2005年1月23日(日) 天王洲アイル アートスフィア
兼ねてから念願だったBAHOのライブ。結論から言うと、もう最高!今まで見たライブの中で一番楽しかった。いや、これはライブと言うよりエンターテイメントショーとでも言うべきか。
Charこと竹中尚人と、石やんこと石田長生。そこにサポートでパーカッションのマック清水が加わって、3人のプロフェッショナルが音楽というおもちゃで本気で遊ぶショーだ。遊びと言っても、皆がハイレベルなテクニックを持ったプロだけに、遊びが芸術の粋に達している。まさにエンターテイメント。
大多数を占める年齢層の高い客に「ベテラン」の四文字を脳裏によぎらせつつ会場入り。2階席だったのでステージまで遠いのかと思いきや、小さい劇場だったので以外と近い。こりゃぁいい。斜め後ろ2mくらいのとこには、Charの息子Jesseが友人一同と座っていた。
会場が暗転すると、無駄に荘厳なストリングスバージョンの「Purple Haze」が流れて、地味な格好したCharと石やんが静かに登場。二人とも無言のまま、ゼスチャーでお互い「まぁ、どうぞどうぞ」ってな感じで着席。おもむろにアコギを抱えて始まったのは「禁じられた遊び」だ。
軽いウケ狙いかと思いきや、よく見たら二人が持ってるのは3弦ギター。いきなり3弦ですか!? 出し惜しみ無しですか!
(3弦ギターとは、6本あるギターの弦を1.3.5弦、2.4.6弦と3本ずつ2本のギターに別けて、2人で1本のギターを弾くという馬鹿らしくも驚異的な技なのだ!)
結局「禁じられた遊び」を、その都度テンポを上げなあがら3回演奏。一端退場し、暫くしてからBAHOファンにはお馴染みのリズムマシーンの音が鳴りだして、今度はマック清水と共に登場。
アコギで二人が交互にSmoke On The WaterやらBorn To Be Wildなど、ロックの有名なフレーズの応酬。シビレルッ! ちなみに阪神大好きな石やんのギターは、場違いなくらいの黄色と黒の縞模様で、タイガースの虎マーク入り。完全に浮いている(笑)
2人の漫才のようなMCを経て、今度はハードロックをジャズアレンジでやるという「ハードロズ」なるものを披露。アコ-スティックで演奏されるツェッペリンにジミヘン。かっこ良すぎる! 途中石やんが歌った「Purple Haze名古屋バージョン」では、「♪パ~プルヘ~イズ オンミャ~ミャ~」と、語尾をミャ~とかギャ~に変えてた。もの凄いマッチしてる(笑)。
それにしても石やんは喋りがたつなぁ。ミュージシャンということで笑いのハードルは下がってるけど、それにしても面白い。マック清水を紹介する時の「Charの精神安定剤で、俺の匂い消し」はツボだった。何だよ、匂い消しって。ちなみに隣に座ってた女性2人組は、石やんがネタでうまいこと言うたびに「スゴ~イ♪」と喜んでおりました。いやいや、スゴ~イじゃないでしょ。面白い。スゴ~イは違う。
BAHOは毎回いろんなネタを仕込んでくるけど、今回は「BAHOは今までいろいろとふざけた事やって来たけど、たまには真面目にやろうということで、今回は今までの総集編です」ということで、DVD「BAT HOT SHOW」に収録されてたグループサウンズメドレーを演奏。まさかこれが生で聴けるとは。
途中、ゲストで大西ゆかりが登場して歐陽菲菲の曲を熱唱。いい声してるな~。しかも、ちょっと似てる。
その後「ラジカセ」やら「気絶するほど悩ましい」やら、聴きたいと思ってた曲を次々やってくれて、恒例のラストナンバー「Happiness」へ。大いに盛り上がる客に手拍子&BAHOコールをやらせたまま3人とも退場。会場の「バ〜ホ~」の声が半拍ズレてきた頃に再び登場して、そのままアンコール突入。
一段落したとこで「今日は最終日だからね。しつこいよ。じゃあ、最初っからやるか」と言うと、本当に3弦ギターを用意。Charのは、もうケースに入ってたのをわざわざ出してきてた。本当に予定外のようで、セッティングも出来てないのでボーカル用のマイクで音拾って「禁じられた遊び」を再び演奏。
今回は何と2人のパートを入れ替えてのプレイだ。難しいなぁ何て言いながら、あっさりと合わせてしまう。どんだけ器用なんだよ。凄すぎ。折角だから3弦ベンチャーズ聴きたいな~と思ってたら、前の客がベンチャーズやってと要求。ナイスだ!前の客!
(3弦ベンチャーズとは、3弦ギターでベンチャーズの「DIAMOND HEAD」を演奏することなのだ。DVD「BAT HOT SHOW」で見て、甚く感動したのだ!)
「え?ベンチャーズ? それ全然練習してないからな~」などと言いながらも要求を受け入れやってくれた。何度か失敗しながらも演奏しきる。スゲェ……。これがプロってやつなのか。
その後は、さすがに最初からの流れをなぞる事はなかったけど、ボリューム満点のアンコールを終えて3人は退場。しかし客はまだまだ退場しない。再びアンコールを要求する客。暫くすると、それに応えて3人が登場。
石やんの衣装がタイガースのユニフォーム&ぱっぴに変わってる。「民族衣装を着てきました」と言い、タイガースのギターを用意する石やんに、Charが「民族衣装に民族楽器」と突っ込む。まさしくその通り。
「SMOKY」で、2度目のアンコールスタート。アコギのSMOKYメチャメチャかっこいい。その後、これでもかという濃いアンコールを終えて3人は退場。後ろにいたJesseが「いや~、すごいね。最後しつこい」と笑って席を立ったけど、客はやっぱり帰らない。結局3度目のアンコール突入。
最後は「TREMENDOUS」をやるもんだと思ってたら、Charがベースに持ち替えジャズのスタンダードナンバー「So What」をプレイ。最後は渋く大人な雰囲気で締めてくれました。カッコ良かったんだけど、最終電車の時間確認してなかったので、演奏聴きながらも大丈夫なんだろうかと内心ハラハラで集中できなかった。
会場を出た時は10時前。結局3時間近くやったことになる。急いで駅に向かい、新宿に向かうと、崇伝まで意外と余裕があった事が発覚。焦った分損したような気がして、無性に腹が立つ。
電車に乗り車掌から切符を買う。残金1000円ちょっと。終電のため、車が置いてある駅の手前までしか行かないのでタクシーを拾いたいところだけど、どう考えても金が足りない。ノープランで行動することの怖さを痛感しつつ、中央線に揺られるのでありました。