって、強烈な日光が苦手なわたしには最適の野外日和。バックネット左側のスタンド席に腰を下ろすと、買ったばかりのペットボトルの水を半分ほど頭から被る。途中、人の少なくなった物販に寄ってみたけど案の定タオルは売り切れてたので、代わりに脱いだTシャツを頭に掛け陽を避ける。

席について2分もしないうちにROOSTER登場。UKの新人バンドだけど、UKというよりもアメリカのスタジアムロック的雰囲気を持ってる。事実スタジアムが似合っていた。演奏も本格的で新人バンドとは思えない、いいステージでした。

13:20 アーバンステージ

メッセへ戻って、まずは腹ごしらえ。濃厚黒とんこつラーメンを食す。非常においしかったのだんだけど、店のおっちゃんがガラガラの声で「あ~、声でなくなってきた」って。初日の前半なのに……。

食後の休憩がてら、アーバンステージのAIをまったりと聴く。いい。ソウルフルでいい声してる。もっと聴いていたかったけど、早めに行かないと入場規制がかかるかもしれないのでアイランドステージへ。移動の途中すれ違った兄ちゃんが、一軒の屋台を指差しながら一緒にいる友人に力強く宣言していた。

「俺これゼッテー食うぜ! そのうち」

何その宣言。

13:50 アイランドステージ

メッセ内で一番小さいステージであるアイランドステージは、ZAZEN BOYSの登場を前にして、開始30分前だというのに人であふれていた。客の入れ替わりで混雑してるのかと思ったら、99%が中に入ろうとする人。明らかにキャパオーバー。やばいなと思いつつ、流れに乗って中へ。

中は既に鮨詰め状態。流れに乗って少しずつ動くことしか出来ない。時折訪れる押しの波に、これは無理だろと思いだした頃、奥の方で柵が倒れる音が。それでも押しの波が収まることなく、このままではケガ人が出てもおかしくない。完全に運営側のミスだ。混雑した時の対応が、何一つ決められていないのではないか。そもそも、ZAZEN BOYSをこんな小さいステージにブッキングしてることが間違いだ。どうもサマソニってとこは、全体的に見た目を優先して機能的にデザインされていない部分が多い気がする。

混雑が解消され次第開始しますので暫くお待ちくださいというアナウンスがあったけど、いつまでたっても解消される気配はない。出ようにも出れないくらいの混雑の中、隣の男性が出ますと言って動き出した。これじゃ埒があかないと思ったので、それに続いて出ることにした。

外に出て波が収まらない理由が分かった。中と同じくらいの人数が外に殺到している。おそらく本来のキャパの3倍以上の人が集まってしまっている状態だろう。にも関わらず全く整理がされていない。俺が主催者なら中止するなと思いつつ、アイランドステージに見切りを付け、急遽スタジアムに逆戻り。

14:15 マリーンステージ

さっきと同じような場所に腰を下ろして、さっきと同じようなスタイルでBUCKCHERRYを観賞。はじめからこっち来とけば良かった。カッコいい! アルバム2枚を発表し、3年前に突如解散したバンドだけど今回再結成。しかも、再結成後BUCKCHERRYの名義でライブするのは今回が初というとで、ここにいる人は世界初の新生BUCKCHERRYの目撃者となるわけだ。最後は1stアルバムの一曲目「Lit Up」を演奏。全員で「I love the cocaine.(コカイン大好き)」と合唱し、ギターを破壊して、まさにアメリカンなステージ終了。

ここで登場したマリンステージのMCサッシャの話によると、アイランドステージは、まだ中断中とのこと。早めに見切りを付けて正解だった。それにしても運営側は一体何をしてるのか。何年目だ。学習しろ。

続いてはTHE MAD CAPSULE MARKETS。野外でMADを聴くのは初めてだったけど、あの轟音が空に突き抜けていくのは実に気持ちがいい。暫くその気持ちよさに身を委ねた後、スタジアムを出て浜辺に設置されたビーチステージへ。

演奏してるのは、ビースティーボーイズ第4のメンバーとも言われるMONEY MARK。心地よいノリの音楽が浜に波を運んでいる。ゆっくり聴こうと砂浜の上に腰を下ろしてすぐ、スクービードゥーのコヤマシュウとMOBYを発見。去年はビーチステージに出演していた彼らだけど、今回は出演予定は無いのでプライベートで遊びにきてるんだろう。握手でもしてもらおうかと思ったけど、2人があまりに仲良さそうに歩いてるので邪魔しちゃ悪いなと、2人の背中をひっそりと見送った。

