2006年10月14日（土）甲府 KAZOO HALL
the court初のワンマン。彼らのライブは、O-frontからthe courtに変わってから初めて。何度も行ってるライブハウスの方も、結構前に移転して以来初めてだ。
到着したとき開場時間は過ぎていたが、中に入って待つのもしんどいので、チケットを買ったあと外のベンチで心地いい風に打たれながら待つことに。開演時間が近づくと、外で待っていた人たちが一気に並びだして行列ができたので、落ちつくまで待っていると、後ろから来た20代中盤くらいの男2人が、「結構人いるね」などと話しながら隣りに腰掛けた。
てっきり、今日のライブ目当てだと思ったら、腰掛けるなり俺に今日誰が出るんですかと聞いて来た。説明すると、ワンマンなのにこれだけ集まるの凄いね～などと言いながら、入るかどうか相談し始めた。髭を生やしたりして見た目はちょっと強面だけど、喋り方が気弱でいい人って感じ。一体どっちのキャラで行くつもりなんだろうか。基本的に弱そうだから、せめて髭でも生やしてみようということなのか。
その後も、チケットいくらだとか、どんな感じのバンドだとかを、申し訳なさそうに聞いてくる。それにしても誰が出るかも知らすにライブハウスに来るなんて生粋のライブ好きである。これだけでいい人なのが分かる。最初にthe courtと言った時には分からなかったのに、元O-frontと言ったら分かった辺りがさすがだ。
ある程度人もはけたので中に入ると、ちょうど始まるところだった。人は結構入っている。大きさは移転前と程同じだが、以前はフロア内にあったトイレが、フロアを出たところにあるので利便性は上がっている気がする。
ライブは久々に見るということもあり、初めて聴く曲ばかり。相変わらずいい声だ。演奏は流石にうまくなっている。新メンバーのベースも合っていて、以前よりも安心して聴いていられる感じ。挨拶程度の軽いMCを挟んで、一気に8曲を演奏したところで、初めてのワンマンでいつもより長いということで、ここからが未知の世界ですと気合いを入れ直す。
そこから2,3曲やったところで、今度はいつもより長いので、いつもと違うことをやろうと思いますと言うことでアコギを持ち出す。え～っとですねぇと、何故アコギでやろうと思ったかというような話をするのかと思いきや、これはマーチンというメーカーの…などと、何故か機材の説明を開始。このボーカル鴇崎の天然っぽいとぼけたキャラも魅力のひとつ。
最近日本でもハロウィンが盛り上がり始めたのは何故だと、強引な前振りを経て、弾き語りでハロウィンという短い曲を演奏。ギターとボーカルのみというシンプルな音を聴いて、改めていい声だなぁと感動する。
その後、「君へ」のアコギバージョンを演奏。終わったあと鴇崎が「いやー楽しいね。これ自己満じゃないよね。ま、自己満でもいいけど。」と言うと、ドラム田野口に「この自己満のために、そのギター買ったんでしょ」と突っ込まれる。さらに、ギター買う時に試奏でものまねしまくってたという話をされると、急に鴇崎がテンション上がりだし、田野口の話を遮って、バンドやってて楽器屋でバイトしてる後輩が実は堀内孝雄の息子だったと言う話を始める。
確かに聞いた時は、おぉ！と思う内容だったが、実は堀内孝雄の息子だったということ以外にエピソードがないので、聞き終わってから何かふわふわした感じになる。そのふわふわした感じをどうにかするためか、田野口の振りで鴇崎のものまねコーナースタート。
小田和正、徳永英明、平井堅。さらにクマのプーさん、ドナルドダッグ。果ては客に振られた河村隆一まで、えぇ！マジで！などといいながら全部やる。実はやりたかったんだと、かなり楽しそう。しかも、そこそこ似ている。普段からやってる感じ丸出しである。
ものまねが終わると、カバーを1曲やってアコギパート終了。その後は、軽い告知を挟んで最後まで一気に突っ走って本編終了。
アンコールでは、ベースの保坂が一人で出て来て喋り始める。「えー、もうしわけ……もう少しだけ……ここに……いたいです」
日本語憶えたてか。その様子を後ろから楽しそうにメンバーが覗いていたが、耐えかねたように出てきたメンバーに突かれると、ちょ待って話すから話すからと、先日レトルトのカレーを食べようとしてこぼしてしまったという話を始める。
ここ一番の鉄板話かと思いきや、「んで、こぼれたカレーが腕にかかった……という話です」という、想定外のあっけない幕切れに、客全員が「え、終わり！？」と思っているところに、それで大火傷ですよと鴇崎がフォロー。そう、そうなんですと、ライトアップされた中で腕を見せると、引くぐらい腕の腹が一面赤黒くなっていた。
さらに想定外のビジュアルに、どよめくフロア。「あ、ということで初MCでした」と締めて、客の反応に良し！ とガッツポーズ。あれだけの火傷をしていて、何が良しなのか。
アンコール一発目はでは、O-front時代のシングル「さよなら」のカップリング「I feel yuo’ll never come again」。アレンジが、前からこうすりゃいいのにって個人的に思ってた感じに変わってて、いい感じ。最後は「さよなら」でフィニッシュ。
Tシャツのデザインはいまいちだったけど、折角なので1枚購入。新曲からお馴染みの曲まで、たっぷり堪能できて満足でありました。