ミドフェス2010

ミドリカワ書房主催によるフェス。フェスっていうくらいだからいろんな人が出るんだけど、出演は9min Midorikawa Bullet、MidXILE、LUNA SHIN、緑上陽水、浜田伸吾、ミ・ドンシン(from 当方伸一)、そしてミドリカワ書房。

要するに全部ミドリカワ書房。ワンマンライブです。この時点で察しが付く通り、ネタ満載で非常に面白かった。

会場はSHIBUYA-AXにも関わらず全席指定。あそこに椅子がずらっと並んでるのは何だか不思議な感じだったなぁ。

2010年6月27日(日)SHIBUYA-AX

まずは前説として、なぜか(シークレットで)ガリガリガリクソンが登場。新ギャグやったりヘソでペットボトルのフタ開けたりして会場を盛り上げたあと、フェスなので水分補給はこまめにすることや、モッシュ・ダイブは禁止という余計な注意事項を強調したうえで、1発目の9min Midorikawa Bullet、(通称9ミド)が呼び込まれた。

9min Midorikawa Bullet

本家9mmの出囃子にのって、卓郎ばりのモジャモジャヘアのヅラを被ったミドシン登場。1曲目は「君と今夜こそ」だったんだけど、本家9mmばりの激しい演奏に「Living Dying Message」のリフまで盛り込んで、2つの曲が見事に融合してた。

さらに続いては9mmの「The World」を彷彿とさせるドラムに乗せて「上京十年目、神にすがる」を披露。ただコスプレするだけじゃなくて、しっかり本家のテイストを入れてくる変幻自在ぶりが凄い。

9ミドは2曲で退場。始まる前は吉川晃司とかASUKAとかミドシンらしいBGMが流れてたのに、9ミド終わりで流れ始めたのは何故かBON JOVI。ロックフェスっぽい感じを出すためだろうか。こういう細かいとこが、いちいち面白い。

場内アナウンスでステージ転換の間お待ち下さいなんて言ってたけど、毎回メンバー同じなんだからセットチェンジなんて必要ないだろ。裏でメンバー着替えてるだけだ。

浜田伸吾

BGMのBON JOVIが2曲終わる頃、2年連続の出場となる浜田伸吾が登場。自他共に認める浜省の大ファンであるミドシンンは、まず浜省の「悲しみは雪のように」を熱唱。

もはや自分の曲ですらないじゃないか!と思ってたら、最後の最後に「悪魔だった〜」と自分の曲「ドライブ」の一節をねじ込むという荒技で一瞬にしてミドシンワールドへ。

「今夜みんなに訊きたい事がある。ロックンロールは好きかい!?」と、浜省になりきって客を煽ると、浜省の「I am a Father」に影響されて作ったという自らの曲「I am a Mother」を熱唱し、早々に退場した。どうも1人2曲ペースらしい。

浜伸のステージが終わったところで、ステージ下手にレジデントDJの茂木淳一さんが登場。レジデントDJといっても、こちらはラジオのDJということで、始まったのは「茂木淳一のどしゃぶりサンデー」。

お客さんのお便りを紹介すると言って、あらかじめ用意してあったものを読んだんだけど、今この場でも受け付けるとメールアドレスを紹介。手には「この電化製品で受信しますからね」iPadを持っている。普通ライブでは携帯切れって言うもんだけど、「みなさんも是非携帯の電源入れてメールをお寄せください」だって。どうもマジで募集してるみたい。

本物のラジオさながら、ここで1曲とサンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」をかけて、この曲がヒットした2005年当時のミドシンの様子を紹介するなんて一幕も。いちいち芸が込んでる。

LUNA SHIN

続いては伝説のバンドが復活ということで、LUNA SHINが登場。胸元がザックリ空いた白いシャツを着て、ナルシストな雰囲気全開で始まったのは、「ROSIER」風にアレンジされた「OH!Gメン」。最後には「Gメン 愛した君には〜 Gメン 近づけない〜」と替え歌まで披露。

続いて、同じくLUNA SEAっぽい雰囲気でアレンジされた「馬鹿姉妹」を歌うとさっさと退場し、茂木さんコーナに突入。

リスナーからの就活に悩んでるというお便りを紹介した流れから、メンバーの子供の頃なりたかった職業を紹介。プロレスラーやら手品師やら、内容は大したことないんだけど、茂木さんの語り口で大いに笑わせてもらった。やっぱプロはスゲー。

ミ・ドンシン(from 当方伸一)

続いて登場したのは、韓国のスーパーグループ当方伸一よりミ・ドンシン。冬のソナタのテーマ曲のようなメロディーに乗せて「遺言 ~日本以外全部沈没のテーマ~」を歌いあげる。身振り手振りも本当に韓国スターっぽくて笑えた。

1曲歌い終えると舞台袖から女性通訳が登場し、ミ・ドンシンは目の前の譜面台をチラチラ見ながら韓国語で話し始めた。

「今歌ったのはミドリカワ書房さんのヒット曲で、韓国のランキングでは常に3位以内に入ってる」などと言った後、ミドリカワ書房がミ・ドンシンのために作ったという新曲「トライアングルブルー」を披露。これはマジ新曲のようで、友人の彼女に惚れてしまった男の歌で、本当に韓国スターが歌ってそうな感じの曲だった。

3度目の「茂木淳一のどしゃぶりサンデー」では、渋谷タレコミ寺というコーナーが始まり、ミドシンに関するメンバーからのたれ込みが紹介された。

普段は用もないのに電話なんか絶対しないのに、酔うと寂しいのか、夜中にも関わらずいろんな人に電話かけまくっては「うるせー!っつて」とか「早く寝ろ!っつて」とか言って一方的に切るらしい。