16:40 マリーンステージ

マリンステージに、遂にDEEP PURPLE登場。まだやってるの? と思う人もいるかもしれないけど、やってるんです。メンバーチェンジを繰り返しながら活動中とのこと。今回のメンバーは、イアン・ギラン、イアン・ペイス・ロジャー・グローヴァー、スティヴ・モーズ、ドン・エイリー。ディープパープルといえばやっぱり、ハードロック界の人間国宝とまで言われるリッチー・ブラックモアだけど、とっくに脱退してるので残念ながら姿は無い。とはいえイアン・ギランがいるのでとりあえず良しとしようかと。

バンドの演奏にのせてイアン・ギラン登場。シャウトした瞬間、思わず「おぉ!」と声を上げてしまった。本物だ。本物のロックレジェンドだ。そのままハイウェイスター突入。沸き上がるオーディエンス。正直、声量は全盛期に比べたら衰えているんだろうな~という感じはしたけど、ハイトーンでギターとの掛け合いをする所なんかはシビれた。

途中のキーボードソロでは、なぜか上を向いて歩こうと、スターウォーズのテーマを演奏。上を向いて歩こうは日本向けのサービスとしても、スターウォーズ関係ねぇじゃん! ってか、2曲とも前に座ってる外人の方が喜んでるし。

最後は「スモークオンザウォーター」「ブラックナイト」と、誰もが知ってる超有名ナンバー連発で締め。伝説健在でありました。

続いては、是非一度見てみたいと思っていたSLIPKNOT。物々しいBGMが流れる中、奇怪なマスク集団登場。初っぱなからギアが壊れたかのようにフルスロットルでぶっ飛ばす。一見無秩序とも思えるほどのパワーだけど、確実に練り上げられた音楽はまさに圧巻。この音圧はメンバーが9人いるからではなく、おそらく彼らが温存という言葉を知らないからだろう。

だがその一端では「イチ!ニッ!サン!」とカウントしたり、「日本サイコー!」や「手ヲ上ゲロ!」とサービス精神旺盛な面も。凶悪なマスクをかぶって破壊的音楽をまき散らしてはいるけど、確実にいい人だ。

半分ほど見たところで、スタジアムを出てメッセへ。

18:50 ソニックステージ

ソニックステージに、UKロックのボス猿こと元The Stone Rosesのボーカリスト、イアン・ブラウン登場。上下ピンクのジャージが変にダボついてダサイ! 何だこれは、休日のお父さんじゃないか! マイクに向かうと、おもむろに一言。

「元気デスケ~」

ダサイ! ダサイぞ、イアン! しかし、曲が始まるとそれも吹き飛ぶ。「I Wanna Be Adored」。いきなりストーンローゼス時代の曲に歓喜するファン。リズムに合わせ、がに股で足踏みしながら微妙なダンスを披露するイアン。やっぱダサイ! そして、どう考えても歌が下手! 曲が終わると、自ら拍手しながら一言。

「アリゲトー。元気デスケ?」

違う意味で客がうけていることに、彼はまだ気づいていない。途中の「元気デスケー。キケネーゾ。元気デスケー。」というのは、おそらく「聞こえねーぞー!」と言って煽るつもりだったんだろうが、こっちはあんたの日本語が聞こえないのだ。結局ストーンローゼス時代の曲は5曲ほどやったけど、私が聴きたかったのはやらずじまい。

終了後、ステージからなかなか降りないイアンは、フラフラとあっちに行ったりこっち来たりしながら、合間合間に「アリゲトー」を挟んだり奇怪な動きをしたり。一体何がしたいのか理解できない。これが天才の行動なのか。最後の最後にマイクに向い放った言葉は「イチ、ニ、サン、シ、…ゴッ!」。数えただけかい!

色んな意味で楽しませてもらったけど、とても締めの気分にならないので、急遽NINE INCH NAILSを見るために、スタジアムへ移動。

19:50 マリーンステージ

スタジアムの中は、アリーナはおろか、一階スタンド席すらいっぱいになっていて、中を見るには最上段まで上らなきゃいけない状態。この時点でメッセからスタジアムまでくること自体想定外なのに、最上段まで階段で上がるのは軽い拷問だ。中が見えるとこまで辿り着いたときには、体力を著しく消耗してしまっていた。もはやNINE INCH NAILSを楽しむ余裕もなく、3曲ほど聴いたところで飯を食うために外へ。

屋台でタコライスを注文。キャベツがたっぷり乗ったのを期待して頼んだんだけど、ボウルの中には雀の涙ほどしかキャベツが無く、ほんのひとつまみしか乗せてもらえなかった。おいしい天然のすっきりバナナジュースで、何とかテンションを保ちつつメッセへと、とぼとぼと戻る。

去年同様、今年もメッセが朝まで解放されるということで、ここで一晩過ごすことに。人口芝の敷かれた休憩スペースに行くと、去年同様トイレ近くに陣取り、さっさと就寝した。

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