怒髪天〜オトナマイト・ダンディー・ツアー2010 NEOダンディズム

2010年7月4日(日)新木場 STUDIO COAST

怒髪天のレコ発ツアー。少し遅めに到着すると、入口でアホな写真が入った怒髪天団扇を貰って入場。フロアは既に一杯で暑苦しい感じだったけど、団扇で扇いでる人が沢山いたので、何にもしなくてもいろんなとこから風が吹いてきて心地よかった。

開演時間が迫ると、勝手に盛り上がり始める観客。それに急かされるようにしてほぼ時間通り開演。怒髪天のライブなんだから言うまでもないくらいだけど、楽しかっし、感動させてもらった。

1曲目の「ヤケっぱち数え歌」から、一気に盛り上がってくフロアに「お前ら、人を乗せる天才!死んじゃうよ。後ろの人(坂さん)が」と増子さん。

中盤には「レディースエンジェントルメン!ウィーアー怒髪天!」と、勢い良く坂さんMCコーナーがスタート。実際には沖縄のライブが残ってるんだけど、本人曰く「上は北から下は南まで」全国を回ってきたツアーの実質的なラストという事で気合いが入ってるとのこと。ちなみに増子さん曰く、この旅で坂さんが5kg太ったらしい。

増子さんは今回のツアーで学んだ事として、2日連続の2日目は調子いいけど、筋肉痛が翌々日に来るから間が空くと返ってしんどいことだと。そこでエンジン掛けるために昨日走り込んだら腿パンパンでビックリだって。

坂さんMCの最後に「ギター上原子 Get it on!」とバトンを渡されると、パルプ・フィクションの曲としても有名な「ミザルー」を披露。インストだけど増子さんも休む事無くステージ上を駆け巡る。更に榊原郁恵の「夏のお嬢さん」のカバーから、新曲「真夏のキリギリス」と夏モード全開になったあとは、「酒燃料爆進曲」「オトナノススメ」と一気に駆け抜け「我が逃走」で本編終了。

なかなか揃わないアンコール要求の手拍子が暫く続いたあと、メンバー再び登場。「シミさん何か喋ってー!」と何故かシミさんに客の声が集中する中、「星に願いを」で静かにアンコールスタート。

「喰うために働いて 生きるために唄え!」「NO MUSIC, NO LIFE.」と続けて盛り上がった後は、最後に感謝を伝えるために最高にバカな曲をやると「セバ・ナ・セバーナ」でアンコール終了。

またしても何故かいまいち元気がない手拍子のあと、2回目のアンコールでメンバー登場すると、ひとりずつ挨拶。

こんなに人が集まって「正直ビビっています!」と坂さん。客からのかっこいい!の声に、嘘をつくな!と怒鳴りながらも、続けていられるのはみんなのおかげだと感謝を述べるシミさん。野音の時は寒くて指が動かなかったけど今日は指がよく動くと、何故か「指が動く」を連呼する王子。

最後に登場した増子さんは、疲れきった体で「もうブーツも重いんだよ」と裸足で登場。「バンドなんて良い時もあれば悪い時もある。俺たちはずっと悪いのに気づかずやってきたんだけど」と笑いを誘いつつも、「でもな、その日のことを思い出したら辛いことがあっても頑張れるっていう日があんだ。今日がそれだ」と熱くなる一言。

1対100でも1対10000でもなくて、1対1で伝えるための方法を考えてたんだという増子さんは、「俺らが持ってるもん全部届けっから持って帰れ。そんで明日からちょっとずつ減ってくから、また来い」と、またしても胸が熱くなる言葉を投げかけたあと、突然お前らの名前は何て言うんだとフロアに問いかけた。

少し戸惑う観客に、聞こえねぇぞと煽りを入れる。それに会場のみんなが各々の名前を叫び答えると「俺らは怒髪天だ」と返し、「全部持ってけ!」と「ド真ん中節」を熱唱。名前を叫んだ瞬間、1対1になれた気がした。そしてまるで身を削り最後の一滴まで絞り出すような熱唱。怒髪天が届けようとした物は、間違いなく1対1で観客に届いたと思う。

演奏が終わり、メンバーがステージを去った後も、センターでうずくまる増子さん。始まる前、今にも降り出しそうだった空模様だったのを受けて増子さんは「帰りやばいな。まぁどうせ帰りはビショ濡れだからいいか!」と言ってたけど、まさに汗でビショビショになってフラフラしながらステージを去っていった。

なかなか拍手が鳴り止まないフロアを出ると、さっきまで雨が降っていた形跡が。湿気を含んだ空気がまとわりついて蒸し暑かったけど、心はやけに爽やかだった。

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