このミドシンの「つって」っていう口癖、何か真似したくなるんだよなぁ。癖になる。

緑上陽水

モジャモジャ頭で不適な笑みを浮かべて登場した緑上陽水は、「リバーサイドホテル」のようなアレンジで「保健室の先生」を歌うと、最後はそのまま自然な流れで普通にリバーサイドホテルのサビを歌い上げた。

お約束とも言える「お元気ですか」のフレーズも飛び出しつつ続けて「SAVA」を歌った後は、「少年時代」のような伴奏に乗せて「私には星が見える」を切なく歌い上げると、さりげなく少年時代のメロディーをハミングして終了。この曲の融合ってやつが、どの曲もいちいちしっくり来てて面白いし、感心してしまう。

「茂木淳一のどしゃぶりサンデー」では、色気がなくて困ってるというリスナーからのお便りから、メンバーが異性に色気を感じるところを紹介。ミドシンの「とにかく露出しとけばいいんだっつって」という意見を筆頭に「鎖骨と胸の間」「白いシャツ」「脇汗」など、いろんなものが寄せられた。

また、「ミ・ドンシンさんはまるでカタカナで書いた韓国語よ読んでるように流暢でした」などと、会場から届いたというメールも紹介された。

MidXILE

茂木さんが喋ってる間に、ステージにはMidXILEが縦1列になってスタンバイ。あの「Choo Choo Train」のダンスから始まり、5人のダンサーを率いて披露した曲は、リストラされた父親のことを歌った「父帰る」。このギャップが凄い。

しばらくすると会場から笑い声が漏れ始めた。よく見るとダンサー5人の中で、1人だけ明らかに踊れてないやつが居る。みんなに付いてくのが必死という感じで、サビでは遂に勝手に別の踊りを始める始末。挙げ句にはボーカルを押しのけてステージの中央に立ち、主役と化したこの男。実はキャプテンストライダムの永友聖也である。

歌い終えた後は、「俺だってミドフェス出たかったんだよ〜」「お前、去年オファー断ったじゃないか!」というミドシンとのミニコントをして、失笑に近い笑いを取ってから退場。直後、茂木さんには「永友さんは仕事選ばないんですかね?」と突っ込まれてた。

ちなみにミドシンと永友は大の仲良しらしいんだけど、その理由は特になく、フィーリングということらしい。そこで茂木さんに「結婚しちゃえばいいのに」とされに突っ込まれてた。

すっかりお馴染みになった「茂木淳一のどしゃぶりサンデー」は、またしてもタレコミコーナー。ここでミドシンのマネージャーさんから、ちょっと良い話たれ込みが紹介された。

大阪でのライブ当日、奥さんが産気づいたという知らせを受けたマネージャーさんは、ミドシンもライブの準備も放ったらかして東京への新幹線に飛び乗った。そんなマネージャーのため、ミドシンは急遽セットリストを変更し「I am a Mother」を演奏。それをスタッフが携帯電話で新幹線に乗るマネージャーさんに聴かせたのだと。

マネージャーさんは嬉しくて号泣。子供も無事に生まれめでたしめでたし、のはずだったんだけど、その時着てた服がミドシンのTシャツで、胸に書いてある文字が「働かずに生きていきたい ミドリカワ書房」というもの。それを見た看護婦さんに「旦那さん大丈夫ですか?」と凄い目つきで心配されたという。

そりゃ心配されるわ。

ミドリカワ書房

いよいよトリのミドリカワ書房が登場。まずはお馴染みのナレーションで、今までの出演者が酷すぎたとこき下ろし、暴動寸前の客に負けないように自分激励ソングを歌った、と「自信があるんです」からスタート。顔にしか自信が無いと言い切るこの歌を歌った後は、顔に自信が無い女の子の歌「顔2005」。ミドシンらしい皮肉な構成だこと。

中盤では「君と今夜こそ」のアンサーソング的な新曲「あなたと今夜こそ」を披露。「君と今夜こそ」は恋人のデートの様子を男の目線から歌ったものだけど、「あなたと今夜こそ」は同じ状況を女目線から歌ったもの。本人も言ってた通り、無駄に壮大な編曲で、最後に「責任とってください」なんて重たい言葉がさらりと出てくるあたりが、これまたミドシンらしい曲だった。

「みんなやっぱりフェスっつったら盛り上がりたいんでしょ? どうせ勉強できない人の集まりなんだから」などと言いつつ、「愛なるは」「チューをしよう」「さらばグッバイ」と立て続けに披露して本編終了。

「本当は出演者全員30分割り当ててあるのにみんな約束守らないで早く終わっちゃって」なんて言ってたけど、実際は押してたそうで、アンコールで登場すると「時間もないんでちゃっちゃとやります」と、まずは今日の出演者紹介。

実は僕一人でやってました、という衝撃のカミングアウトを経てから、ガリクソンを始めとする出演者を次々紹介。茂木さんが出てきた際は、茂木さんからワンマンライブの予定を初めて聞かされ「あなたはいつも知らないところで周りが動いてるよね」と突っ込まれる場面も。一体どうなってんだ、この人は。

来年はやるか分からないけど、やるなら後楽園ホールでやりたいという野望も飛び出したところで「泊っていけよ」「頑張るな」の2曲を演奏してアンコール終了。

席が2階の端の方でステージが見にくかったのが唯一残念だったけど、非常に楽しかった。来年もやってほしいなぁ、これ。後楽園ホールじゃなくても良いから。

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