ぞうさん

ぞうさんって歌あるでしょ。

ぞうさん ぞうさん
お鼻が長いのね
そうよ 母さんも長いのよ

これって、最初のとこで象って生き物は鼻が長いんだねって言ってるわけでしょ。なのに次で、母さんも長いのよって言うのは変ですよね。最初に像全体の事を言っておいて、次は急に母親単体の話になってる。基本的に象は鼻が長いんだから、母親だって父親だって長いに決まってんだろーがって話ですよ。

これは「お鼻が長いのね」と「そうよ~」が会話になってるじゃないですか。素直に考えると、最初のとこは初めて象を見た子の感想な訳ですよ。あぁ、象は鼻が長いんだな~って。となると、母さんもながいのよ~♪の母さんは、その子の母親と考えるのが妥当なわけですよ。つまり、その子の母親の鼻が長いんです。

鼻が高い、じゃないですよ。鼻が長い。象見て思い出しちゃうような長さです。

でもね、これ子供の会話相手が母さんだったら成り立たない。もしそうなら、今更言わなくても分かってるわ!ってなりますからね。つまり、この子は自分の母親の鼻が長い事をこの時点では知らないわけですよ。母親を見た事がない。

じゃあ、誰と話してるんだってことですけど、多分育ての親でしょうね。ま、おばさんあたりじゃないでしょうか。父親って可能性もありますが「母さんも長いのよ」って言い方は、やっぱり女性だと思うんですよ。多分、この子が赤ん坊の頃に両親が他界してるんでしょうね。
それで母親の姉夫婦あたりに引き取られたと。この歌は、そんな子がおばさんと動物園に行って象を見たときの出来事なわけですよ。
切ないですね。

しかもこの子、この時まで両親の写真すら見てないわけですよ。写真がないのかもしれんけど、それでも普通はあなたの親はこんな人だったんだよってのを話すでしょ。これね、意図的に本当の親の存在を隠してるんですよ。自分たちが本当の親だと思わせてる。もの凄い事件の臭いがします。

姉夫婦は今まで必死に隠してたんです。動物園も来ないようにしてたんですよ。象見ると思い出しちゃうからね。でも、この子がどうしても行きたいって言って。

最初はダメだっていってたんですよ。でも、おばさんはおばさんで自分を試したいみたいな気持ちもあって、結局行く事にしたんです。私はもう大丈夫。あの事は忘れて、前を向いて生きていける、みたいなね。でも、子供のぞうさんお鼻が長いんだねって言葉を聞いて、つい呟いてしまったんですよね。お母さんも長いのよ、って。

何かねぇ、もう考えれば考えるほど切ないですよ。もしかしたら生きてるかもしれませんしね。実の母。生きてるけど、塀の向こうにいるとか。そんな事考えながら歌うと、ちょっと泣けてくるでしょ。はぁ~、切ない。

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