元OUTLAWのボーカル、山口進によるソロプロジェクト「30size(サーティサイズ)」、甲府KAZOO HALLにて初のワンマン。
2007年1月21日(日) KAZOO HALL
開場時間を5分程過ぎたところで到着したが、人が少ない。ワンマンだが、オープニングアクトが1組いるからだろうか。とりあえず予約しといたチケットを受け取ると、来月にあるバックホーンとイースタンの対バン企画のチケットがあるか聞いてみる。ぴあで取れなかったのでどうかと思ったが、あっさり購入できて、早くも今日の仕事を終えた感を醸し出しつつ、休憩所のベンチに腰掛けボケーッと待つ。
L字になっているベンチの角に座っていたら、後から来た男女4人組が、私を挟んで座って会話を始めたので、居たたまれずにフロアに移動し、奥まで進んでスピーカーの前あたりに腰をおろす。
目の前には50代半ばくらいと思われる女性と、その娘と思われる若い女性が立っている。横のベンチに座っている男性は父親のようだ。この人たち、このライブハウスで良く見る気がするのだが、無類のライブ好きなんだろうか。少なくとも以前のOUTLAWが出てた時には、間違いなく来ていたので、もしかしたら身内だろうかとも思ったが、娘と思われる人がブルーハーツの缶バッチをつけているのを見て、ただのライブ好きということにしておいた。どちらにしろ、この歳でロックを聴きにライブハウスに来るというのが素敵である。
程なくしてフロアが暗転して、オープニングアクトのCarolie Monitorが登場。全く聞いた事ない名前だし、ネットで調べても殆ど出てこないので、どんなバンドか全く分からなかったが、出囃子がBonnie PinkのLast Kissということで、何だか余計想像しずらくなる。
ベースが女の子で、あとは男の4ピース。見た目は20歳そこそこといった感じだが、ドラムだけは年齢が頭ひとつでてる感じで、高橋名人と宮里優作に全く同時に似ている。曲はありがちな感じだが、聴きやすいし悪くはない。音は学祭チックで結成間もない感じがしたが、漫画みたいな4人のキャラのバランスが何かいい感じだった。
ギター&ボーカルは大人しい主人公キャラ。ギターは対照的に明るくて調子が良い主人公の友人。ベースの子は小柄で大人しくクラスでも目立たない存在だが、音楽を切っ掛けに主人公たちと仲良くなり一緒にバンドをやる事に。ドラムは、そんな3人を影でまとめる先輩バンドマン。時に仲間と対立もしながら、成長していく主人公。そんな感じ。
Carolie Monitorの演奏が終わると、フロアにも少し人が増えたが、それでも大入りとは言えない。OUTLAWのラストライブの熱気を思い出し、少し寂しくなる。
まずは山口以外のメンバーが登場し、演奏に乗って山口登場。「イェイ、イェイ、イェイ」と和田アキ子ばりのイェイを連発。その後も、事あるごとにイェイを挟んでくる。
OUTLAW時代はベースだった山口だが、今回はギターを持ち3ピースを従えての4人編成。ネットで曲を聴いたときは、ロックというよりポップな感じかと思ったが結構パワフルな音。正直、音はOUTLAWの時よりも安定してる感じで好きかも。
この人の魅力はやっぱり声だと思うので、3ピースで演奏してるよりも、こういう構成で歌をメインでやるのがあってるのかもしれない。途中のメンバー紹介の時の話では、ドラムとギターの人は元々ミクスチャーバンドをやってたらしい。道理で音がパワフルなわけだ。
中盤には、ワンマンだからこういうのもいいかなと言ってボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」の日本語訳カバーを披露。訳詞は山口によるものだろうか。ディランの曲が妙に似合っていた。
その後、あと何曲かカバーをやるんですがと言って披露したのは、なんとOUTLAWの曲「約束どおり」と「ゴールド」。30sizeとしての新しいスタートなので、OUTLAWの曲はやらないと思ってたから嬉しい驚きだ。
アンコールではひとりで登場し、「中央線ラブソング」という、ちょっとエロティックな歌詞の歌を弾き語りで披露。
終了後、物販でTシャツを買おうと思い、スタッフの女性にMサイズがどれくらいの大きさか聞くと、舞台裏から駆けつけたばかりの山口のシャツを引っ張って「これくらいです」って。マネキンじゃないんだから。大事なアーティストさんでしょうが。