2007 ロックンロール・ジプシーツアー

ま、いつものようにライブなわけですけど、今回はライブハウスではなくカレー屋です。ハーパーズ・ミル。カレーと珈琲の店なんだけど、店長の坂田さんが音楽やる方でライブもやるというお店。

2007年7月29日(日)

この日の出演は、その坂田さん率いる坂田ひさしwith CASANOVA NOTE三宅伸治

webで調べたら、ハーパーズ・ミルのサイトだと6時半開場の7時開演って書いてあったけど、三宅伸治のサイトには7時開場の7時半開演と書いてあったので、とりあえず7時に着くようにした。初めて行くので迷う事も考慮して、ちょっとだけ早めに家を出た結果、見事に店の前を2回前を通り過ぎた後、大体時間通りに到着。ハーパーズ・ミルは、山小屋風の洒落た喫茶店って感じの店で、車を降りたとたんに、独特な香辛料の香りがしてきた。

店の中から演奏が聞こえてきたので、もうやってるのかと思い入ってみると、左奥のスペースで坂田さん(と思わしき男性)が演奏中だったけど、どうやらリハっぽい雰囲気。ライブハウスとは違う初めての環境にどうしたものかと戸惑ってると、キッチンにいた奥さん(と思わしき女性)が、今リハーサル中だからもう少し待ってと教えてくれた。

ライブをやると言っても専用のステージがある訳ではなく、外にテーブルを出してスペースを作り、半分椅子を並べただけの場所。広さは6畳程度で、目一杯入れても30人座るのがやっとくらい。

とりあえず座って待たせてもらおうかと思いステージとは逆の右奥の席に行こうとしたら、その奥に三宅さんが座ってるではないですか。ここが楽屋代わりか。となると、さすがにここには座りずらいので、外に出て車の中で待つことに。

準備が整ったところで店内に入ってチャージ代を払いドリンクを注文。独特な雰囲気で、軽く他所者感を味わいつつ所在ないまま座ってキンキンに冷えたアイスコーヒーを飲む。飲み終わる頃にはその雰囲気にも慣れてきたので、グラスを返すとど真ん中の席について待つ。パラパラとお客さんも来だし、10人くらい来たとこで店内が暗転して坂田さんのステージが始まった。

三宅伸治目当てで来た訳だけど、こちらも凄く良かった。坂田さんの歌声は、聴いてて凄く落ちつく。髭を生やして眼鏡掛けて、まさに喫茶店のマスターって感じなんだけど、良い顔して歌うんだ、これが。最後にやった、3年ぶりくらいに出来た曲だっていう曲が良かったです。君がいなくなる前に伝えたいことがある、ってやつ。

坂田ひさしwith CASANOVA NOTEは、30分くらいやって終了。すぐ次のセッティングに入る。てっきり2人か3人でやるのかと思ってたんだけど、セッティングを見てると三宅伸治1人のらしい。

ちゃちゃっとセッティングが終わり、ボブ・ディランの「Forever Young」に乗って三宅伸治登場。前に2列席があるけど、そこには誰も座ってないので、私の正面2mほどのところに三宅さんが立ってる状態。何この信じがたい距離感。店内はスタッフの方含めても20人いないんじゃないだろうか。これだけの人のためにやってくれるわけですよ。贅沢…。

実際、ライブは最高でしたね。とにかくカッコいいし、正面の近いとこに居るもんだから、たまに自分の中でマンツーマンな感じになる瞬間があって、何度も思わずニヤついてしまいました。

途中のMCでは、実は昔山梨大学を受験して、受かったけど違う学校に行ったということを告白。山梨大学にはワイン作りを教えるとこがあるんだけど、そこを受けたんだって。そういう仕事に憧れてたんでしょかね。山梨大学受けてたってことも、ワイン作りに興味あったってことも意外でした。ま、いずれにしろ、こんなイカしたステージ見てたら、この人はワイン作る人じゃなくて音楽をやる人だってことは疑う余地がないですけどね。

最後はぶっ飛ばしていくぜと、ロックンロールをぶちかます。「ベートーベンをぶっとばせ」では、ギターを背中に回し演奏。その姿が何ともロックでイカしてる。誰がやってもカッコいいものじゃないですよ。これは。

アンコールでは懲りずにぶっ飛ばしていきますと、「月がかっこいい」ともう1曲をぶっ飛ばす。この「月がかっこいい」って曲は、初めて聴いた時から痺れてしまってる。いままで月を表現する言葉はいろいろ聞いたけど、「月がかっこいい」というのは初めて聞いたし、月にこれ以上ぴったりな言葉はないと思う。曲もかっこいいし、もう最高。

2曲終わったところで一旦ギターを下ろそうとするが、すぐさまストラップを掛け直して「え~、もうちょっとだけやります」と、ちょっと照れながら笑ってた。段取り間違えたんだろうか。MCで、友部正人さんと一緒にやった時の彼の失敗談を話してたけど、自分もあんま変わらなかったりして。

最後はしっとりと「何にもなかった日」を歌い上げて終了。BGMで、今度は三宅伸治の曲である「Forever Young」が流れる中、いつまでも深々と頭を下げつづける姿がカッコ良かった。頭を下げるのはこっちの方だと思いつつ、ありがとうの気持ちを出来る限り込めた拍手を送った。

もう、最高の一言。是非また来て欲しいです。

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